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第205話 闇の獣人、城内にロクな武装がなくて半分安堵し、半分落胆する
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武器庫というべきか、この城の武装というか兵器をまとめて保管してある場所に行ってみた。
何しろ感染者を大精霊達に命じて、光か闇に変換するときにそこら辺のパネルに地図が載っているのだから、迷わなくてもいい。
もっとも最初に見た時に精液ポーション使って、地図は覚えたけど。
それでもあちこちにある表示をよく見ているのは、もしかしたらこの城を創った世界とは、また別の世界から召喚された連中が忍び込んでいるかもしれないからだ。
この城を守るために空を飛んでいたゴーレム・ナイトも俺から見れば速いが、逆を言えばその動きさえ封じてしまえばただの頑丈なだけのお人形さんに過ぎない。
そんなゴーレム・ナイトが何十体も保存されている空間というか、収納庫というべきか。
外から出入りできるだけの、何て表現したらいいのかな? ちょうど船とか雨や嵐、津波を避けるために大きな洞窟とかくり抜いたりした、天然の港というべき格納庫があるんだけど、それを城の中にもってきた感じだといえば、わかりやすいだろうか。
まさにその格納庫はゴーレム達が出入りする為に、壁の一部が上下に割れて開かれていくのが見えた。
俺もなりたくはなかったけど、最高管理者なんかにさせられてしまったんでゴーレム達は俺を見ると敬礼してくれた。
だけど乗り物とかは空を飛ぶ馬車くらいだな。宝物庫にあったのを更に装甲とかつけてゴーレムの馬というやつが引いてくれるタイプだけど、悲しいまでに武装がほとんどない。
おそらく戦闘用じゃなくて、純粋な旅行用のものしかこの非常時に搭載できなかったんだろうな。
覇王竜の叡智を使って、この乗り物とかゴーレム達を片っ端から鑑定しまくって、他に武装とか取り外して置いてあるのかと思ったが、全部…空振りに終わりました。
あとはこの格納庫にもパネルがあって、この城には八門の砲塔が設置されているが、火と雷の複合した属性の光線を出せるらしいが…ぜんぜん弱い。
いや直撃すればそこらのドラゴンも落とせるほど強力なんだけど…かなしいまでに魔力のチャージ(充電)時間が長い。長すぎる。一発撃ったら、魔力のチャージに20分もかかるって致命的じゃんか!
要するにアレか。空を飛んだり、ゴーレムを使役したりといろんな事に魔力を使っているせいで、魔道砲のチャージに時間がかかりすぎるのか。
それに合計して城の各所に八門ある。ということは一発撃ってすぐに他の砲塔の魔力のチャージを射撃した砲塔に回せる、という器用な事はできないらしい。
俺が魔力をチャージすればいいんだろうが、俺の魔力量は多すぎるからな。どこまで魔力を注げばいいのか、それにどこに魔力を注ぎ込めばいいのかもわからないんじゃ、お手上げだな。
それに管理者権限というのが使えるようになったせいか、城の中のどこにいても、城内の地図の表示されたパネルに掌を当てると、城の中の機能とか一通り表示されるようになった。
それでわかったんだが、この城の動力源は人工精霊のレメリアーナだが、予備として巨大な結晶が三つもこの島の最下層にあるということがわかった。
俺が宝物庫で見つけたMP蓄積用の宝石があったが、あれをうんとでかくしてMP収納量も桁違いらしい。
だがこの城自体は閃光一発で街一つを消し飛ばすような武装は存在しなかった。
せいぜい魔力の充電に20分もかかる砲塔が八門あるだけだ。
あとはゴーレム頼みということらしい。まあ緊急事態だったから、食料とか必要なものしか積み込めなかったらしかった。ゴーレム用の武装といえば、光り輝く剣と光弾を撃ちだす弓とかある程度。
ゴーレムは頑丈だから、それに素早い動きができれば大抵の敵は倒せるから、これでいいと思ったのだろう。それは間違っていないが、生物の兵器、例えばグリフォンとか空飛ぶ魔物とか使役していないのが肩透かしだった。
そりゃ餌とか必要だから、食事も睡眠も必要としないゴーレムの方が需要があるのはわかるんだけどな。
それからは城の中の食糧庫や台所に行ってみたが、王城リリウェルや王城ジスニーヴァインでの厨房を見聞きしていた俺にとっては、あまり豪華な造りとはいえなかった。
広くて料理しやすいのはわかるけど、所詮はそこまで。何というかだだっ広いだけでコックはゴーレムしかいないのが寂しい感じがする。
まあそれも俺の精液飲ませて、全員をまた筒の中に入れて寝かせたからなんだけどな。
だがこのままこの城をまるごと時空魔法で創った、特殊な時間停止空間の中に入れておかないと、こいつらが目を覚まして何か飲み食いしたがるだろうな。
そこで食糧庫を見てみた。管理者権限のおかげで警備のゴーレム達も敬礼して、戦闘にならなくて済んだことには大感謝だな。管理者権限ってスゲー! と思いました。
で、肝心の食糧庫だけど…確かに2000人でも一週間は食べていけそうだけど、それ以上は飢えるしかないというか。
食糧庫の中も一部しか飲食物が置かれていない。…しかたないか。非常事態だし…。
というわけで俺の「全魔法使用可能」で全く味がしないけど栄養満点のパンを大判振る舞いしてやった。
後は虫の神のアビリティ「蜂蜜召喚」で、一個だけ世界でもっとも高純度の蜂蜜の入ったビンを召喚できるというアビリティを使ってみました。
そしたら本当に一瓶出てきましたよ。リンゴを原材料にした蜂蜜で、普通は蜂蜜というと微量だけど、毒素が含まれている。
だから幼児(生まれてからの赤ん坊から三歳児まで)には蜂蜜を与えてはいけない。
もちろん熱で消毒させることも可能だが、そしたら蜂蜜本来のもつ栄養素の大半が消滅する。
だがこの神のアビリティだと、蜂蜜の中にある微量な毒素のみを消して召喚できるので、お手軽だ。
後でこの蜂蜜もヒョドリンに食わせて大量増加させておくか。もちろん貴族や大商人やその他裕福な商人にはやらん。一般市民か貧民街で貧しい生活をしている者達だけに配ってやろうと思っている。
そりゃもうパンと一緒に徹底的に魔法で創ってやりましたよ? ええ、もう、食糧庫の中に入りきらなくなるほどパンと蜂蜜でギッチギチに詰め込んでやりましたとも。
もっともパンにいくら蜂蜜塗っても、全部中和されて味がしない状態になるんだけどな。おそらく避難民はその時に絶望に満ちた顔をするだろうが、栄養満点なんだから味がしないという程度で文句は言わせないよ?
後は水だな。白い帽子をかぶった、ちょっとオシャレなゴーレムが案内してくれた厨房では、水作成の魔法が常時展開されているらしく、水には困らないようだった。
それは居住空間でも同じらしい。やっぱりこの城、軍事要塞としてではなく、旅行用というか城の中で暮らす人の安全を最優先にして設計されているようだった。
あと洗濯場も居住区には何か所かあったので、人がいないせいか、かなり広かったので居住区の側に地の大精霊を召喚して、穴を掘らせて井戸を造ってもらった。
後は井戸の神のアビリティを設置して、無限に水が湧き出るポンプを置いてみた。
どうもこの城の動力って精霊と魔力蓄電の巨大水晶が三つあるけど、非常事態で敵が襲撃した時に水晶が破壊されたら、と考えたら魔力の消費なしで水が無限に湧き出るポンプを設置するのは無意味じゃないはずだ。
まあ、ざっとこんなもんかな。居住区に10か所ほど無限湧水のポンプを設置して、俺は動力室、に行く前に図書室に行くことにした。この城を覆う結界を何とかする前に、いい本とかあればいいんだけどな。
逆に魔本といって本が魔物化したものとか、逆に本の中に魔物を封じ込めている場合がある。
どっちも一般人の手には余るし、悪魔が宿った本は非常に危険だ。何故なら間違った知識や道徳や倫理に触れる禁断の知識をわざと購読者に教えて、自分の意のままに操ろうとするからだ。
そういう本も非常事態のどさくさに紛れて運び込まれた可能性が高い。一応竜王の息吹とか魔法浸透でかけたから大丈夫だとは思うが、封印されていた場合はこの限りじゃないからな。
そういう場合は封印されている本を解かれたりしないように、俺が預かっておかないといけない。後で流血沙汰になって後悔するなんて、まっぴらだからな。
面倒だとは思うが、この城の避難民はすでに俺の精液を飲んで保護下にある。当然ながら俺には彼等の安全を保障してやらないといけないから、危険はできる限り排除するべきだろう。
聖人扱いされるのも面倒だな、と俺は罰当たりなことを考えながら図書室への最短ルートを歩くことにした。
何しろ感染者を大精霊達に命じて、光か闇に変換するときにそこら辺のパネルに地図が載っているのだから、迷わなくてもいい。
もっとも最初に見た時に精液ポーション使って、地図は覚えたけど。
それでもあちこちにある表示をよく見ているのは、もしかしたらこの城を創った世界とは、また別の世界から召喚された連中が忍び込んでいるかもしれないからだ。
この城を守るために空を飛んでいたゴーレム・ナイトも俺から見れば速いが、逆を言えばその動きさえ封じてしまえばただの頑丈なだけのお人形さんに過ぎない。
そんなゴーレム・ナイトが何十体も保存されている空間というか、収納庫というべきか。
外から出入りできるだけの、何て表現したらいいのかな? ちょうど船とか雨や嵐、津波を避けるために大きな洞窟とかくり抜いたりした、天然の港というべき格納庫があるんだけど、それを城の中にもってきた感じだといえば、わかりやすいだろうか。
まさにその格納庫はゴーレム達が出入りする為に、壁の一部が上下に割れて開かれていくのが見えた。
俺もなりたくはなかったけど、最高管理者なんかにさせられてしまったんでゴーレム達は俺を見ると敬礼してくれた。
だけど乗り物とかは空を飛ぶ馬車くらいだな。宝物庫にあったのを更に装甲とかつけてゴーレムの馬というやつが引いてくれるタイプだけど、悲しいまでに武装がほとんどない。
おそらく戦闘用じゃなくて、純粋な旅行用のものしかこの非常時に搭載できなかったんだろうな。
覇王竜の叡智を使って、この乗り物とかゴーレム達を片っ端から鑑定しまくって、他に武装とか取り外して置いてあるのかと思ったが、全部…空振りに終わりました。
あとはこの格納庫にもパネルがあって、この城には八門の砲塔が設置されているが、火と雷の複合した属性の光線を出せるらしいが…ぜんぜん弱い。
いや直撃すればそこらのドラゴンも落とせるほど強力なんだけど…かなしいまでに魔力のチャージ(充電)時間が長い。長すぎる。一発撃ったら、魔力のチャージに20分もかかるって致命的じゃんか!
要するにアレか。空を飛んだり、ゴーレムを使役したりといろんな事に魔力を使っているせいで、魔道砲のチャージに時間がかかりすぎるのか。
それに合計して城の各所に八門ある。ということは一発撃ってすぐに他の砲塔の魔力のチャージを射撃した砲塔に回せる、という器用な事はできないらしい。
俺が魔力をチャージすればいいんだろうが、俺の魔力量は多すぎるからな。どこまで魔力を注げばいいのか、それにどこに魔力を注ぎ込めばいいのかもわからないんじゃ、お手上げだな。
それに管理者権限というのが使えるようになったせいか、城の中のどこにいても、城内の地図の表示されたパネルに掌を当てると、城の中の機能とか一通り表示されるようになった。
それでわかったんだが、この城の動力源は人工精霊のレメリアーナだが、予備として巨大な結晶が三つもこの島の最下層にあるということがわかった。
俺が宝物庫で見つけたMP蓄積用の宝石があったが、あれをうんとでかくしてMP収納量も桁違いらしい。
だがこの城自体は閃光一発で街一つを消し飛ばすような武装は存在しなかった。
せいぜい魔力の充電に20分もかかる砲塔が八門あるだけだ。
あとはゴーレム頼みということらしい。まあ緊急事態だったから、食料とか必要なものしか積み込めなかったらしかった。ゴーレム用の武装といえば、光り輝く剣と光弾を撃ちだす弓とかある程度。
ゴーレムは頑丈だから、それに素早い動きができれば大抵の敵は倒せるから、これでいいと思ったのだろう。それは間違っていないが、生物の兵器、例えばグリフォンとか空飛ぶ魔物とか使役していないのが肩透かしだった。
そりゃ餌とか必要だから、食事も睡眠も必要としないゴーレムの方が需要があるのはわかるんだけどな。
それからは城の中の食糧庫や台所に行ってみたが、王城リリウェルや王城ジスニーヴァインでの厨房を見聞きしていた俺にとっては、あまり豪華な造りとはいえなかった。
広くて料理しやすいのはわかるけど、所詮はそこまで。何というかだだっ広いだけでコックはゴーレムしかいないのが寂しい感じがする。
まあそれも俺の精液飲ませて、全員をまた筒の中に入れて寝かせたからなんだけどな。
だがこのままこの城をまるごと時空魔法で創った、特殊な時間停止空間の中に入れておかないと、こいつらが目を覚まして何か飲み食いしたがるだろうな。
そこで食糧庫を見てみた。管理者権限のおかげで警備のゴーレム達も敬礼して、戦闘にならなくて済んだことには大感謝だな。管理者権限ってスゲー! と思いました。
で、肝心の食糧庫だけど…確かに2000人でも一週間は食べていけそうだけど、それ以上は飢えるしかないというか。
食糧庫の中も一部しか飲食物が置かれていない。…しかたないか。非常事態だし…。
というわけで俺の「全魔法使用可能」で全く味がしないけど栄養満点のパンを大判振る舞いしてやった。
後は虫の神のアビリティ「蜂蜜召喚」で、一個だけ世界でもっとも高純度の蜂蜜の入ったビンを召喚できるというアビリティを使ってみました。
そしたら本当に一瓶出てきましたよ。リンゴを原材料にした蜂蜜で、普通は蜂蜜というと微量だけど、毒素が含まれている。
だから幼児(生まれてからの赤ん坊から三歳児まで)には蜂蜜を与えてはいけない。
もちろん熱で消毒させることも可能だが、そしたら蜂蜜本来のもつ栄養素の大半が消滅する。
だがこの神のアビリティだと、蜂蜜の中にある微量な毒素のみを消して召喚できるので、お手軽だ。
後でこの蜂蜜もヒョドリンに食わせて大量増加させておくか。もちろん貴族や大商人やその他裕福な商人にはやらん。一般市民か貧民街で貧しい生活をしている者達だけに配ってやろうと思っている。
そりゃもうパンと一緒に徹底的に魔法で創ってやりましたよ? ええ、もう、食糧庫の中に入りきらなくなるほどパンと蜂蜜でギッチギチに詰め込んでやりましたとも。
もっともパンにいくら蜂蜜塗っても、全部中和されて味がしない状態になるんだけどな。おそらく避難民はその時に絶望に満ちた顔をするだろうが、栄養満点なんだから味がしないという程度で文句は言わせないよ?
後は水だな。白い帽子をかぶった、ちょっとオシャレなゴーレムが案内してくれた厨房では、水作成の魔法が常時展開されているらしく、水には困らないようだった。
それは居住空間でも同じらしい。やっぱりこの城、軍事要塞としてではなく、旅行用というか城の中で暮らす人の安全を最優先にして設計されているようだった。
あと洗濯場も居住区には何か所かあったので、人がいないせいか、かなり広かったので居住区の側に地の大精霊を召喚して、穴を掘らせて井戸を造ってもらった。
後は井戸の神のアビリティを設置して、無限に水が湧き出るポンプを置いてみた。
どうもこの城の動力って精霊と魔力蓄電の巨大水晶が三つあるけど、非常事態で敵が襲撃した時に水晶が破壊されたら、と考えたら魔力の消費なしで水が無限に湧き出るポンプを設置するのは無意味じゃないはずだ。
まあ、ざっとこんなもんかな。居住区に10か所ほど無限湧水のポンプを設置して、俺は動力室、に行く前に図書室に行くことにした。この城を覆う結界を何とかする前に、いい本とかあればいいんだけどな。
逆に魔本といって本が魔物化したものとか、逆に本の中に魔物を封じ込めている場合がある。
どっちも一般人の手には余るし、悪魔が宿った本は非常に危険だ。何故なら間違った知識や道徳や倫理に触れる禁断の知識をわざと購読者に教えて、自分の意のままに操ろうとするからだ。
そういう本も非常事態のどさくさに紛れて運び込まれた可能性が高い。一応竜王の息吹とか魔法浸透でかけたから大丈夫だとは思うが、封印されていた場合はこの限りじゃないからな。
そういう場合は封印されている本を解かれたりしないように、俺が預かっておかないといけない。後で流血沙汰になって後悔するなんて、まっぴらだからな。
面倒だとは思うが、この城の避難民はすでに俺の精液を飲んで保護下にある。当然ながら俺には彼等の安全を保障してやらないといけないから、危険はできる限り排除するべきだろう。
聖人扱いされるのも面倒だな、と俺は罰当たりなことを考えながら図書室への最短ルートを歩くことにした。
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