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新章 皐月編
自称国王に目をつけられた
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メルティ大陸の南側に、この大陸で一番大きな都市がある。
都市の名前は[ガナラキングダム]と言い、ガナラ一族が支配している。
ガナラ一族は元々は旧メルティ王国(メルティ大陸の中央部にあった王国、今はサツキによって琵琶湖になっている)の男爵だった。
メルティ王国はとある事情で滅んだのだが、ガナラ家だけは運良く生き延びた。
そしてガナラ家は大陸で一番高い爵位となった為、勝手に王家を自称するようになった。
それが今のガナラキングダムを支配するガナラ一族だ。本人達はガナラ王家と自称しているが、この世界では王家を興す場合複数の他の王家か、皇帝または神によって許可して貰わねば認められないのである。
だからガナラ一族は自称王家なのだ。
ガナラ一族に使える家臣達も爵位を授けられて名乗っているが、大元のガナラ一族が自称なので無効である。
まぁ、他の大陸に行かない限りはそれを咎める存在はいないのである。
そんなガナラ一族の自称国王ジョン・ガナラ4世は、辺境の町サザナミから仕入れられた調味料見て悪巧みを考えていた。
「大臣よ、サザナミから来た調味料を我が王家で独占する!生産者を連れて参れ!!」
「ははっ!!聞いたな皆の者!サザナミへ急行せよ!!」
「「「「「はっ!」」」」」
自称国王は自称大臣に命令し、自称大臣は自称騎士達に命令した。
何故わざわざ間に大臣を通すのかは謎である。
ガナラキングダムがある地域は、まだ荒地より草木が多い為、馬も大量に飼育されていた。
その馬達に乗り騎馬となった自称騎士達はサザナミへ急いで行くのであった。
荒地を突っ切れば早いが、そうも行かないので外周部を沿っていくので片道でも1週間はかかるのであった。
馬と言っても、早く走れるように血統を良くしたわけでもないのでそんなに早くは走れないのだ。
サツキの開拓地は城壁に認識阻害がかかっている為、サツキが招かない限り目視出来ないのである。
☆
1週間かけてサザナミの町に到着した自称騎士達は疲労を癒す為、先ずは宿を取りゆっくり休んだ。
宿屋の店主はかなり泊める事を渋ったが、一応料金は支払うったので仕方なく泊めた。
国王に急げと言われたが、彼らも普通の人間なので休息は必要だ。それに国王はワガママ過ぎて正直まともに相手していたら身体が持たない。
3日ほどゆったりと疲労を抜いた自称騎士達は商業ギルドへ赴き、王からの命令を伝えた。
商業ギルドのギルマスであるリューネは騎士達の口頭での命令を聞き、コメカミをピクピクさせていた。
リューネはガナラが自称王家なのを知っていた。と言うか殆どのメルティ大陸の民は知っている。
その自称国王は命令をする時は書簡が必要な事も知らないのか、とリューネは心の中で突っ込んでいた。
ガナラは元々男爵だったが、メルティ王国が滅びた事で男爵の爵位も消滅しているから、現在のガナラ一族は平民なのである。
当然命令を聞く必要なんて無いのだ。
むしろ王国を自称し、他の町や村から税金を取ろうとする迷惑な存在だった。
自称騎士達も自称国王に命令されたとは言え、民達から税金を巻き上げたりしているので嫌われていた。
町の住民達が軽蔑の眼差しで自称騎士達を見ているのを、強すぎるが故に畏怖を込めて見られていると勘違いしているのだ。
ちなみに自称騎士達はダンジョンに潜った事もないので、レベル1だったりする。
ガナラキングダム付近にはダンジョンが無いから魔物と出会う機会が皆無であった。
イラついたリューネは偉そうな自称騎士にその場で書いた書簡を渡し王に報告に戻るように言った。
自称騎士は、後はギルマスが目的の人物をガナラキングダムへ連れてくるだろうと勝手に解釈して帰って行った。
リューネが書いた書簡にはこう書かれていた。
[いい加減にしないと商業ギルドと冒険者ギルド総出で捻り潰すぞ]と。
都市の名前は[ガナラキングダム]と言い、ガナラ一族が支配している。
ガナラ一族は元々は旧メルティ王国(メルティ大陸の中央部にあった王国、今はサツキによって琵琶湖になっている)の男爵だった。
メルティ王国はとある事情で滅んだのだが、ガナラ家だけは運良く生き延びた。
そしてガナラ家は大陸で一番高い爵位となった為、勝手に王家を自称するようになった。
それが今のガナラキングダムを支配するガナラ一族だ。本人達はガナラ王家と自称しているが、この世界では王家を興す場合複数の他の王家か、皇帝または神によって許可して貰わねば認められないのである。
だからガナラ一族は自称王家なのだ。
ガナラ一族に使える家臣達も爵位を授けられて名乗っているが、大元のガナラ一族が自称なので無効である。
まぁ、他の大陸に行かない限りはそれを咎める存在はいないのである。
そんなガナラ一族の自称国王ジョン・ガナラ4世は、辺境の町サザナミから仕入れられた調味料見て悪巧みを考えていた。
「大臣よ、サザナミから来た調味料を我が王家で独占する!生産者を連れて参れ!!」
「ははっ!!聞いたな皆の者!サザナミへ急行せよ!!」
「「「「「はっ!」」」」」
自称国王は自称大臣に命令し、自称大臣は自称騎士達に命令した。
何故わざわざ間に大臣を通すのかは謎である。
ガナラキングダムがある地域は、まだ荒地より草木が多い為、馬も大量に飼育されていた。
その馬達に乗り騎馬となった自称騎士達はサザナミへ急いで行くのであった。
荒地を突っ切れば早いが、そうも行かないので外周部を沿っていくので片道でも1週間はかかるのであった。
馬と言っても、早く走れるように血統を良くしたわけでもないのでそんなに早くは走れないのだ。
サツキの開拓地は城壁に認識阻害がかかっている為、サツキが招かない限り目視出来ないのである。
☆
1週間かけてサザナミの町に到着した自称騎士達は疲労を癒す為、先ずは宿を取りゆっくり休んだ。
宿屋の店主はかなり泊める事を渋ったが、一応料金は支払うったので仕方なく泊めた。
国王に急げと言われたが、彼らも普通の人間なので休息は必要だ。それに国王はワガママ過ぎて正直まともに相手していたら身体が持たない。
3日ほどゆったりと疲労を抜いた自称騎士達は商業ギルドへ赴き、王からの命令を伝えた。
商業ギルドのギルマスであるリューネは騎士達の口頭での命令を聞き、コメカミをピクピクさせていた。
リューネはガナラが自称王家なのを知っていた。と言うか殆どのメルティ大陸の民は知っている。
その自称国王は命令をする時は書簡が必要な事も知らないのか、とリューネは心の中で突っ込んでいた。
ガナラは元々男爵だったが、メルティ王国が滅びた事で男爵の爵位も消滅しているから、現在のガナラ一族は平民なのである。
当然命令を聞く必要なんて無いのだ。
むしろ王国を自称し、他の町や村から税金を取ろうとする迷惑な存在だった。
自称騎士達も自称国王に命令されたとは言え、民達から税金を巻き上げたりしているので嫌われていた。
町の住民達が軽蔑の眼差しで自称騎士達を見ているのを、強すぎるが故に畏怖を込めて見られていると勘違いしているのだ。
ちなみに自称騎士達はダンジョンに潜った事もないので、レベル1だったりする。
ガナラキングダム付近にはダンジョンが無いから魔物と出会う機会が皆無であった。
イラついたリューネは偉そうな自称騎士にその場で書いた書簡を渡し王に報告に戻るように言った。
自称騎士は、後はギルマスが目的の人物をガナラキングダムへ連れてくるだろうと勝手に解釈して帰って行った。
リューネが書いた書簡にはこう書かれていた。
[いい加減にしないと商業ギルドと冒険者ギルド総出で捻り潰すぞ]と。
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