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5話 天敵
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「ああ、これこれ、食べてみたかったんですよ~」
副社長、目をキラキラさせてチキンをかぶりつく。
セレブなお方には物珍しいのかな。
「市川さんにお願いすると食べたいものをすぐ作って下さるんですよ。軽食だけではありません。大事な席でもね、魔法のようにお話もスムーズに進みます。私はすっかりファンになってしまいました」
って社長、ありがたいお言葉を。
「年のせいかハンバーガーは少々重くなってきましたが、これはいけますね」
「面白い組み合わせですね」
その他の方々概ね食べていただけてるようで。シロップ追加するする…。
会長も食べてる。むふふ…。そうそう、お肉とスコーン一緒にパクついてね。
パブロバは卵白と生クリームメインの焼き菓子である。
カップケーキを考えていたのだが、昨日急遽思いついて変えた。
サクッと軽めで、複雑な味のケーキよりおじさま向けでは。
イチゴをモリモリトッピングして、お洒落な葉っぱのセルフィーユ、銀のアラザンを散らした。
下のタルト生地はビスケットをリメイク。
普段フードコートなんて行きそうにないおじさま方に庶民的な一品をお出しする、
このしてやったり感が気持ちいー、ふふふ……
「…以上となっております。一般の意見として参考までにーーー」
・・・・・・食しながら講義は続いてます。
「ところで、柚木くんーー」
おもむろに、
列の真ん中、会長が足組んで腕組みして口を開いた。場内シーンとする。コーラのお代わりを注いで回ろうとしたのを止めて私もそちらを見る。
「君のそのブログだが、『ショッピングモールに住みたい』とはどういう意味だ? よくわからないのだが」
「えっ」
名指しされた男の社員さんは明らかに動揺している。メガネかけてひょろりと真面目そうな人だ。
大スクリーンのウインドウの一つに投影されてるとあるブログの画像。ショッピングモール考察参考サイト、
『ショッピングモールに住みたい人のブログ』、
……この人のブログらしい。
モールオタクらしく、お客目線での感想や色んなアンケートをとって掲載している。
好きなモールは?とか、あったらいいなと思う施設は?とか。
人気があるらしく、多いものでは10万人単位の票数となかなかのものだ。
ーーどういう意味ってそのままじゃないの? 何言ってるの、会長ったら。
「住めばよいのではないか? 住居棟を隣接した物件などいくらでもあるだろう、上層階が住戸になってるものも」
いやだからそういうのじゃなくてですね…。
柚木さんて人焦ってるじゃん、気の毒に。
隣の御堂さんクスクス笑ってる。
ーー九条会長、そこつつきますかー。タイトル変えときゃよかったーー
声が聞こえてきそうよ。
「住んでみたいほど快適ーーという意味ではないですかな」
副社長、天の声。
「広々として綺麗だし、休憩所も充実して、よくくつろいでいるのを見かけますよ。一般的な庶民の住宅事情を考慮すると夢のような場所でしょう」
「空港で夜間フライト待ちで床で寝そべったりしてるじゃないですか、ああいう感覚では」
他の重役が補足。
「大きな空港などモール化してきてますね。私も釣りで遠出をするときにフェリーの大部屋で過ごしたりしますが、案外快適ですよ、目的が釣りですから寝る所はどうでもいいんです、横になるスペースさえあれば。同じ目的の方と話し込んで仲良くなったりと、いいものですよ」
そうそう、副社長、釣り師だった。
・・・・・・。
会長、腕組みしたまんま。おそらく…イメージできないのではと思われる。
会長にごろ寝って。ハイアットに寝泊まりしてる人ですよ?
「モールにごろ寝できるスペースがあれば…ということですか」とよその社長。
ーーそういう意味なのかな。
単にモールに住んじゃいたい、ってことだと思ったんだけど。
「え、えーっと」
柚木さんて人、可哀想、真っ赤…。下向いちゃって。
「ショッピングモールに住む…」会長呟く。
そんな真面目に突っ込むところ?
だから! 一緒だってば! 私がこの部屋に住んじゃいたいって思うのと。
でしょ?
「面白い視点かもしれませんね。モールに住む。居住性重視の新モール…」と、比較的若い人が続いた。会長そのまま腕組みしてお考え中。
シーーんて。
…なんか見解の相違はあるものの、この中でわかってないの、なるあきくんだけのような気がしますぞ。
いやきっとそうでしょ……。
副社長、目をキラキラさせてチキンをかぶりつく。
セレブなお方には物珍しいのかな。
「市川さんにお願いすると食べたいものをすぐ作って下さるんですよ。軽食だけではありません。大事な席でもね、魔法のようにお話もスムーズに進みます。私はすっかりファンになってしまいました」
って社長、ありがたいお言葉を。
「年のせいかハンバーガーは少々重くなってきましたが、これはいけますね」
「面白い組み合わせですね」
その他の方々概ね食べていただけてるようで。シロップ追加するする…。
会長も食べてる。むふふ…。そうそう、お肉とスコーン一緒にパクついてね。
パブロバは卵白と生クリームメインの焼き菓子である。
カップケーキを考えていたのだが、昨日急遽思いついて変えた。
サクッと軽めで、複雑な味のケーキよりおじさま向けでは。
イチゴをモリモリトッピングして、お洒落な葉っぱのセルフィーユ、銀のアラザンを散らした。
下のタルト生地はビスケットをリメイク。
普段フードコートなんて行きそうにないおじさま方に庶民的な一品をお出しする、
このしてやったり感が気持ちいー、ふふふ……
「…以上となっております。一般の意見として参考までにーーー」
・・・・・・食しながら講義は続いてます。
「ところで、柚木くんーー」
おもむろに、
列の真ん中、会長が足組んで腕組みして口を開いた。場内シーンとする。コーラのお代わりを注いで回ろうとしたのを止めて私もそちらを見る。
「君のそのブログだが、『ショッピングモールに住みたい』とはどういう意味だ? よくわからないのだが」
「えっ」
名指しされた男の社員さんは明らかに動揺している。メガネかけてひょろりと真面目そうな人だ。
大スクリーンのウインドウの一つに投影されてるとあるブログの画像。ショッピングモール考察参考サイト、
『ショッピングモールに住みたい人のブログ』、
……この人のブログらしい。
モールオタクらしく、お客目線での感想や色んなアンケートをとって掲載している。
好きなモールは?とか、あったらいいなと思う施設は?とか。
人気があるらしく、多いものでは10万人単位の票数となかなかのものだ。
ーーどういう意味ってそのままじゃないの? 何言ってるの、会長ったら。
「住めばよいのではないか? 住居棟を隣接した物件などいくらでもあるだろう、上層階が住戸になってるものも」
いやだからそういうのじゃなくてですね…。
柚木さんて人焦ってるじゃん、気の毒に。
隣の御堂さんクスクス笑ってる。
ーー九条会長、そこつつきますかー。タイトル変えときゃよかったーー
声が聞こえてきそうよ。
「住んでみたいほど快適ーーという意味ではないですかな」
副社長、天の声。
「広々として綺麗だし、休憩所も充実して、よくくつろいでいるのを見かけますよ。一般的な庶民の住宅事情を考慮すると夢のような場所でしょう」
「空港で夜間フライト待ちで床で寝そべったりしてるじゃないですか、ああいう感覚では」
他の重役が補足。
「大きな空港などモール化してきてますね。私も釣りで遠出をするときにフェリーの大部屋で過ごしたりしますが、案外快適ですよ、目的が釣りですから寝る所はどうでもいいんです、横になるスペースさえあれば。同じ目的の方と話し込んで仲良くなったりと、いいものですよ」
そうそう、副社長、釣り師だった。
・・・・・・。
会長、腕組みしたまんま。おそらく…イメージできないのではと思われる。
会長にごろ寝って。ハイアットに寝泊まりしてる人ですよ?
「モールにごろ寝できるスペースがあれば…ということですか」とよその社長。
ーーそういう意味なのかな。
単にモールに住んじゃいたい、ってことだと思ったんだけど。
「え、えーっと」
柚木さんて人、可哀想、真っ赤…。下向いちゃって。
「ショッピングモールに住む…」会長呟く。
そんな真面目に突っ込むところ?
だから! 一緒だってば! 私がこの部屋に住んじゃいたいって思うのと。
でしょ?
「面白い視点かもしれませんね。モールに住む。居住性重視の新モール…」と、比較的若い人が続いた。会長そのまま腕組みしてお考え中。
シーーんて。
…なんか見解の相違はあるものの、この中でわかってないの、なるあきくんだけのような気がしますぞ。
いやきっとそうでしょ……。
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