取引先の役員からベタベタに甘えられる件について

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帰国する前に

カーターがアメリカに戻る日程は決まってないが、戻る方針は変えられないものとなった。

俺はそれを会社に伝える役目なのがこんなに辛い役目だと数ヶ月前は思いもしなかった。

その決定が出た日、

居酒屋に行かないか?
 
と誘ってみた。
カーターは酒は得意では無いらしく接待ではほぼ飲まない。周りが飲むのは好きだから飲ませてくる。
が、俺はある決心をしていた。告白だ。

男同士の経験はあっても恋愛はしてこなかった。単に性欲の発散だったから。でもカーターに対して抱いてる感情な名前を付けるなら恋心に違いないのは分かっていた。
カーターに会えない日はガムシャラにジムで発散して会える日は何か話題が無いかと一生懸命会話した。温泉旅館に行ったのは2人きりじゃなかったけど、最高の思い出だ。

最後に家で飲まないかって誘って、そこで告白しようと決めた。
断られるだろう。でも、カーターの部屋までタクシーで5分だからそれで終わり。
それでいい。会社いられなくなっても仕方ない。自分の気持ちを大事にしたいんだ。
午後6時、待ち合わせの時間に駅に現れたカーターはいつもと見慣れたスーツではなくシャツにジーンズというラフな格好。
シャツでは隠しきれないその筋肉に目が奪われる。

店に入って一杯目に口を付けたところでカーターが

鷹、次の週末は何か予定ある?

と聞いて来た。特にないよと答えるとニコッと笑い、楽しみにしててね!と。
何だろう、何があるんだろう。出端を挫かれたせいで意を決して告白しようとしたのにいつもの飲み会になってしまった。
俺ばかりたくさん飲まされたのは覚えてる。
でもカーターの部屋に連れてこられたのは覚えて無かった。記憶を無くすなんて初めてだ!

慌てて起きるとミネラルウォーターを持ったカーターが世話をしてくれる。
なんか子ども扱いされてる気がする。

そして金曜の夜、カーターが迎えに来た。俺はてっきり週末とは土曜の夜からだと思っていたからジムでも行って帰るつもりだったから驚いた。
どうしよう、着替えも何も用意してない。
帰国するとはいえ提携先の役員との約束を反故にする訳にはいかない。悩んでたら、

鷹の部屋行こうよ。そしたらオッケーでしょ。

と言う。まぁいいか。散らかってるけど変なものは出てないはずだし。
ハイヤーに乗って帰宅するのは初めてだな。
部屋に着くまでの短い間で居眠りしてたらしい。カーターは俺が起きるまでずっと待っててくれ、起きたところで精算してくれた。身長差があるからカーターにもたれかかったら上腕に頭がくるはずなんだけど、あっちは胴が短いのにこっちは長いおかげで、ちょうど肩を頭を預けてたらしい。
運転手さんにまで、良く寝てらっしゃいましたね。とか言われてしまった。恥ずかしい。
なぜか上機嫌のカーターに連れられて降りた。

見慣れた我が家に見慣れない物体。カーターだ。
着替え用意して出ようかとしたら、

このまま鷹の部屋で飲まない?ダメ?

と聞かれた。むしろいいの?逆に心配になる。

問題ないよ。剣道ほど朝早くないから。

いたずらっぽく笑う顔がたまらない。この顔をずっと見ていたい。
その気持ちを隠して、シャワーを勧め、着替えを用意する。
1番デカいシャツとズボンを用意したのに小さすぎてハーパンなんかボクサーパンツみたいになってる。
話は他愛なく、実は剣道教室に通いはじめた事には驚かされたけど、試合したらボコボコにしてやるって言うとちょっとムキになってきたから可愛かった。

何かの拍子に家族の話になり、俺は九州に実家があって親戚もほとんどいると言ったら羨ましいんだという。
カーターは父方がドイツとスペインのハーフ。母方がトルコとエジプトのハーフでアメリカ在住だから自分のルーツってどこなんだろうと不安になるそうだ。
そういうものなのか。
今度実家に遊びに行きますか?って聞いたら、剣道の話した時に匹敵する笑顔で

是非!絶対ですよ!約束しましたから!

と喜んでくれた。

それにしても4カ国混じってるからなのか。カーターは悩みの種みたいだけど、俺にはただただカッコよく見えてるけどね。

ソファで横に座って飲んでたけど、気がついたら寝てたみたい。
ハイヤーの時と違うのは、カーターも俺にもたれかかって寝てたこと。
ベッドから毛布持ってこようと動こうとしたら腕で固定されて動けなかった。

男同士なんだから、重たい!臭い!汗!邪魔!ってらならなきゃいけないのは分かってる。でも狸寝入りしてでも離れたくなかった。

明日は何があるだろう。
気になりながらカーターの肩に頭を押し付けたら寝てしまってた。
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