マコトとツバサ

シナモン

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翼をください

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このとき。
あたしが違う返事してたら、今日みたいな展開にはならなかったはずだ。
つまり、『考えさせてください』とか『ちょっと勘弁してください』とか・・。
無論、即答でオッケーなんていえるわけがない。
相手は超イケメン有名人。恐れ多くてそんな・・。
だけどこの直後あたしは『はい』と言わざるを得ない状況に陥ってしまった。

「ひゅー、マジ?」

声が聞こえた。
ぱっと振り向くと男子の姿が・・。
あたしは焦った。

見られた・・・。
しかも、クラスメイトの兼重くん・・。
兼重くんは超口が軽いチャラ男で通ってる人物。男のくせに人の噂話大好きで、まるで芸能レポーターみたいに流暢にしゃべる・・放送部と新聞部かけもちで・・きっとこのこともすぐに広めるに違いない・・。

もしも・・あたしが断ったりしたら・・


『片山にコクられて断った子って・・あの子?』
『マジ??』
『何様~?』


うわぁ・・。
何故かそのときあたしの頭の中はその図しかなくて・・今思うとちょっと変だけど、そんなパニック状態でその後予想される状況を天秤にかけた。
そして出た結論が・・


『断じて断ってはならぬ』


「はい」と答えていた・・。
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