チャロアと99人の魔法使い

雪村みおり

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 それから、一ヶ月後いっかげつご。ついに、クリスマスがやってきました。

 太陽たいようが森にしずむと、チャロアは大きなふくろをってかけました。

「メリークリスマス、ペリドさん!」
「メリークリスマス、チャロア」
「はい、プレゼント!」
「えっ、なんだい?」
「おもちゃだよ! ぼくが作ったんだ!」
「なんだって? チャロアが?」
「うん。とうさんたちに作りかたおそわったんだ」

 なんとチャロアは、町の人みんなのぶんのおもちゃを作ったのです。チャロアはふくろをって、いえをひとつずつたずねていきます。


「メリークリスマス、マラカおばさん!」
「まあ、おもちゃじゃないの! かわいいわ。ありがとう」

「メリークリスマス、アンバーおじさん!」
「おや、おもちゃかい。なつかしいねえ、子どものころをおもすよ」

「メリークリスマス、セレスタおばあちゃん!」
「プレゼントをもらったのなんて、ひさしぶりだよ。ありがとうねえ」

 チャロアは、町中まちじゅうびまわり、おとなたちにプレゼントをわたしていきました。プレゼントをもらったおとなたちは、みんなうれしそうにわらいました。

 チャロアがくところにはえがおが生まれ、しだいに町中まちじゅうがえがおにつつまれていきました。


「あの子は、なんてやさしい子なんだ」
「おかげで、わたしたちも子どものような気持きもちになれたわね」
「なんだか、こういうワクワクする気持きもちを、ずっとわすれていたがするなあ」

 おとなたちは口々くちぐちにそうって、にこにことわらいます。

「よかった。よろこんでくれて、うれしいな」

 チャロアのこころは、ぽかぽかとあたたかくなりました。
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