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第51話 闇の獣人、今度は自国のお偉方にサービスをする

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 こうして俺はミュリエル皇子やジェルサムという執事。そしてリーラとファイナという二名のメイドに、四人の近衛騎士の獣人の口内に次々に射精していった。

 もちろん一人につき10回射精してやりましたとも。おかげで俺を畏怖していた四人の近衛騎士の面々は、未だに俺を畏れてはいるものの、大分お互いの距離が縮まったように感じた。

 そして全員の口内に射精し終わった俺の肉棒は…再びミュリエル皇子の手がしっかりと掴んで、ゆっくりとしごいている。

 本当にどんだけ俺の肉棒が好きなんだよ、この皇子様は。そんなに刺激していると俺も我慢できなくなって射精しちゃうぞ?

 いや、いっそ射精した方がいいのか? 急に射精したら皇子も驚いて俺のモノを掴んで離さなくなるってことはなくなるかもしれない。

 でもなー。皇子に粗相を働いたら局長からどんな目に遭わされるか。ここはまず一言、断っておいた方がいいかもしれないな。その後で急に射精しても「だからあの時、言ったじゃないですか」と言えばいいだけだし。

 うん。そうだ。そうしよう。俺は肉棒の先端の鈴口からまた透明な雫が出てくるのを好機(チャンス)だと思いながら、俺のムスコをしごいている皇子に忠告してやる。

 「皇子。俺の我慢にも限界はあるんですよ? そんなにしごいてばかりだと俺は我慢できずに射精してしまうかもしれない。そうしたら皇子は俺のミルクをまともに浴びて、体中ベトベトになってしまいますよ?」

 「やだなぁ。そうなったらラフィアスが浄化魔法を使えばいいじゃない。何度も僕の前で使っておきながら、何を今更。もちろんラフィアスは優しいから、僕がベトベトになったらすぐに綺麗にしてくれるよね?」

 こいつ…すでに浄化魔法で綺麗になるってことをわかっていてやっているのか。俗に言う確信犯だな。

 確かにこいつの言う通りだ。俺もこの国の国賓の一人になっているが、だからって帝国の第三皇子を粗末に扱っていいわけじゃない。そんな事をしたら、衝立(ついたて)の影に隠れて俺達の様子を覗き穴から見ているヴェルゼラートやレヴィンを失望させてしまう。

 それはある意味、シャルミリア局長に殴られるよりも痛い。それに女王や姫にも軽蔑されるだろう。

 結局、俺はこいつに暴力を振るわずにやんわりと断ることしかできないんだよな。国を捨てる覚悟があれば、話は別なのだろうが、そうもいかない。俺は捨て子で親の顔も知らないし、どこで生まれたのかハッキリしないけど、この国で育った。それは事実だ。

 辛い事もあったし、暗殺者としての教育を受けて。そしてつい最近になって俺とセックスして妊娠した女達が産んだ子供は、普通は半年。長くても一年しか生きられないことがわかった。

 それでもレヴィンやヴェルゼラートやアンネリーザに会えた。怖いけど局長も筋が通っていれば俺を助けてくれることもある。

 そんな思い出のあるこの国を捨てることなんかできない。俺がこの国に住む住民達から弾劾されない限りは、この国で生きていこうと思っている。

 だから俺はこの皇子様がどんなに勧誘してこようとも、断るつもりだ。例えソファーの上に押し倒されて、俺の肉棒をしゃぶられ続けて気持ちいい思いをしていても、だ。

 我ながら情けないが、皇子なんだから仕方ない。しかも我儘に見えるが、二人のメイドや周囲の騎士達が驚いた顔をしている所からして、普段は素直で聞き分けのいい皇子様らしい。

 「皇子があんなにラフィアス様に執着なさるなんて…今まで一度も我儘なんて言わなかったのに…」

 と、リーラという赤い髪のメイドが呆然とした感じで呟くと、ファイナという茶髪のメイドが皇子をフォローするように言った。

 「それは仕方ないかもね。だって皇子は呪いに侵されていたんですもの。すぐに死ぬと思っていたから私達の言うことにも素直に従っていたんでしょうね。人形みたいに何でも首を縦にふる皇子よりも、こっちの方が人間らしいと私は思うわ。もっともラフィアス様にとってはいい迷惑でしょうけど」

 お前ら見ていないで止めろよ! と俺は視線で訴えるのだが、彼等も臣下の身。やんわりと注意することはできても、今までが呪いに侵され、滅多に笑うことのなかった皇子が楽しそうに俺の肉棒をしゃぶっているのを見ると、あまりきつく注意することはできないらしい。

 「皇子…今日はそろそろ止めた方が…うっ!!」

 ソファーの上に仰向けになって倒れている俺の股間に覆い被さるように、俺の肉棒をひたすらしゃぶり続けるミュリエル皇子。そんな彼の舌による一流のテクニックによる猛攻に俺もいつまでも耐えられるはずもなく――
 
 いつのまにか俺は皇子の頭部を押さえて、皇子の口内に盛大に射精していた。

 やがて射精された精液を飲み終えた皇子は、無邪気そのものといった口調で俺に勧誘をし始めた。

 「あーおいしかった。ねぇ、ラフィアス。僕の国においでよ。帝国にもね、ダンジョンはあるんだよ? そこのダンジョンはね。地下300階まであるんだって。もっともダンジョンの中は広大で、雪が積もっている階層もあれば、砂漠の階層や森の階層。あとは海の階層もあるんだって。そんな風に環境が激しく入れ替わるから、地下50階層から60階層までが限界なんだって。どう? 行ってみたくない?」

 こいつ…。俺がダンジョン探索が好きなのをどこからか調べてきたな? 俺がダンジョンに行って強くなったのも事実だし、多くの宝物を取得できたのもダンジョンに潜ったからだ。帝国のダンジョンも面白そうだな。

 だからといってこいつの勧誘に乗るわけにはいかない。それにこの国を出るのなら、コア・ブランチに別れを告げてからでないと。でないと拗ねたりして、どんなに射精しても宝箱が出ないようにされても困るからな。

 「すみません皇子。やっぱり俺は帝国にはいけません。ここのダンジョンは地下1000階層まであるそうです。ダンジョン内のモンスターを倒す時に、そう漏らすのを聞いたので。ですからこの国のダンジョンを完全踏破するまでは帝国のダンジョンには行けません」

 「どうしても?」と皇子。それに俺は頷いて「はい。どうしてもです」

 すると皇子はぷくーっとほっぺたを膨らませると、激しい勢いで俺の肉棒をしごき始めた。

 「いいもん! それじゃ僕もこの国に住むから! もともとそれが目的だったんだからね。でも、ラフィアス。
今は君の精液、日が暮れるまで飲みまくっちゃうからね! 僕の呪いも今日で完全に消えるかもしれないし、無駄にはならないでしょ?」

 「し、しかし皇子。そんなに激しくしごかれたらもう、俺は我慢が…くぅっ!」

 必死の我慢も空しく、俺は皇子のはげしい手コキに耐えきれずに射精してしまった。

 今度は皇子の口内ではないので、そこら中に精液が飛んでいく。射精が終わると 俺は慌てて浄化魔法・ピュリファイをかけて室内全体を綺麗にしていく。

 「それって便利だよね? 浄化魔法とか闇の魔法とかラフィアスって本当にすごいね。僕も魔力は高い方だって言われるけど、うかつに魔法使えないの。そしたら呪いが進行して早く若返っちゃうから。だから今までは使いたくても使えなかったけど、呪いが完全に解けたら、もうそんな心配いらないよね」

 「そ、そうですね…って皇子。まだ俺のムスコを掴んでしごいているんですか…」

 「だってラフィアスの精液が射精されているのってすごいんだもん。勢いも量もすごいし。僕は呪いが完全に解けるまではここにいようかと思ったけど、決めた。ずっとラフィアスの側にいる。夜寝る時も一緒にいる。もう君の側から離れないから」
 
 「「「「「「「「ええーっ!?」」」」」」」」

 俺、執事、メイド達と四人の騎士の声が見事なまでに重なり合う。

 「いやそんな。俺にだって私生活というものがありましてね…」


 「大丈夫。お金なら払うから、それとラフィアス。君の体ってとても綺麗だから、これからはずっと裸のままでいてよ。その方が僕も君のミルクを飲みやすいし。ね、そうしようよ」

 「いやさすがにそれはまずいですよ、皇子。俺だってこの年で変態呼ばわりされたくないですし」

 「それなら僕の部屋だけでいいから。ね、そうしようよ。というわけでラフィアスは今から僕の愛人ってことでいいよね?」

 何だろう。とってもかわいいのに目が猛禽類の眼差しだ。一度狙った獲物は逃がさない。どんなモンスターよりも怖い何かを感じる。シャルミリア局長とは別の怖さをこの少年から感じた。

 背筋がゾッとするのは何年ぶりだろうか。そうこうしている内に皇子の顔が俺の前に迫ってくる。

 「ねぇ、返事をまだ聞いてないよ? ラフィアスは僕の愛人になってくれるよね?」

 「いや…あの、その…」

 両手を上げて皇子の接近をガードする。これが悪党やモンスターならさっさとぶちのめすのだが、この子の場合はそうはいかない。

 そして救いを求めるように再度、周囲を見回す。執事は頭を抱えているし、四人の騎士は火の粉が飛んでくるのが嫌なのか、全員視線を逸らしている。そりゃそうだろうな。皇子様の機嫌をそこねたら文字通り首が飛ぶだろうし。

 メイド二人はおろおろしているだけで役に立ちそうにない。

 「あの、皇子。その、返事はまた明日ということにしていただければ、と」

 明日になればまた迫られるのだろうが、今日の所はもうこの辺でおしまいにしてほしい。

 「だーめ! ラフィアスは強いんでしょ? 絶倫なんでしょ? だったら僕の愛人になるくらいはいいじゃないかな? なのに何で迷っているの? 僕の愛人になれば調査局員なんて危険な仕事なんてつかなくてもいいんだよ?」

 「いえ、それは俺が好きでやっていることですから。傷とかすぐに治せますので今日はこの辺で失礼させてもらおうかと…それに俺はこの国が好きなので。俺にも好きな人がいますので皇子の愛人にはなれません」

 「好きな人…誰なの、その人は! 僕のラフィアスに好きな人がいるなんて! 詳しく教えて。その人に話して別れてもらうように頼むから。大丈夫。乱暴な事はしないって誓うから」

 「いえ、その…と、とにかくそれはもうダメですよ…ていうかもう、勘弁してください…!」

 必死に両手を組んで困惑する俺に皇子は何か言おうかと口を開いた時、威厳溢れる女性の声が響いてきた。

 「そこまでです、ミュリエール皇子」

 皇子が慌てて俺の体の上から離れた。助かった! 起き上がった俺はゆっくりと衝立の裏から俺達の方に歩いてくる、フィラーレ女王陛下、シャリアーナ王女、ヴェルゼラートにレヴィンとシャルミリア局長の五人の姿を見て、100万の味方を得た気分だった。

 「全て見ていましたよ、皇子。ラフィアスはこの国の英雄にして国賓。あなたの道具でもなければ玩具でもありません。彼には彼の意志があるのですから。

 それなのにあなたは愛人になれとか裸のままでいろとか、彼に嫌われることばかり言っていますね。それではラフィアスの体を好きなようにできても、心までは好きにはできませんよ? 彼が心から望まない限り、無理強いするのはよくありません」

 折り畳んだ扇子をミュリエール皇子の方に向けてこの国で最高権力者の女王様が、あくまでも温和に皇子を諭そうとしている姿はまさにレナリアーラという国を統治するのにふさわしいものだった。

 彼女が皇子を諭している間に俺はマントで体を覆って前を隠す。いくら獣人が毛深いからって、全員が裸でいたいわけじゃないんだ。俺にだって羞恥心はあるんだからな。

 だが皇子は諦めなかった。

 「この国の英雄で国賓なのは知っていますよ、女王陛下。でも僕はラフィアスが大好きなんです。事実、呪いの大半は消えました。二つあった呪霊紋は一つが完全に消え去り、残りの一つも薄れていっています。そして僕の部下の右目も完全に良くなりました。

 そして僕の部下達は僕の願いを聞いてラフィアスの精液を一人一人が自分の意志で、飲んでくれました。決して命令したわけじゃありません。それは彼等がラフィアスに好感をもってくれたからです。もちろん他に思惑が混じっていることも否めません。

 それでも彼等はラフィアスが大切な存在だと認めて彼の精液を飲んでくれました。ラフィアスが本当に大切な存在でないとできない行為です。果たしてあなたや後ろに控えている人達にも同じ事ができますか?」

 体がある程度回復して強気になっている皇子はこの国の女王陛下を相手にしても、一歩も引かない。その根性は見上げたものだったが、あいにく女王一人ではないのだ。

 果たしてどうなるかとハラハラしながら見ていた俺を尻目に、女王は背後に控える四人を振り返り、にっこりと微笑みながら言った。

 「もちろん私はラフィアスの精液を飲むことができますとも。彼はこの国にとって、なくてはならない存在ですからね。それはあなた達も同じ。ならば私と同じことができますね?」

 「「「「はい、女王陛下!」」」」

 局長、ヴェルゼ、姫様、レヴィンの四人が異口同音に全く同じタイミングで女王の問いに清々しいほど即答してみせた。

 えっと…これってつまり…俺の精液を女王様達が飲むってことだよね?

 なんて考えていたら女王様が俺の前に立った。慌てて俺も立ち上がる。その拍子にマントが外れて、俺の意志とは裏腹にギンギンになっている、完全勃起状態の肉棒を女王陛下はそっと掴んだ。

 「私はフェラチオというか、オーラル・セックスはあまり得意ではありませんが…ラフィアス。あなたは自分の意志で射精することができるのでしたね?」
 
 「は、はい。女王陛下。俺のモノの先端部分を口に咥えていれば大丈夫です。後は俺が射精する際に、かなりの量と勢いがありますので、とにかく飲むことだけに集中していただければ噎せることはないと思います」

 「そうですか。では今から私の口の中に20回出しなさい。私達の方が彼等より多くの精液を飲むことで、彼等よりもあなたを大切に思っていることが証明できるでしょうから」

 そういうなり、俺の息子の亀頭部を口に含んでしまう女王。…えぇ~! 一人20回か。ま、今の俺には難しいことじゃないけどな。

 思わず顔をしかめた俺はレヴィン達を見るが、全員諦めろという視線を飛ばしてくるだけで、女王を止める者がいない。姫様もすっかり諦めたような顔で、首を左右に振っている。レヴィンは苦笑して、ヴェルゼは早く終われという顔でいい表情とはいえない。局長は…ニヤリと笑ってがんばれといわんばかりに親指を立てて片目をつぶっているんですが、あんた…ただ面白がっているだけだろ!

 口内に射精して噎せるんじゃないかと思ってハラハラしていたけど、幸い20回の射精が無事に終わりました。

 連続射精? そりゃ、やろうと思えばできるけどオーラル・セックスが初めての人間相手にそんなことできるわけないだろ? 今だって射精するのに覇王竜の精気をパッシブにして、通常の、精液が小刻みに何度も出るという形をとっているんだ。一回の射精する精液の量が一辺に出たら、飲む方が大変だからな。

 俺が射精して、女王や王女が飲み終わったらまた射精。衝立の影から見ていて学習していたのか全員、要領が良くて浄化魔法ピュリファイを毎回使う必要はなかった。せいぜい2、3回の射精に一度くらいかな。

 こうして俺は女王陛下、王女、ヴェルゼ、レヴィン、局長の五人の口内ににそれぞれ20回ずつ射精していったのでした。

 ていうかどうしてこうなった? 最初は皇子だけに俺の精液を飲ませるはずだったのに。気づいたら皇子を除いた帝国の7人と王国の5人と、合計12人に俺の精液飲ませた事になる。

 しかもほぼ全員が俺に対して畏怖や好意といった違いはあるものの、俺に視線が集中しちゃっているし。

 それは俺が王国側のトップの面々に対して射精しまくっている間も、それが終わった後も俺が注目の的になっていたのはいうまでもなかった。

 より正確に言うと全員の視線が集まっているのは、俺と俺の股間に生えた完全勃起している肉棒にだけどな。

 おまけに射精が終わっても俺に服を着てもいいという許可が下りないんですけど。

 勝手に服を着ても、また脱げって言われて脱ぐのは嫌だしな。浄化魔法ピュリファイをかけて俺の肉棒は完全に綺麗になっている。確かにでかくてある意味、見物するのに価値はあると思うけどこうも多くの人の視線に晒されているとなると恥ずかしくてたまらないんですけど。

 どうすりゃいいんだ、この状況…。俺は口元を拭う女王や姫やヴェルゼを見ながら、この羞恥プレイをどうにかできないかと考えていた。
 
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 後書きです。何だかもう、話の流れ上、必要なんですがもう完全にラフィアスの射精祭りになってしまっていますねー。

 ミュリエール皇子様は今まで呪いに侵されて死をまつだけの人生でした。配下の獣人の精液を飲んでも呪いの進行が遅れるだけ。

 そこでラフィアスのお陰で呪いの大半が消えたので、もう、はっちゃけてしまっています。

 完全にラフィアスにべた惚れです。茶色の髪と茶色の瞳と地味な外見ですが、結構な美少年です。

 そしてフィラーレ女王と娘のシャリアーナ姫。ヴェルゼラート侯爵夫人。この三人もこの後出番が増えていく予定です。

 しかし結構長くなりましたね。大体5000文字前後で収めようと思っているのですが、なかなかうまくいかないのが難点ですね。そんな長い小説、読んでくださり、ありがとうございます。 

 
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