闇の獣人 女神の加護で強く生き抜きます(18禁)

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第94話 闇の獣人、ストーキング対策のために夜中にこっそりと各村や街にポンプや結界などを設置する

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 それから昼には女王の正式な布告があり、今、街にある井戸にあるポンプは井戸の神のアビリティによるもので、「猛毒無効」、「血行促進」「ボケ防止」「疲労回復上昇」「汚物浄化」の効果が付与されており、そのポンプを設置したのは漆黒の獣聖人、ラフィアス・ゾルトロンドによるものであり、この設置型のアビリティによって、水が永遠に湧き続けるので、絶対にポンプを外したり、破壊したりしないこと。故意にこれらの行為を行った場合は老若男女を問わず処刑するという恐るべき布告も出された。

 また王都の中の商店や飲食店、倉庫のある地域、馬車のある所には「腰痛緩和」と「害虫忌避結界」の結界が貼られており、害虫や腰痛に悩まされにくくなっているが、結界に頼り切らずに衛生観念をしっかりとし、腰のマッサージや行き過ぎた労働などを慎んで、休む時はしっかりと栄養をとって休むことが大切だということが街の各所で役人達が大声で民衆を相手に説明していた。

 俺は王城のレヴィンの部屋から、セレソロインが映しだしてくれた映像をレヴィンと一緒に見ていた。

 説明が始まってから一時間ほどしたら、民衆が王城に向かって拝み始めた。

 俺が普段いる所が城だから、城に向かって祈り始めたらしい。

 「いやあ大変な騒ぎになっているね。…それで他の村とか街にも井戸にポンプを設置して、腰痛緩和の結界と害虫忌避結界を貼りに行くんだろう?」

 「そうだけど。でももう少し落ち着いてからの方がいいかな。…ん? あれ? なんか忘れているような…」

 腕を組んで首を傾げる俺にコーヒーの入ったティーカップを渡してくれるレヴィン。

 「何か忘れていることでもあるのかい? それならこれを飲むといい。苦いけどその苦さが何を忘れているのか思い出させてくれるよ」

 笑顔でそう言われたら断れない。俺は苦いものは嫌いじゃない。甘いものを食べて胸やけするよりかはまだマシだからだ。

 そしてカップ一杯分飲んだら、脳裏に無人島のイメージが湧き上がった。

 「ああっ! そうだったぁ! 俺、元・廃村と無人島に井戸のポンプとか腰痛緩和とか害虫忌避結界を設置するのを忘れていた! 今すぐ行って設置してくるよ!」

 「そんなに慌てなくても君なら時間を停止させれば、それで済むんじゃないのかい? それにまだ誰も住んでいないんだから、そこまで慌てなくてもいいと思うよ? 私としては人の住んでいない村や孤島の街よりかは、人の住んでいる街や村の方が先だと思うよ?」

 「そ、そうなんだけどさぁ…。じつは昨日、メデフィア街の連中を癒した後にポンプとか腰痛緩和と害虫忌避結界を貼ったら、町民の大半にストーキングされてさ…やるんなら、レヴィンの言う通り時間停止させて皆が寝静まった頃にやろうかと思っているんだよ。でないとまたぞろぞろと街や村の中を尾け回されるからさ…。

 それに怪我人と病人の一番多い箇所はみんな治療したしな。後はどこも似たり寄ったりだから、まずは先にポンプとか結界を設置してから、街や村の連中を癒した方がいいと思うんだ。これなら治療が終わったらすぐに王都に戻れるからさ」

 するとレヴィンは素敵な笑顔を浮かべて、うんうんと頷いた。

 「なるほど。それじゃ君は昼間は寝て置いた方がいいな。夜中に作業するんだろう? それなら私と一緒にお昼寝しようじゃないか」

 そう言いながら、有無を言わせずに俺を抱きかかえて(俗にいうお姫様抱っことかいうやつ)、俺をベッドの方まで運んでいった。
 
 あとは皆さんご想像の通り、昼間っからもうレヴィンが攻めになってガンガンやりまくるわ、もうあんたどこが宰相なんだよ! って抗議したくなるほどの野獣っぷりでした。

 どうも変だと思って「新・覇王竜の叡智」で鑑定したら、俺の精液ポーションの飲みすぎだということが判明。

 そりゃ精液ポーション二個も丸ごと飲めば、精気が充実しすぎて野獣になるって…。

 レヴィン。あんた下手すると連続強姦魔になっている所だったぞ…?

 結局、夕方まで俺が受けでガンガン攻められることになりました。…まあたまにはいいけど、血走った目でひたすら狂ったように腰を振りまくるのは見ていて引いたわ…。完全に野獣そのものだったし。

 そんな訳で夜中には各村と街に行って、井戸の神、畑の神、家屋の神のアビリティの結界とポンプを設置。

 もちろんレヴィンはしつこく俺に迫ってきたが、さすがに我慢の限界だったので、眠りの精霊にして大地の上位精霊のアーク・サンドマンを大地の大精霊経由で呼んでもらって、レヴィンを朝まで眠らせてもらうことにした。

 あとは女王陛下の派遣した役人が各町や村に派遣されて説明してくれる。

 残りの三つの街と村には時間停止空間の中とはいえ、かなり気を遣った。

 おかげで時空の大精霊達と確認しながら、ポンプとか設置し忘れていないかを何度も確かめながらの設置だった。

 それだけじゃない。結構派手に浄化と癒しの魔法をアルンソ村とメデフィア街に施行したからな。

 だから時間停止空間の中を移動している間は周囲が夜中で真っ暗なだけあって、いつ敵が襲ってくるかわからないので緊張しまくっていた。一応奇襲攻撃の対策として感知系のアビリティは全部アクティブにしてあるけど、邪神の眷属だからな。そういったアビリティ対策をしていてもおかしくないわけで。

 まあ…俺一人だけが空を飛んでいるから、別に攻撃してくれても構わないんだけどな。

 だが奇妙なことに三つの村と街に設置している間は、邪神の眷属による攻撃は全くなかった。

 あいつらは時間停止空間の中を移動できるから、不意打ちとかするかと思ったけどそんな事はなかったので安心したと同時に拍子抜けした。

 こうして国内の村と街と畑にポンプと結界を設置した。もちろん結界は主要施設(店や倉庫、馬車や馬車置き場といった)に設置。一般的な民家にまでやるのもいいけど、そしたら害虫を駆除する業者とかの仕事がなくなるし、駆除用の薬とかも作って売っている店が商売上がったりなので却下。

 ま、それぞれの家に設置してもいいんだけど、その前に浄化と癒しだな。一番怪我人や病人の多い箇所は癒したけど、二番目とか三番目とかもあるし。

 ただメデフィア街の家には俺は害虫忌避結界は設置しないようにしている。どんなに懇願しても駄目だ。

 だってあいつら、悪意がなかったとはいえ、俺が井戸にポンプ設置するのを邪魔したからな。

 あいつらには邪魔する気がなかったとはいえ、あんだけ大勢でしかもうるさくしていたら、仕事なんかできないっての。

 というわけであいつらの街には大規模なモンスターの集団とか盗賊団とか、他国の軍勢とかデーモンが攻めてきたとかの非常事態にならない限り、まず行きたくないな。

 それにあそこの街の衛視の一部が俺の代わりにエクストラ・ヒールを使えるようにしたから、しばらくの間は大丈夫だろ。

 とはいえ、これからが大変なんだよな。三つの街と村を浄化して癒してやらないと…

 「何でアルンソ村とメデフィア街だけ癒すんだ! 我々の街にも病人や怪我人もいるから治してほしい。でないと不公平だ!」
 
 ってことになるからな。後は大体、病人や怪我人が似たり寄ったりの数なんで、とりあえずアルンソ村とメデフィア街の二つが北東だから、今度は南東のドゴール村とソランデ街を浄化・癒しを実行しますか。

 問題は癒しを実行するのはいいんだが、所詮は一時しのぎにしかならないんだよな。これが頭が痛い。

 かといって怪我人や病人を治して、本人達に奇跡を体験してもらわないといけないし。

 ただそうなるとつまらない悩み事とか相談とか持ちかけてくるアホが出てくるからなー。

 特に貴族階級とかに多いし。大抵は対人関係によるものだから、文句あるんなら街に設置したアビリティを全部解除するとか言って脅した方がいいかな。俺、別に便利屋じゃないんだから、つまらない依頼とかあれば全部断るつもりだ。一度解決したら、次の相談も解決してくれると相手が思い込んでしまう。そうなったらキリがないしな。

 いくら時間停止が使えて分身が多く作れても、本人の努力がないと俺がいくら頑張っても意味がないことが多い。

 結局、本人がどうしようもない状態にならない限りは助けないのが一番だろうな。可哀想だが、下手に助けると俺に依存してもたれかかって、全く努力しないで甘えて過ごす…つまり堕落させてしまうから、必要以上には民衆とは関わり合いにならない方が、お互いの為だ。

 確かにアビリティを使えば問題解決することが多いけど、それって相手に暗示をかけたりして一時しのぎにしかならないタイプや洗脳して人形に変えてしまう物騒なアビリティもあるけど、依頼者や俺が望む解決方法ってそれとは絶対に違うと思うんだよな。

 あとは攻撃型のアビリティで脅す方法だけど、下手するとトラウマになりかねないからな。

 すでにポンプと結界は設置済みだから、朝になったらドゴール村から行ってみるか。

 しかしこのポンプに付与した水って直接的な癒しの効果ってないけど、疲労回復上昇があるし、汚物浄化があるから、体とか綺麗にできるから、疫病とかは井戸水飲んでいれば大丈夫だろう。

 疫病も邪神の呪詛とか瘴気といった特殊なもの以外は、大抵の場合は毒が関係している。だが「毒無効」や「猛毒無効」の効果が付与されているから、疫病も治る可能性が高い。もちろん栄養を摂取してちゃんと寝ていないと免疫力が落ちるからこの井戸水も絶対じゃないけどな。

 しかし神様の力ってすごいな。今更だけど、害虫忌避結界とか腰痛緩和とかもそうだけど、やっぱり神の実在性をもっとも強く証明してくれるのが、この井戸の神様のポンプのお陰だと思う。

 ちなみにこのポンプ、深い井戸だとポンプの形が変わったりするが、それでも水汲みに支障は全くない。
 
 これで井戸の神様の信仰心も上がるってもんだな。

 そういえば…冥王様って神様なのかな? 念話で死神に聞いてみたら、一応死んでも地獄に落ちたりしないようにとか、来世でも幸せな一生を送れますように、とか…あとは楽に死にたいので家族や友人に迷惑をかけないような死に方をしたい、というお願いをする者もいて、極少数だが信者はいるようなので、神々の一柱だと考えていいそうである。

 それじゃ死神を派遣してくれてアンデッド関連だけとはいえ、全面協力してくれるんだから、お礼はしておくべきかな。死神に聞いたら、あの世の神なので特に好き嫌いはないので、真心がこもっていればどんなお菓子やスープなどでも受け取ってくれるそうだ。

 そうか。冥王様は好き嫌いがないのか。それはそれで安心だな。嫌いなものを知らなかったとはいえ、供物として捧げて怒られたら、たまったものじゃないしな。だがありきたりの供物だと俺がその程度の人物だと思われそうで、嫌な感じだな。

 そこで俺は地下131階層の山積みになっている精液ポーション2億本を冥王様に捧げてみた。

 結構冥王様にはお世話になっているからな。死神の派遣による蘇生(死んで一週間以内で悪人の蘇生率は低いし、極悪人は不許可みたいだけど)とかできるし、それから後にはアンデッドに関する事なら全面協力してもらったから、2億本にしたってわけ。

 蘇生ができるお礼としてはこれでも安い方だと思うけど、それ以上は捧げなくていいって死神から頭が痛くなるほどの念話が来たので、2億本にしてみました。

 「冥王陛下。冥王陛下。死神さんを派遣してくれて、さらにアンデッドに関することなら全面的に協力してくれると、死神さんから聞きました。

 そこで今までお礼をしておらず、かといってあの世を治める神様に何がいいのかわからないので、とりあえずこの精気の詰まったポーションを捧げます。よろしければお召し上がりください」

 そう言った瞬間に、2億本の精液ポーションの放っていた精液の発する光が消滅した。

 おー…どうやら無事に冥王様に届いたようだな。

 死神にまた念話で聞いたら、喜んでおられるからもう今日はこれ以上は供物は捧げるな、という警告めいた返事が返ってきました。

 ま、これで冥王様にはお礼をしたから後でその事を指摘されて赤っ恥をかいたり、海神王様みたいに俺の所にいきなりやってきて、俺の精液を飲みまくるなんてことはされないだろう。

 いくらなんでも冥界から冥王様が急に来るなんてことはないだろうけどな。アナントス様といい、海神王様とか、いきなり訪問してくるんだもんな。

 まあ、アナントス様の場合は精液だけじゃなくて、他の液体も圧縮して丸薬にしてくれるアビリティをくれたからいいんだけどさ。

 …そういえば元・廃村とか無人島とかにも設置しないといけないな。ここまでやったんだし、朝までまだ時間はあるから、パパッと設置しちゃうか。

 ちなみに同じ無人の村と街ということで、元・廃村の護衛の数は半分に減らしている。

 つまり俺の作った分身の半分と魔神王を二人、無人島に派遣してそこでモンスターとか住み着かないようにしている。

 念話で魔神王達に異常はないかと確認したら、特に異常なしとのこと。ならこれからアビリティ設置するから、そこで待機していろと命じておいた。

 後は転移して、おなじみのアビリティ設置。街の方が井戸の数がちょっと多かったけど、誰もいないと静かで安心して作業できるから、いいな。

 それから元・廃村だけどいつまでもこの名前だとまずいな。何かいい名前とか考えておかないと。

 こっちも無事に「無限湧水のポンプ」とか「害虫忌避結界」とか「腰痛緩和」とかを設置した。

 村の周囲にある畑や近くにある井戸にも設置。これは無人島の街以外にある井戸にも設置しておいた。

 もちろん農作業で使うための水だ。人間にいろんな効果があるんだから、植物にも効果があるのは間違いない。

 
 
 これで設置完了。村の村長が過ごす大きな家で休んでいると、真っ青な顔をした二級創造神の分身のフェランさんが、ベッドに腰かけて休んでいる俺の前にやってきた。

 「ラフィアス様。お休みの所申し訳ありませんが、この手紙を読んでみてください」

 そう言って差し出された手紙には「膨大な量の精気をありがとう。そっちの都合がつけば死神を代理として派遣するから、都合が良ければ手紙に押された印章に指を当てて承諾してね。そしたらお礼を渡す死神が来てくれるから、よく話し合ってお礼を受け取ってほしい」

 という内容でした。

 …まあ、今は夜中なんだし、特にすることはやったから他にないし…。

 フェランさんを見たら不安そうな顔をしているが、いつの間にか彼女の側に現れていた馬鹿親父は、腕を組んでいる。

 「これって代理の死神が来るってことだよな。それじゃ今からこの印章に指を当てて呼び出すけど…二人共、何かあったらフォローとか護衛とかしっかり頼むな」

 二人が同時に頷くと、俺は一階に降りてそこの応接間に来てから、印章に指を当てて承諾、と短く呟いた。


 すると闇の風、ともいうべきものが現れた。まさにそう表現するしかないもの。この世界には存在しない、冥界特有の現象だ。

 それがゴウゴウと嵐のように家の中を吹きまくる。

 そして風が収まった後には、やたらとでかい。全長2.5メートルはあるかという大きさのゴリラの獣人が長刀のような武器を片手に、灰色のローブを着て立っていた。


 
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