社畜のおじさん過労で死に、異世界でダンジョンマスターと なり自由に行動し、それを脅かす人間には容赦しません。

本条蒼依

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3話 奴隷商人

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 マサルは、気づいたら森の中で立っていた。

「そういえば、女神様が色々持たせてくれたんだったっけ。着いたら収納箱の中を見ろって言ってたもんな」

 マサルは、収納箱の中を見るとお金がいっぱい入っていた。そして、手紙が入っていてそれを読んだ。




『優さんへ 
 この世界はエルドニアと呼ばれる星のエルガストと呼ばれる地域です。
そこから南に行けば、それほど大きくない町があるのでそこに向かうと
いいでしょう。
 確か、ダンジョンもあり、薬草には困らない土地でのんびり暮らすには
良い町です。
 私とはもうコンタクトを取れる事はありませんが、この人生が貴方に
とって良い人生だと願っています。

 ここの言葉は、喋れるし文字の読み書きも出来るようにして
あります。お金も収納箱に入れておきました。お店でも何でも買って
有意義に使ってください。             


追伸 分からない事になったら知識のある奴隷でも買ってみても
良いかと思います。               女神 エステより』




「確かに、文字とか読めなかったら大変だった。エステさんありがとう。この人生では幸せになります」

 マサルは、女神の心遣いに感謝して、南に向けて歩き出したのだった。すると、遠くの方で馬車が魔物に襲われているのが確認できた。
 女神の知識で、ゴブリンに襲われているのが分かったのだ。ゴブリンなら、マサルでも充分に討伐出来ることが分かり手を貸す事にしたのだ。

 マサルは馬車の近くの茂みに姿を隠し、その様子をとりあえず見ていた。
 馬車の護衛についていた冒険者は、まだ駆け出しだったようで、ゴブリンの大群に押されていたが、何とかできるのなら自分が手を出す必要はないと判断したからだ。

「ぐはっ!」
「おい!そっちを頼む」

『ぎゃぎゃぎゃーーーー!』

 パッと見ただけで、ゴブリンは20匹ほどいた。それに対し冒険者は6人で分が悪い事が分かった。

「何で、こんな場所にゴブリンがこんなにいるんだ」

「おい!しっかりしてくれ。護衛を雇っているのに、こんなとこで死ぬわけにはいかんのだ!」

「馬車から出ないで!絶対守って見せますから!」

『『『『『ぎゃぎゃぎゃぎゃ!』』』』』

 マサルから見て、冒険者はもう無理なんじゃないかと思う程劣勢だった。これを見て、しょうがないと思ったマサルは冒険者達に手を貸す事にした。

「ウォーターバレット!」

 マサルの手から発射された、水つぶてはゴブリンのこめかみあたりを正確に貫いたのだった。

『『『『『『ギャ!』』』』』』

 ゴブリンは頭を貫かれて、その場にバタバタと倒れて動かなくなった。

「えっ⁉な、なに?」

「助太刀します!ゴブリンをたおして」

 その声に、冒険者の士気があがった。

「あ、ありがてえ!」
「助かったぜ!」

 このパーティーには、魔法使いはいないようだった。一気に情勢がひっくり返り、冒険者達はゴブリンを斬り捨てていったのだった。
 そして、ゴブリンを全部退治して、マサルにお礼を言ってきたのだった。

「助かったぜ!ありがとう。俺は疾風の狼のリーダーをやっているハンスと言う」

「僕はマサルと言います。差し出がましいと思いましたが、大丈夫でしたか?」

「いやいや、本当に助かったよ。それにしても君はまだ若いのに強いんだな」

「いえいえ、お役に立てて良かったです」

 すると、馬車から冒険者の雇い主が降りてきた。

「マサル君と言ったね。本当にありがとう!命拾いしたよ。私は商人をやってるガルドと申す」

「マサルと言います。ご無事でよかったですね」

「ああ!本当に助かったよ。それでお礼をしたいのだが……」

「いえいえ、そんな気を遣わなくてもいいですよ。偶然通りかかっただけで、僕が勝手に手を出したことなので」

「命を救ってもらって何もしないわけにはいかんよ。そうだ!マサル君はオラクールの町に向かうのかい?」

「オラクールの町?」

「ああ!ここから南にある町だ。良かったら一緒に乗って行くかい?君のような人が護衛に加わってくれたらこちらとしても安心だから、一緒に来てくれるとありがたいんだが……それに歩いていくと多分次の日になるよ?」

 マサルは、今日中には着けないと聞き、ガルドに甘えることにしたのだった。それも護衛料金も払ってくれると言うのだった。馬車は2連結になっていて凄く大きい事もあり、マサル一人が加わっても充分乗れそうだったこともある。

 しかし、馬車の中に入ると驚愕の後景があった。

「こ、これは?」

「これはとは?」

 馬車の中には、首輪をされた人間達がいっぱいいたのである。

「ひょっとして、人さらい……」

「ば、馬鹿な事を言わないでください!私はれっきとした奴隷商人です。証拠もここに!」

 ガルドは、奴隷ギルドのカードを見せてきたのだった。

「す、すいません。僕は今まで奴隷を見たことなかったから……」

「はぁあ?奴隷を見たことないって?」

 冒険者達が、マサルを勢いよく見たのだった。

「お前、今までどんなとこにいたんだよ?町や村で生活してれば、奴隷の一人や二人はいただろ?」

「僕は、今まで師匠と二人きりで山奥で生活していたんです。こうして、師匠以外の人間と会うのも初めてです」

 これは、ここに来る前に女神エステと考えていた設定だった。これで、マサルは知らないことがあっても、ごまかせるようにしていたのだった。

「そうだったのですか?ならしょうがないですね……」

「人攫いだなんて言って申し訳ありません……」

「いいんですよ。それならここにいる奴隷一人譲りましょうか?」

「えっ?なんで?」

「命を救ってくれたお礼ですよ。これから町で生活するのでしょ?」

「それはそうですが……」

「だったら、マサル君は町での生活以外に色んなしらないことがあると思うんですよね。奴隷を1人もらって、色んな知識を得たらいかがですか?」

 たしかに、女神の手紙にも追伸と書いてあったので、それもありなのかと思ったが、マサルとしては奴隷という認識が躊躇したのだった。

「そんな考える必要はありませんよ。奴隷は労働者と考えるといいです。もし仮に、マサル君が冒険者をやるとしたら、魔法使いとなるので前衛を任せるのもいいし、荷物持ちに使うのもいいと思います」

「僕は、冒険者にはならず商人をしたいと思っています」

「だったら従業員として奴隷を使うのもありと思いますよ。そんなに深く考えないで、気軽に考える事をお勧めします」

「おい、マサル!奴隷を一人貰っておけって。奴隷を買うとなると、それなりの金額になるし貰えるものは貰っておいた方がいいぞ」

 疾風の狼のランガが、マサルに耳打ちをしてきた。ガルドは、町に着くまで考えておいてくださいと笑顔で言ったのだった。

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