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序章

出会い

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学校の帰り道。
今日は厄日なのか早歩きで後ろを振り向かないようにしていた黄昏時。
誰もいない裏通りで1人で歩いているはずなのに。
別の気配を感じる。
ひたひたとこちらに一定の距離を保って『何か』がついてきている。
オレ、金子 空17歳性別は男
高校2年生成績は平均よりほんの少しだけ上。
得意なのは歴史苦手なのは英語。
運動神経も親が入れてくれた運動系のクラブのおかげでそこそこ自信はある…その分じーっと考えるのがあまり得意ではない。
そんなオレに一つ嫌な特徴がある。
そう、人間に普通に見えないものが可視化されて見えるのだ。
霊感というものなのだろう…なんとなくそうゆうものに狙われやすい。
不特定多数の相手もオレが反応するのが面白いのか…小さな嫌がらせのようなものを受けている。
基本は無視したり、巻いたりするのだが…くっそ!まだついてくるな。
でもこのまま家に帰るのも嫌だしどうしたものか…。
そう思いつつもとお遠回りをしていつものように繁華街を通ればどうにかなるかな…と繁華街につながる曲がり角へむかう。
なぜ繁華街へ向かうか?
それは人混みに紛れるというものがとても大事になる。
人混みによって悪いものが離れてくれる物理的にも心の距離的にも確実に距離が離れるのだ。
人の考え、思念、雑音、これらがノイズとなり低霊なら特に人混みに紛れるとこちらを見失ってくれる。
いつも使う簡単な霊祓いの方法。
今回もそれを利用しようとこの曲がり角を曲がれば…。
「え?」
「へ?!」
ドン!と漫画のような音がなり、後ろにノックバックした。
まだ尻もちついていない大丈夫耐えられてる。
「ごめんなさい!君、大丈夫?」
曲がり角からぶつかった子は深緑がかった黒髪のポニーテールでうちの学校の制服の女の子がこちらに手を伸ばしていた。
大丈夫です…と答えようとした次の瞬間だった。
「水卜すまん!!!」
「きゃあ!」
「ほぐぅっ!」
その声と共に彼女の後ろに何かがぶつかりピタゴラスイッチのようにオレに向かって倒れてきた少女と共に倒れた。
運悪く綺麗にまっすぐの立ったまま倒れたせいで見事に後頭部をぶつけることになった。
後ろは硬く痛かったけど。
前の方は柔らかくいい匂いがした気がした。
あっ…ついてきたやついなくなるといいな…と思いつつ意識をオレは失った。
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