社畜のおじさん過労で死に、異世界でダンジョンマスターと なり自由に行動し、それを脅かす人間には容赦しません。

本条蒼依

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10話 生活拠点

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 マサルは、村のはずれに一軒の家を貰い、村長にここで店を開くといいと言われた。

「本当にこの家を貰っていいのですか?」

「あー、かまわんかまわん。中は結構汚れておるし壁も穴が開いておるでな。自分達で掃除や修理をせな住む事は出来んから好きにしておくれ」

 村長は無責任にカラカラ笑っていた。町ではこういった物件はギルドがちゃんと管理をして、売り物にしているがこういった村では住人が増える事もまずないので管理はまずしていないのが普通である。
 当然、村には領主などいない為、税金なども年に一回収穫物を納める感じでどんぶり勘定のようなものだった。

「村長ありがとうございます」

「いやいや、こちらこそありがとよ。錬金術師様が移住してくれるというだけで、その村は盛り上がること間違いないからな」

 村長は満面の笑顔でそう答えた。実際、怪我をしても治療ができるだけで全然違うのである。大怪我をした場合、教会に治療を頼むと法外な治療費を請求されるためとてもじゃないが連れてはいけないのである。
 たまたま冒険者がいても、ヒーラーは数が少ない。回復魔法を使える人間も、その価値を知っている為、治療費を請求されるととんでもない事になる。
 
 またポーションもそれなりに値は張るが、最下級ポーションなら村人でも購入することが出来る為、行商で売りに来るポーションより断然安く購入できるため、村としてもすごく有り難い事になる。

「あーそうそう、家の修理に使う資材置き場はちょっと離れておる。自由に使っていいが頑張っておくれ」

 村長はそう言って、家に帰ってしまった。

「じゃあ、ソフィアは家の掃除とかをしてくれ」

「わかりました」

「ご主人様あたしは?」

「ルナは俺と一緒に、村で買い物と資材置き場に行こう」

 マサルは、村の人達に挨拶をして回った。顔を繋げる為の大事な行動で最初は素っ気なかったが、マサルが錬金術師と分かると村の人間は笑顔となった。

「これからよろしくお願いします」

「いやぁ。まさか、この村に兄ちゃんのような若い人間が住んでくれるとは思ってもいなかったよ。こちらこそよろしくな」

「いえいえ、こちらこそ若輩者ですが色々教えてください」

 マサルは、会った村人一人一人丁寧に挨拶をしていった。そして、資材置き場でちょうどいい材木などを、収納箱に収納してしまった。

「ルナは修理とかできるのか?」

「まあ、穴をふさぐぐらいなら大丈夫ですよ。だけど、ちゃんとした修理は本業の大工さんに頼むのがいいんじゃないですか?」

「そうか……今は修理で我慢をするか……」

「そうするしかありませんね……」

 マサル達は、色んな材料を収納箱に入れて家に帰ったのだった。さすが、錬金術師だけあって挨拶をした時、村人たちはその重要性が分かっていて笑顔になってくれた。そればかりか家で収穫された野菜まで、快く安く売ってくれたりしてくれたのだった。普通なら、よそ者という事で距離を置かれたり、高額で売られたりしてもおかしくなかった。

「でも、食べ物を売って貰えてよかったですね」

「ああ、そうだな。旅をしてきて魔物の肉もあるし当分は大丈夫だな」

「そうですね。ご主人様のおかげで普通に生活できそうですしね」

「そういえばルナは明日からは森に入る事は出来るか?」

「大丈夫ですよ。でも、どうしてですか?」

「この周りの探索と、薬草採取を手伝ってほしいんだ」

「それならあたし一人で十分ですよ」

「いや、ルナは大丈夫かもしれないが、何が起こるかわからないからな。二人で探索をして周りを把握しときたい」

「分かりました。ソフィアはどうするのですか?」

「ソフィアは家の事をしてもらうに決まっているだろ?それにエルフ族なら家の庭に畑を作ってもらいたいしな。植物系には自信持ってたから大丈夫だろ?」

「なるほど。だから、この村に来る前に野菜の種や、クワなどの農作業道具を買ってきていたんですね」

「まあ、自給自足だと聞いていたからな。全部ソフィアの案だよ」

「そういえば、さっき資材置き場でドラム缶を拾ってましたが、あんなの何にするのですか?」

「あれか?あれは風呂だよ。やっぱり風呂に入りたくてな」

「そんなのどこに置くのですか?」

「家の中に土間ががあっただろ?そこに置いたらいいと思って、お湯は俺が出せばいいんだからな。十分だろ?」

「た、確かに……」

「ルナもソフィアも風呂に入ったら一日の疲れが吹っ飛ぶと思うぞ」

「えっ?」

「えっ?ってなんだよ?風呂に入りたくないのか?」

「いえ……あたし達も入ってもいいのですか?」

「そりゃ当り前だろ?なんで駄目なんだ?」

「だって、あたし達は奴隷ですし……お風呂だなんて貴族様ぐらいしか入れない物なんですよ?」

「ルナもソフィアも僕の家族なんだよ。そんなこと気にする必要なんかないよ」

「あ、ありがとうございます」

 ルナは、マサルの気遣いにお礼を言ったのだった。


 そして、家に着いたマサルはソフィアに村で売ってもらった野菜や肉を渡して料理を頼んだ。ルナは資材置き場で持ってきた材料で、家の修繕をし始めたのだった。
 村の生活は結構不便で、生活水も井戸から水をくむところから始まるため、土間には大きな瓶が置いてある。
 ソフィアも水属性魔法を使えるが、その瓶に水を貯める事は出来ない。そんな事をすれば、MPが無くなり気絶してしまうからだ。

「ソフィア?どこに行くんだ?」

「生活水を組みに、井戸まで行かないと瓶の中に水がありませんので……」

「それなら俺がやるから、料理の準備をしておいて」

「何を言っているのですか?こんな事は奴隷の仕事です。ご主人様はゆっくり部屋で休んでいてください」

「まあまあ、井戸に行くわけじゃないからさ」

 マサルは瓶に【クリーン】をかけて綺麗にしてしまった。

「はっ?何でご主人様がクリーンを?それって聖属性魔法じゃないですか?」

「まあ、今まで黙っていたけど、その理由は晩御飯の時に言うよ。とりあえず、家の事をやってよ」

「分かりました……」

 マサルは、水瓶をクリーンで清掃し、まるで新しく買ったばかりのような綺麗な水瓶にして、そこに水魔法の【ウォーター】で綺麗な水を満タンにしてしまった。
 それを見たソフィアは、目を見開きその場に固まってしまったのだった。


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