コーヒーとCEOの秘密🔥他

シナモン

文字の大きさ
54 / 58
緑川、人類の運命を背負う

何でここに

しおりを挟む
「え、やめとけって…何で?」

 天に穴をあけるという言葉に中二心をくすぐられ、師匠に話したところ、直ぐに却下された。

「扱いきれないからだよ。使う方に負担がかかる」
「昔、大戦争でそれを使ったんだ」キューの顔も曇る。
「俺は戦争なんかまっぴらごめんだ。お前はゼウスのやり方に文句があるかもしれないが、あんな目に遭うくらいなら今の方がマシだ」
「そんな…」

 じゃあ、やっぱりだめなのか。⤵


「天に穴なんて開いたらきっととんでもないことになる。巨人族が復活し、無駄な争いをしなくてはならなくなる。俺とヘパイストスの兄貴だって、元は敵だったんだぜ」
「うそ!」

 そうだったのか。神話ではそうなのだな。

 だけど空に穴をあけるほどの威力がないと帰れないのだとしたら…?

「お前がどうやってここに来たかわからねえが、それは止めといたほうがいい。他の方法を探そう」
「う…ん」

 何かひらめきそうで、もどかしい。いっそ雷に打たれて一か八か…なんて無理だろうか。




 帰る…か。
 ここは気に食わないやつはちらほらいるけど、やり過ごせば快適な世界だ。
 俺は贅沢になってしまったのかなあ…。

 ゴロゴロしていても誰も文句を言わないし、難しくないものなら大抵のグッズは手に入る。

「ミドリカワの作ってくれたこれ、いいわねえ。髪の毛がまとまるわ」

 ペルセポネにはヘアクリップのようなものを作ってあげた。適当な素材を想像図を思い浮かべながらとんとんしてるとできてしまうのだ。

 まあね、あなたは超美女ですから何をつけても似合いますよ…。
 それより体を隠す下着の方が必要だったりして。
 決してじろじろ見ないようにさりげなく視線を向けるとやっぱりスケスケだ。
 信じられないよな…こんな格好で21世紀の東京歩いた日にゃキモ豚に襲われまくるぞ。梨汁ぶしゃー(?)


 絶対女神の純潔なんて守れない。


「ミドリカワは何とかっていうもの作るの諦めたの?」
「うーーん、悩み中」

 それ考えるとここの方がよほどましだよな。下界はどうなのか知らないけど。

「でも私ね、ミドリカワの世界、ちょっと行ってみたいんだ」
「え?」
「なんて言うのかな…胸のあたりがそわそわするの」

 それって、感動するということか?

「あの女の子がいたでしょ?」


 それが何のことかわからなくて、記憶を探るのに時間を要した。

 ああ、スパイダーマンの例の彼女ね。へえ、女神でもときめいたりするんだ。現代のヒーローもの。

「あの子とお話してみたい」

 それは無理だ。だってフィクションだもん。会えたって実際の彼女は全然別人だ。
 まあ、そんなこと実現するわけないけど。


 にわかに回りが騒がしくなってきた。

「何だ?」

「またアレスね…困った神。アフロディーテも一緒だわ」

 半裸でオープン馬車に乗り凱旋している。体を巻き付けるように抱き合って。何なの、こいつらは。公開ラブホだよ。つくづく呆れるわ…。
 みんなくすくす笑ってるじゃん。この二神、美男美女だけど態度は頂けない。
 そのあとを大きな雲がついて行く。

「お父様!」

 ゼウスがぎろっとこちらを見た。雲がこちらへやってくる。相変わらず眩しい野郎だ。ほんの少しうらやましい、大神ゆえ全身電気を帯びてるってことだよな。だから超兵器を使える。

「ペルセポネ、こんなところにいたのか。今宵はわしの相手をするのじゃ」
「は、はい。お父様」

 え、どういうこと? そのセリフ丸々セーフティガードに引っ掛からないの??

「娘に夜の相手?」

 つい大声を出してしまった。

「何だと?」

 さらにぎろぎろ目が光って怖い。

「いいのよ、ミドリカワ、これは私のお仕事なの」

 驚き! そうなのか。
 彼女のさもありなんという姿にさらに驚いた。そして言ってしまった。

「すげー、エロオヤジじゃん、娘に夜伽させて…何でもありかよ、さいてー」

 独り言のつもりで。

 ペルセポネはじゃあねと言ってゼウスの雲に乗った。ゼウスは娘の手を引きながら、目つきがどんどんきつくなる。


「「 お前、ペルセポネをたぶらかすだけでなく、わしを侮辱するとは何事か! 覚悟せよ!! 」」

 えっ…俺? たぶらかす?? って、何もしてませんけど…膝枕くらい?
 思った時にはもう…閃光に包まれていた。


 ぎゃあああああ―――――……。






 ⚡⚡ ⚡⚡ ⚡⚡ ⚡⚡ ⚡⚡ ⚡⚡ ⚡⚡ ⚡⚡


 ⚡⚡ ⚡⚡ ⚡⚡ ⚡⚡ ⚡⚡ ⚡⚡ ⚡⚡ ⚡⚡









「なんだあ?」
「人が落ちてきた!」
「救急車、救急車」

 ざわざわ……。

 目を開けると人がこちらをのぞき込んでいた。男だ…、

 ――――アポロン?

 俺は慌てて体勢を整えた。なんでまた…、あ、ちがう、えと…、




「 あれ、純じゃん。大丈夫か? 」顔も美しいがきれいな男性の声がそう言った。


 こ、こいつっ…。




 た、たたたたた高広~~~?
しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

運命の番より真実の愛が欲しい

サトウミ
恋愛
田舎娘のゾーイは龍族の王子・シャウロンの『運命の番』だった。 ロマンチックな恋を夢見るゾーイは『運命の番』であるシャウロンと会えるのを楽しみにしていた。 しかし、シャウロンはゾーイに対して素っ気ない。 運命の番だからといって、必ずしも愛し合う関係だとは限らないらしい。 それを悟ったゾーイは、シャウロンのもとから去ることを決意した。

妖狐の嫁入り

山田あとり
恋愛
「――おまえを祓うなどできない。あきらめて、俺と生きてくれ」 稲荷神社の娘・遥香(はるか)は、妖狐の血をひくために狐憑きとさげすまれ、ひっそり生きてきた。 ある日、村八分となっている遥香を探して来たのは怨霊や魔物を祓う軍人・彰良(あきら)。 彼は陰陽師の名門・芳川家の男だった。 帝国陸軍で共に任務にあたることになった二人だったが、実は彰良にもある秘密が――。 自己評価は低いが芯に強さを秘める女が、理解者を得て才能を開花させる!   & 苦しみを抱え屈折した男が、真っ直ぐな優しさに触れ愛を知る! 明治中期風の横浜と帝都を駆ける、あやかし異能ロマンス譚です。 可愛い妖怪・豆腐小僧も戦うよ! ※この作品は、カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

婚約破棄されるはずでしたが、王太子の目の前で皇帝に攫われました』

鷹 綾
恋愛
舞踏会で王太子から婚約破棄を告げられそうになった瞬間―― 目の前に現れたのは、馬に乗った仮面の皇帝だった。 そのまま攫われた公爵令嬢ビアンキーナは、誘拐されたはずなのに超VIP待遇。 一方、助けようともしなかった王太子は「無能」と嘲笑され、静かに失墜していく。 選ばれる側から、選ぶ側へ。 これは、誰も断罪せず、すべてを終わらせた令嬢の物語。 --

「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」と言われたので別れたのですが、呪われた上に子供まで出来てて一大事です!?

綾織季蝶
恋愛
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」そう告げられたのは孤児から魔法省の自然管理科の大臣にまで上り詰めたカナリア・スタインベック。 相手はとある貴族のご令嬢。 確かに公爵の彼とは釣り合うだろう、そう諦めきった心で承諾してしまう。 別れる際に大臣も辞め、実家の誰も寄り付かない禁断の森に身を潜めたが…。 何故か呪われた上に子供まで出来てしまった事が発覚して…!?

まだまだこれからだ!

九重
恋愛
温泉が大好きなOLの暖(うらら)。今日も今日とて山奥の秘湯にひとり浸かっていたのだが……突如お湯が流れ出し、一緒に流されてしまった。 気づけば異世界で、なんと彼女は温泉を召喚した魔女の魔法に巻き込まれてしまったらしい。しかもそこは、異世界でも役立たずとされた病人ばかりの村だった。――――老いた関節痛の魔女と、腰を痛めた女騎士。アレルギーで喘息持ちの王子と認知症の竜に、うつ病のエルフなどなど―――― 一癖も二癖もある異世界の住人の中で、暖が頑張る物語。 同時連載開始の「勇者一行から追放されたので異世界で温泉旅館をはじめました!」と同じプロローグではじまる物語です。 二本同時にお楽しみいただけましたら嬉しいです! (*こちらのお話は「小説家になろう」さまサイトでも公開、完結済みです)

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~

有木珠乃
恋愛
両親を亡くし、二人だけの姉妹になった一ノ瀬栞と琴美。 ある日、栞は轢き逃げ事故に遭い、姉の琴美が務める病院に入院することになる。 そこで初めて知る、琴美の婚約者の存在。 彼らの逢引きを確保するために利用される栞と外科医の岡。 「二人で自由にならないか?」を囁かれて……。

『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』

鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、 仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。 厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議―― 最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。 だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、 結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。 そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、 次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。 同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。 数々の試練が二人を襲うが―― 蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、 結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。 そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、 秘書と社長の関係を静かに越えていく。 「これからの人生も、そばで支えてほしい。」 それは、彼が初めて見せた弱さであり、 結衣だけに向けた真剣な想いだった。 秘書として。 一人の女性として。 結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。 仕事も恋も全力で駆け抜ける、 “冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。

処理中です...