ギフトで復讐！[完結]

2章

リリースペード大陸へ行く

私リリー、今翼を使ってスペード大陸へ向かっているの！
神の羽は中々高性能みたいで、ジェット機みたいな速さで飛べます！
飛ぶ事に浮かれてたらスペード大陸を通り越してダイヤ大陸に来てしまいました。

☆

スペード大陸上空に着きました。
千里眼を使い件の勇者を探します。
確か金髪のキツネ顔の男でしたね！

暴れていれば直ぐ見つかるのですが、残念ながら今は小康状態のようです。
エリーン様によると勇者は一度で攻め滅ぼさず遊んでいる様にチマチマ襲って来るそうです。

大陸中央部を両断する様に国境と思われる塀があります。
そこから南に大きな砦が等間隔で並んでいます。まぁ勇者に襲撃されて廃虚になってしまってますが。

そこから点々と村や町が続いていて、総数の半分くらいが荒らされて誰も居ません。
獣人さんの遺体と家の残骸だけです。

お墓でも作ってあげたいですが、今は勇者を探す方が先です！

やはり今は攻め込んで来てはいないようです。北国の方を探してみましょう。

何やらお祭りでもやっているみたいですね。
もう少しズームしてみます。

『流石勇者様だぜ！見たかあのケダモノ共の屈辱的な顔をよ！人族様を舐めるからこうなるんだ！』『勇者様万歳！この調子でほかの魔族共をやっつけろ！！』『きゃー！ステキ！勇者様抱いて！！』

私の耳は神の耳なので大陸中央の上空からでも北国の人達の声が拾えました。
正直ムカつく内容なので、このまま北国を丸ごと消炭にしてやろうかと思いましたよ。やりませんけど。
捕まってる獣人の女性達が居ますからねぇ。
勇者だけじゃなくて国もどうにかしましょう！

おっ！見つけました！金髪にキツネ顔の男です！！
北国の王都の外れに大きめのお屋敷があの勇者の家みたいですね。
呑気に窓辺でタバコを吸ってますよ。
その後ろには獣人さんの女性が裸でグッタリしています。

よし！このまま最短距離で突っ込みましょう！

ボンッ！と空気の壁を突き抜ける音を置き去りに勇者に向かいます。

直前で「あれ？このまま突っ込んだらグッタリしてる獣人さんも危険なのでは？」と思いギリギリでスピードを落としました。
勢いで行動してはいけませんね。

「な、なんだ？！・・・羽の生えたガキ？」
勇者は私の登場に驚き硬直しています。
今のうちに【神罰】でギフト取りあげましょう。

【神罰】の発動条件は
①使用者が神である事
②使用者が目視できる範囲に対象がいる事
③使用者が対象に対して怒っている事

うん、全部満たしています。発動！