異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします!

本条蒼依

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第10章 Freedom国、経済の中心へ!

82話 ギルド崩壊

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 それから半年後、ギルド本部に各支部から一斉にこれ以上は経営出来ないと報告書として上がってきた。本部からしたら、寝耳に水であり騒然となり、幹部達は慌てるしかなかった。

 その報告書が上げられる2週間前、各支部のギルドではギルドマスターを始め、幹部連中が夜逃げにも似たように姿を消したのだ。

「今日は、ギルドマスターはまだ来ていないのですか?」
「それが、幹部達も出勤していないんだよ……」
「ど、どういう事?」
「それが、連絡もつかなくて課長が今、ギルドマスターの家に走っているらしい……」
「それって、まずいんじゃないの?」
「俺達には通常業務をしてろって指示を出して、今ギルドマスターや幹部の家に行っているみたいだよ?」

 その時、課長が息を切らしてギルドに飛び込んで来た。

「みんな大変だ!」

 その声に、ギルドのロビーにいた人間が全て課長の方に顔を向けた。

「ちょっと、課長!こんなところで大きな声を出さないでくださいよ!」

「重大なことが起こった!課長以下、係長は至急会議室に!」

 その会議では、ギルドマスターや幹部が今朝早く町を出て行った情報を掴み、門番の兵士から手紙を預かっていた事を聞かされた。門番からは、ギルドマスター達が他の町との幹部会議があると聞かされて、そのまま通したと言われたのだった。

 そして、課長はその場でその手紙を読むと、ギルドはもう建て直す事が出来ず、後はお前等で何とかしろと書いてあったのだ。

「どういう事だ?ギルドマスターや幹部達も何を考えているのだ?」
「これからどうすれば?」
「まずは本部に報告を上げるんだ!そして、ギルドがやって行けるか資産を調べるのだ」
「確か資産は残っているはずだぞ?みんなの給料を削減した分が、ギルドの貯蓄になっているはずだし、依頼料も残していたはずだ!」
「いいからまずは確認だ!」

 課長たちは、ギルドの資産の流れを調べて顔が真っ青になった。貯蓄金額がまったくなかったのである。

 これは、すぐにギルドマスターと幹部達が持ち逃げしたと想像ができた。そして、許せなかったのは職員達の人件費削減した時、幹部達も一緒に給料を減らしていたのに、用途不明金として幹部達の給料に加算されていて、今までより1割多くの給料をもらっていたのである。そして、半年間の切り詰めていたギルドの資金も、全部持ち逃げされてしまったのだった。

「どうするんだ?」
「これでは、もうどうしようもない……」
「そうだ!今張り出されている依頼を全部取り下げるんだ!じゃないと支払う依頼料が無いぞ」
「課長……今そんな事を言ってももう遅いですよ。いくつか、依頼は発注されています」
「とりあえず、残っている分だけでも回収するんだ!」

 ギルドの中は騒然となって、受付嬢達は窓口を閉鎖するしかなかった。冒険者達も何事なのか訳が分からず、その日の冒険を中止し酒場で飲む事しか出来なかった。
 ギルド業務は取り敢えず、この酒場でお金を集める事しか出来なかったのだ。出された依頼料を支払う、資金を稼ぐことで精一杯だったのだ。

 この事は、ギルド本部に正直に報告書が上げられて、本部に資金援助が申し立てられたのである。しかし、ギルド本部も余裕がある訳ではなく、王国領支部のギルドを全部賄えるほど余裕はなかったのである。

「いったいどうなっているのだ?」

「や、やはりあの時調査隊を、何人か送っておくべきでしたね……」

「何を他人事のように言っているのだ?」

「ですが、あの時ギルドマスターは、わたし達の事には何も気も留めず、王国領ギルド支部全部が同じ意見になるわけがないと言ったではありませんか?」

「今、そんな事を言っても始まらんだろ!」

「いいえ!これはどう考えてもギルドマスターのせいです!わたし達に責任転換をしないでください!」

「では、どうすればいいのだ?今は王国支部を……」

「何を言っているのですか?今、ギルドマスターがどうなっているんだと怒鳴ったのではないですか?」

 もう、ギルド本部でも収拾がつかない状態になっていて、アーチェやモーリスも良い考えが浮かばない状態にあった。
 そして、ここにきてギルドマスターが、他人事のように怒鳴った事で、下の者達の不満が爆発してしまったのだった。

「ちょ、ちょっと待て!今はそんな話をしている場合では……」

「私達は、新たなギルドを目指してクーデターを成功させたはずなのに、結局は貴方達権力者の手によって、めちゃくちゃにされてしまった!」

「ちょっと待て!いったい何を言っておる?」

「ここ数か月の、ギルドの金の流れを調べていてわかったことがあります!」
「ギルドマスターあなたに横領の疑いがあることが分かったのです」
「あなたも、前のギルドマスターと同じになっていたようですね?」
「だから、半年前の支部のギルドマスターの動向にも安易に答えていたのでしょう?」

「ちょっと待て!何を言っておる?横領とは失礼ではないか?あれはギルドを移転させた特別報酬であり、あの事でギルドは魔人国との新たな繋がりができたであろうが!」

「あれは、あなたの意見ではなかったはず、部下に支払われる報酬なら分かります。何で、只ふんぞり返っていたあなたに特別報酬が支払われるのですか?」

「わしはギルドマスターであるぞ!ギルドを移転させたのは、私の承諾があってこそではないか!」

「言っていることが、前のギルドマスターと同じですね……」

「むぐぐぐ……それより今は!」

「そうです、今は貴方のような人間がトップ動いてもどうしようもありません!貴方は横領の罪で更迭させていただきます!そして、あなたの個人資産は凍結させてギルドの資金にさせていただきます!」

「ば、バカな‼」

「馬鹿はあなたです!新しいギルドは貴方の物ではありませんよ」

「何を言っておる!ワシがいて、ギルドが成り立っていたではないか!このままでは……」

「そうです!あなたがいては、ギルドは消滅してしまうでしょうね」

 そういった、アーチェとモーリスは悲しそうな顔を、ギルドマスターに向けた。二人はそう訴えながら、ギルドはもう終わりだと思っていたのだった。

 ギルド本部では、不正に手を染めていた幹部連中を、芋づる式にギルドマスターとはじめとする10人を逮捕したのだった。その幹部の資金を全部没収し、ギルド資金を王国領支部に送金したのだった。
 そのおかげで、本部の資金も無くなってしまったのである。これによって王国領のギルドは停止、本部では連日会議が開かれる事になったのだ。



 その頃、Freedom国では難民が押し寄せてきていた。

「一体どういうことだ?」
「それが、この難民は王国領からの人間と分かりました!」
「ランスロット?他に情報は?」
「主殿!それが、王国領のギルドが一切機能しておらず酒場になったらしいのです」
「はぁ?ギルドが酒場になったって、元々酒場も併設されていただろ?」
「詳しい事はまだよくわからないのですが、酒場だけが営業しているようなのです」

 そこに、マードックがギルド関係者も連れて、会議室に入ってきたのだった。

「主!大変な情報を持ったギルド職員を連れて来たぜ!」

 マードックは、難民の一人を会議室に連れてきて、今王国領とギルドでは何が起こっているのか?重要な情報を聞いたのだった。ケンジ達は、その難民である元ギルド職員の話を聞き、驚愕したのだった。

「そ、それは本当なのか?」

「はい……多分ですが、支部のギルドマスターや幹部達は、この国に潜伏しているはずです……」

「そうか……」

「そして、ギルド本部はもう建て直すことが出来ないかと……」

 実際、その元ギルド職員の話を聞く限り、帝国領のギルドも撤退した事で、売り上げが減ってどうしようもない所に、今回の王国のギルド支部の事件が起きたのだ。
 それだけでも、ギルドはもう立て直しの利かない所に来ている事が、容易に想像できるのだ。

「ムシュダルクさん!たぶん近日中にギルドからアーチェとモーリスと数名の訪問があるはずだ。その時は分かっていると思うが、俺に通してくれ!」

「わ、わかりました!」

「俺は、少し調べ物があるから後は任せたぞ?君は、この国で難民の申請をしてくれたら生活援助金が出るから、それが切れるまでに職を探すといい」

「あ、ありがとうございます!」

 ケンジは、元ギルド職員の人間にこれからの事を説明して、会議室から出ていこうとした。

「主!どこに行くんだ?」

「マードック、そんなことを聞く必要ないだろ?」

「って事は、王国支部の幹部達を探すってことだな?」

「当たり前だろ?ギルドが訪問する前に、ひっ捕らえてギルドに差し出してやるんだよ」

「じゃあ、ギル達も呼んでくる」

「ああ!頼むよ」

 ケンジは、世界地図を展開し王国支部のギルドマスター達の居所を、サーチして簡単に潜伏場所を特定してしまったのだった。
 やはり、元ギルド職員の言った通り、Freedom国領のフリーの町以外の町に潜伏していたのだった。ケンジは、さっそく鳳凰騎士団やギル達やロイ達に指示を出し、逮捕に向かわせた。Freedom国内なら、転移マットですぐにその町に移動出来る為、ギルド幹部達はあっという間に確保されてしまったのだ。
 王国支部の幹部達の殆どは、Freedom国に潜伏しており、その数なんと200人は降らなかったのだ。なんと、20の町の支部の幹部達が潜伏していたのだった。罪状は横領と詐欺で捕らえることになった。

 そして、ケンジの言った通り、数日後ギルドから援助依頼がFreedomにあり、アーチェとモーリス以下数名が訪問したのだった。


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