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しおりを挟むそれから、一ヶ月後。ついに、クリスマスがやってきました。
太陽が森にしずむと、チャロアは大きなふくろを持って出かけました。
「メリークリスマス、ペリドさん!」
「メリークリスマス、チャロア」
「はい、プレゼント!」
「えっ、なんだい?」
「おもちゃだよ! ぼくが作ったんだ!」
「なんだって? チャロアが?」
「うん。父さんたちに作り方を教わったんだ」
なんとチャロアは、町の人みんなの分のおもちゃを作ったのです。チャロアはふくろを持って、家をひとつずつたずねていきます。
「メリークリスマス、マラカおばさん!」
「まあ、おもちゃじゃないの! かわいいわ。ありがとう」
「メリークリスマス、アンバーおじさん!」
「おや、おもちゃかい。なつかしいねえ、子どものころを思い出すよ」
「メリークリスマス、セレスタおばあちゃん!」
「プレゼントをもらったのなんて、久しぶりだよ。ありがとうねえ」
チャロアは、町中を飛びまわり、おとなたちにプレゼントをわたしていきました。プレゼントをもらったおとなたちは、みんなうれしそうにわらいました。
チャロアが行くところにはえがおが生まれ、しだいに町中がえがおにつつまれていきました。
「あの子は、なんてやさしい子なんだ」
「おかげで、わたしたちも子どものような気持ちになれたわね」
「なんだか、こういうワクワクする気持ちを、ずっとわすれていた気がするなあ」
おとなたちは口々にそう言って、にこにことわらいます。
「よかった。よろこんでくれて、うれしいな」
チャロアの心は、ぽかぽかとあたたかくなりました。
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