初恋エンジン‼︎ー武蔵社宅の少年少女の日々ー

藤沢 南

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図書委員会7

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   満川は、図書室の中を一通りチェックしていた。「津山くん、出てこないなら、ズル休み、サボりって書いちゃうぞー。」彼女は、先程のとは打って変わって、少女の転がるような声に戻った。

「あのー。満川さん。なんで僕が転校するってわかった。」
「おおっと、そこにいたか、このサボリ魔」
   
彼女がほうきで僕の隠れていた場所を突っついた。「痛い痛い。」

「津山くん、大事なことを私に黙っていた罰よ。」

満川は8回ほど僕の背中をほうきの柄で突っついた後、僕を図書室のテーブルに座らせた。彼女のうるんだ瞳には、すこし潮の香りがしていたのを覚えている。

「津山くんと一緒に図書委員会やるの久しぶりだね。」
「そうだね。」
「今日、サボったって記入されたくなかったら、私の質問に答えて。」満川は、真剣な表情に戻して言った。

「転校は本当なの?」
「…うん。」

いきなり彼女のペンが止まってしまった。「…やはりそうか…。」僕は、久々に2人切りで話す彼女に、何か助け舟を出してあげないといけない。でも、いい機会だから、前から不審に思っていた事を聞いた。「満川さん、なんで君は僕の事をなんでも知っているの?」

「私のお母さん。」
「満川さんのお母さんと僕のお母さんが知り合いだってこと?前聞いたけど、知らないって言ってたよ。」

「ううん、そうじゃないの。私のお母さんは、引っ越して来た当時、津山くんが新聞配達中に、道に迷っていて泣いていた私の弟を、新聞配達店に連れて行ってくれて、そこで保護してくれていた事をずっと感謝しているの。だから津山くんと同じクラスになる前から、私の家族は津山くんの事を知っていたの。」

   そんな事あったか…?古河がやったんじゃないか?まぁ、黙って聞いていた。
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