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第159話 闇の獣人、人魚を泣かせて素材採取する
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太い樹木に縛られた人魚は、絶望に満ちた顔でマスクをした俺の分身達を見つめている。
彼等の手にもっているのは、植物ならほとんど万能の効果を出す宝珠を使って、効力を10倍以上に強化したタマネギの入った小さな鍋である。
それを人魚の顔に近づけていく。当然、人魚は必死に首を傾けて、小さな鍋を首元に当てられて、やっと途切れかけていた涙がまだ勢いよく目から流れていく。
そして顔から落ちたその涙は水滴にはならずに、直径5ミリほどの水晶玉になる。
これこそ魔力を込める最高の媒体の一つ「人魚の涙」である。
本当は更にいろんな素材を掛け合わせてもっといいアイテムが作れるのだが、温冷の二つの効果を込めるにはこれで十分だ。
何しろいろんな素材を掛け合わせるにも材料が足りないし、時間がかかりすぎるのだ。
だが「人魚の涙」なら大量生産できるから庶民に配るにはうってつけだ。
こうして時間停止空間の中で俺はレナリアーラ王国の民衆に配ってもいいほどの涙を人魚に流させた。
もちろん水分補給しないといけないから、以前使っていたタライの中に「水作成」の魔法で作った清浄な水を放り込んで、そこからコップ一杯ほどの水を2杯ほど人魚の胃袋に転移させているので、涙が枯れ果てるということはない。
最初は刺激の強いミントを加工した液体を鼻に近づけたんだけど、鼻水も一緒に流したので断念した。
鑑定してみたんだが、この鼻水は素材にはなるが鼻の中にある不純物を通ってくるので、いちいち浄化するのが面倒だから最初に3回ほど採取しただけで後は鼻水が出ないようにしておくことにした。
次に丈夫な紙をらせん状にねじってこよりにしたものを鼻の穴に差し込んで、涙を出すようにしたんだけど、くしゃみを連続で出しまくって涙だけじゃなくてツバや鼻水も一緒に出て、汚くて下品だからとサキュバス・エンプレスがたまねぎを使うことを提案したのだ。
確かにこれは泣かせるにしては最高の方法だった。何しろ鼻水とかあまり出ないし、涙が大量に出るので「人魚の涙」を大量に回収できる。
更に「睡眠不要」「飲食不要」「排泄不要」「入浴不要」のアビリティを一時的にこの性悪人魚に付与しておいたので、彼女には1週間ほど泣いてもらった。
え? ヒョドリン使えば涙はもっと短時間で沢山、大量に入手できたって? やだなあ。そんなことしたらお仕置きにならないじゃないか。
もちろん世界中の人間に配ることになるから、ヒョドリンを使うのは当然だ。とりあえずこの国の住人の大半に行きわたる程度の涙を出したくらいで許してやるか。
10万個ほど水晶玉が手に入ったので、後は時間停止を解除。人魚を海に放してやった。
そして別れ際、こう言ってやった。
「次にお前が不必要に陸の住民の命を奪った場合、人魚族全員に泣いてもらって涙を集めさせてもらうぞ」と。
そしたら顔面蒼白になって、絶対に逆らわないと彼女自ら誓約すると言い出してアナントスに人魚族に陸の住人の命を奪おうとする者や攻撃的な者、否定的な考えや思想の持ち主はできる範囲で制止すると誓ってくれた。
後は水晶玉をアビリティで2cmほどの大きさで拡大させてから温冷の効果を付与していく。
もうアビリティをいちいち確認するのが面倒なので、魔皇神に念話で暖冷の効果を念じるだけでできるか? と確認したらできると断言されたので、こうして暖気と冷気を放出する水晶玉を作ることにした。
とはいえ、途中で効果が切れたら暑さや寒さで病気になったらまずい。それを考えると中和や無効化されないように永久化のアビリティを使って永続する効果も付与することに決めた。
後は時間停止空間の中で分身500体ほど作って、人魚の涙でできた水晶玉に暖冷効果とこの二つが永続する効果を付与していく。
「うーむ。やはり人数が多いと作業がはかどるのう。婚約者殿が大勢いるので眼福じゃわい」と、アナントスが俺の腕に巻き付いたままで言った。
やっぱり人数が多いというのは素晴らしい。一日経たないで10万個の水晶玉に暖冷効果を付与できた。
後はこれを王都ジェルロンドの住人に配るだけだが…。やっぱり貧民街の住人に優先するべきだな。
そこまで考えていたら、何故か後ろから妙に熱い視線を感じた。
振り向いてみたら、海竜王がモジモジして俺をジッと見つめている。
そういえばこの竜王様のおかげであの人魚の改心ができたんだよな。俺がやったらもっと時間がかかっていたかもしれない。
魔神王や魔皇神に頼むって方法もあったけど、それだとやりすぎてトラウマになるかもしれないしな。
一応、超・修復のアビリティもあるけど…それだと逆に精神が修復されるってことで耐性がついてしまうかもしれないし。
それに…どうせ修復されるんだから、と居直ってしまう可能性もあるしな。
正直言って、どんなに綺麗な女でも性格ブスは駄目だ。快楽漬けにして性奴隷にする気も失せる。
とにかく今回はリヴァイアサンのお陰で人魚を懲らしめることができたんで、俺は海竜王と受けと攻めを交互にこなしてまる2日の間、やりまくった。
とにかく困ったのが、リヴァイアサンが俺の精液を飲みたがってしぶとく食い下がっていたことだった。
セックス自体は一日で満足してくれたんだが…。俺の精液が美味だといって実においしそうに飲んでくれたのはいいんだが、分身ではなく本体でないと駄目だと言うし、俺の精液ポーションじゃなくて、生の精液でないと満足できないと言うので、しまいにはいい加減にしろと俺の腕に巻き付いたアナントスに怒鳴られてやっと諦めてくれたんだけど、それでも2日もかかってしまった。
まあ海神王様に次いで海の世界では偉いドラゴンだからな。俺としても無下に扱うことはできなかったんだけど。
いや、ほんと時間停止状態の中でよかったよ。
そしてリヴァイアサンは大量に俺の精液を飲んだお礼と海の一族が迷惑をかけたお詫びを兼ねて、帰り際に大きな宝箱を10個ほど置いて帰っていった。
中を開けてみたら、やたらと白い玉ばかり入っていた。大小さまざまな大きさの玉が最低でも2cm。大きなものだと15cmから18cmほどのものまで入っていた。
「これは…真珠か?」
3cmほどの大きさの白い玉を手にして眺めていると、サキュバス・エンプレスのミリーヤが側にやってきて、宝箱の中身と俺がつまんだ玉を交互に視線を移動させている。
「そのようですわね。どうもその真珠…かなりの大粒で艶のある光沢といい、傷が全く付いていないので最高級品の真珠だと思われますわ」
「確か真珠って…結構、高価な代物なんだろ? ええと、手入れとかちゃんとしないと色とか艶が落ちるかくもるとかしちゃうって聞いたけど」
ミリーヤは微笑みながら頷いている。どうも宝石にはそれほど詳しくないのだが、俺の言ったことは間違いじゃないようだった。
「その通りですわ。ですがご主人様がパーマネンス(永久化)のアビリティをお使いになれば、そのような憂いは消滅します。普通の人間なら真珠を新鮮な状態で維持するのは魔法を使っても、数十年から数百年が関の山ですが、ご主人様なら数億年は真珠を新鮮な状態で維持できると断言できます」
と、ミリーヤが言うとほぼ同時に俺の頭の中で魔皇神が頷きながら「その通り」と言ったのを感じた。
「まあそれはともかく、ミリーヤ。俺はこれから王都ジェルロンドの貧民街に行って、この水晶玉を配ってくるから、お前はこの革袋に限界まで水晶玉を詰め込んで、ヒョドリンに食わせて増やしておけ。大体1000万ほどあればいいだろう。エペラン。お前は増えた水晶玉の入った革袋を空間収納で仕舞っておくように。分身達500名はこのまま残しておくので、お前とエペランのサポートに当たらせろ」
「承知いたしました。増えた水晶玉の入った革袋はエペランさんに渡して収納してもらえばよろしいのですね?」
「そうだ。言っておくがエペランは女王神の元・ペットだからな。時空魔法の使い手としては超一流だから絶対に怒らせたりするなよ?」
遠くで俺達の邪魔をしないようにとじっと見つめていたエンペラースライムのエペランが、俺に呼ばれて嬉しそうに飛び跳ねながら、近づいてきた。
早速革袋に水晶玉を詰め込み始めたミリーヤはとても楽しそうだった。
何というか妖艶な美女というよりかは、充実した主婦のような感じがピッタリと当てはまるような…。
サキュバスらしくないというか…。まあ本人が幸せならそれでいいか。
俺は時間停止を解除して、貧民街の上空へと転移することにした。
彼等の手にもっているのは、植物ならほとんど万能の効果を出す宝珠を使って、効力を10倍以上に強化したタマネギの入った小さな鍋である。
それを人魚の顔に近づけていく。当然、人魚は必死に首を傾けて、小さな鍋を首元に当てられて、やっと途切れかけていた涙がまだ勢いよく目から流れていく。
そして顔から落ちたその涙は水滴にはならずに、直径5ミリほどの水晶玉になる。
これこそ魔力を込める最高の媒体の一つ「人魚の涙」である。
本当は更にいろんな素材を掛け合わせてもっといいアイテムが作れるのだが、温冷の二つの効果を込めるにはこれで十分だ。
何しろいろんな素材を掛け合わせるにも材料が足りないし、時間がかかりすぎるのだ。
だが「人魚の涙」なら大量生産できるから庶民に配るにはうってつけだ。
こうして時間停止空間の中で俺はレナリアーラ王国の民衆に配ってもいいほどの涙を人魚に流させた。
もちろん水分補給しないといけないから、以前使っていたタライの中に「水作成」の魔法で作った清浄な水を放り込んで、そこからコップ一杯ほどの水を2杯ほど人魚の胃袋に転移させているので、涙が枯れ果てるということはない。
最初は刺激の強いミントを加工した液体を鼻に近づけたんだけど、鼻水も一緒に流したので断念した。
鑑定してみたんだが、この鼻水は素材にはなるが鼻の中にある不純物を通ってくるので、いちいち浄化するのが面倒だから最初に3回ほど採取しただけで後は鼻水が出ないようにしておくことにした。
次に丈夫な紙をらせん状にねじってこよりにしたものを鼻の穴に差し込んで、涙を出すようにしたんだけど、くしゃみを連続で出しまくって涙だけじゃなくてツバや鼻水も一緒に出て、汚くて下品だからとサキュバス・エンプレスがたまねぎを使うことを提案したのだ。
確かにこれは泣かせるにしては最高の方法だった。何しろ鼻水とかあまり出ないし、涙が大量に出るので「人魚の涙」を大量に回収できる。
更に「睡眠不要」「飲食不要」「排泄不要」「入浴不要」のアビリティを一時的にこの性悪人魚に付与しておいたので、彼女には1週間ほど泣いてもらった。
え? ヒョドリン使えば涙はもっと短時間で沢山、大量に入手できたって? やだなあ。そんなことしたらお仕置きにならないじゃないか。
もちろん世界中の人間に配ることになるから、ヒョドリンを使うのは当然だ。とりあえずこの国の住人の大半に行きわたる程度の涙を出したくらいで許してやるか。
10万個ほど水晶玉が手に入ったので、後は時間停止を解除。人魚を海に放してやった。
そして別れ際、こう言ってやった。
「次にお前が不必要に陸の住民の命を奪った場合、人魚族全員に泣いてもらって涙を集めさせてもらうぞ」と。
そしたら顔面蒼白になって、絶対に逆らわないと彼女自ら誓約すると言い出してアナントスに人魚族に陸の住人の命を奪おうとする者や攻撃的な者、否定的な考えや思想の持ち主はできる範囲で制止すると誓ってくれた。
後は水晶玉をアビリティで2cmほどの大きさで拡大させてから温冷の効果を付与していく。
もうアビリティをいちいち確認するのが面倒なので、魔皇神に念話で暖冷の効果を念じるだけでできるか? と確認したらできると断言されたので、こうして暖気と冷気を放出する水晶玉を作ることにした。
とはいえ、途中で効果が切れたら暑さや寒さで病気になったらまずい。それを考えると中和や無効化されないように永久化のアビリティを使って永続する効果も付与することに決めた。
後は時間停止空間の中で分身500体ほど作って、人魚の涙でできた水晶玉に暖冷効果とこの二つが永続する効果を付与していく。
「うーむ。やはり人数が多いと作業がはかどるのう。婚約者殿が大勢いるので眼福じゃわい」と、アナントスが俺の腕に巻き付いたままで言った。
やっぱり人数が多いというのは素晴らしい。一日経たないで10万個の水晶玉に暖冷効果を付与できた。
後はこれを王都ジェルロンドの住人に配るだけだが…。やっぱり貧民街の住人に優先するべきだな。
そこまで考えていたら、何故か後ろから妙に熱い視線を感じた。
振り向いてみたら、海竜王がモジモジして俺をジッと見つめている。
そういえばこの竜王様のおかげであの人魚の改心ができたんだよな。俺がやったらもっと時間がかかっていたかもしれない。
魔神王や魔皇神に頼むって方法もあったけど、それだとやりすぎてトラウマになるかもしれないしな。
一応、超・修復のアビリティもあるけど…それだと逆に精神が修復されるってことで耐性がついてしまうかもしれないし。
それに…どうせ修復されるんだから、と居直ってしまう可能性もあるしな。
正直言って、どんなに綺麗な女でも性格ブスは駄目だ。快楽漬けにして性奴隷にする気も失せる。
とにかく今回はリヴァイアサンのお陰で人魚を懲らしめることができたんで、俺は海竜王と受けと攻めを交互にこなしてまる2日の間、やりまくった。
とにかく困ったのが、リヴァイアサンが俺の精液を飲みたがってしぶとく食い下がっていたことだった。
セックス自体は一日で満足してくれたんだが…。俺の精液が美味だといって実においしそうに飲んでくれたのはいいんだが、分身ではなく本体でないと駄目だと言うし、俺の精液ポーションじゃなくて、生の精液でないと満足できないと言うので、しまいにはいい加減にしろと俺の腕に巻き付いたアナントスに怒鳴られてやっと諦めてくれたんだけど、それでも2日もかかってしまった。
まあ海神王様に次いで海の世界では偉いドラゴンだからな。俺としても無下に扱うことはできなかったんだけど。
いや、ほんと時間停止状態の中でよかったよ。
そしてリヴァイアサンは大量に俺の精液を飲んだお礼と海の一族が迷惑をかけたお詫びを兼ねて、帰り際に大きな宝箱を10個ほど置いて帰っていった。
中を開けてみたら、やたらと白い玉ばかり入っていた。大小さまざまな大きさの玉が最低でも2cm。大きなものだと15cmから18cmほどのものまで入っていた。
「これは…真珠か?」
3cmほどの大きさの白い玉を手にして眺めていると、サキュバス・エンプレスのミリーヤが側にやってきて、宝箱の中身と俺がつまんだ玉を交互に視線を移動させている。
「そのようですわね。どうもその真珠…かなりの大粒で艶のある光沢といい、傷が全く付いていないので最高級品の真珠だと思われますわ」
「確か真珠って…結構、高価な代物なんだろ? ええと、手入れとかちゃんとしないと色とか艶が落ちるかくもるとかしちゃうって聞いたけど」
ミリーヤは微笑みながら頷いている。どうも宝石にはそれほど詳しくないのだが、俺の言ったことは間違いじゃないようだった。
「その通りですわ。ですがご主人様がパーマネンス(永久化)のアビリティをお使いになれば、そのような憂いは消滅します。普通の人間なら真珠を新鮮な状態で維持するのは魔法を使っても、数十年から数百年が関の山ですが、ご主人様なら数億年は真珠を新鮮な状態で維持できると断言できます」
と、ミリーヤが言うとほぼ同時に俺の頭の中で魔皇神が頷きながら「その通り」と言ったのを感じた。
「まあそれはともかく、ミリーヤ。俺はこれから王都ジェルロンドの貧民街に行って、この水晶玉を配ってくるから、お前はこの革袋に限界まで水晶玉を詰め込んで、ヒョドリンに食わせて増やしておけ。大体1000万ほどあればいいだろう。エペラン。お前は増えた水晶玉の入った革袋を空間収納で仕舞っておくように。分身達500名はこのまま残しておくので、お前とエペランのサポートに当たらせろ」
「承知いたしました。増えた水晶玉の入った革袋はエペランさんに渡して収納してもらえばよろしいのですね?」
「そうだ。言っておくがエペランは女王神の元・ペットだからな。時空魔法の使い手としては超一流だから絶対に怒らせたりするなよ?」
遠くで俺達の邪魔をしないようにとじっと見つめていたエンペラースライムのエペランが、俺に呼ばれて嬉しそうに飛び跳ねながら、近づいてきた。
早速革袋に水晶玉を詰め込み始めたミリーヤはとても楽しそうだった。
何というか妖艶な美女というよりかは、充実した主婦のような感じがピッタリと当てはまるような…。
サキュバスらしくないというか…。まあ本人が幸せならそれでいいか。
俺は時間停止を解除して、貧民街の上空へと転移することにした。
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