社畜のおじさん過労で死に、異世界でダンジョンマスターと なり自由に行動し、それを脅かす人間には容赦しません。

本条蒼依

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25話 合成

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 マサルは、冒険者達をみごとにまで退けたのだった。そして、ダンジョンランクが上がって新たに合成という物を手に入れたので、合成をやる為にAランクの魔物をガチャで引いた。

「マスター、今回もAランクの魔物が6体も出ました」

「じゃあ、今回はリッチとバンパイアロードを合成してみよう。生まれてきたばかりだけどよろしく頼むな」

 マサルは、2体の魔物に言葉をかけると、リッチとバンパイアロードはマサルに頭を下げたのだった。

 リッチは、アンデットでも上級で魔道師が知識を求めてアンデット化し不死化した魔物である。
 また、バンパイアロードは吸血鬼と呼ばれるアンデットである。血を吸われた人間が吸血鬼となりレベルが上がり上級バンパイアとなったのがロードやクイーンとなる。この2体の魔物が、マサルの手によって合成されたのだ。

 2体の魔物は、光に包まれた。そして、光の中から2人の魔石と思われる物が出てきて、一つになった。その様子にオーブは一言もらしてしまった。

「えっ?」

 マサルは、オーブの言葉を気にせず合成に集中した。合成が成功し、そこには普通の人間の女性が立っていたのだった。その女性は、今まで見たことのないような美しく、スタイルも抜群のプロポーションだった。

「ここはどこですか?わたしは一体……」

「しゃ、しゃべった?」

「あなたは誰ですか?」

「一応、僕はこのダンジョンの管理者だけど……君を生み出したみたいだけど言葉が分かるの?」

「あなたがわたしを生み出した?」

「うん。君は魔物同士を合成したら生まれたんだ」

「嘘を言っているみたいではありませんね。それでわたしを生み出した理由はなんですか?」

「このダンジョンは、今国から攻められようとしているから、戦力強化で君を生み出したんだよ」

 その女性は、少し考えこんでマサルの言葉に答えた。

「わかった。わたしは貴方に生み出された者として、役に立とうと思います」

 その女性は、マサルに頭を下げたのだった。

「それにしても君はどういった存在なんだ?チョット鑑定させてもらってもいいかい?」

「構いません。私自身よくわからないし、自分自身分かった方がいいと思いますので」

 マサルは、その女性を鑑定すると驚きの結果が出た。その女性はSSランクの魔物?と言っていいのか分からないが、その正体は吸血姫となっていた。

「吸血鬼のお姫様?どういう事?」

「マスター、ちょっとよろしいですか?」

「オーブなんだ?」

「多分、その女性は生まれながらのバンパイアだと思います」

「ええーーー!生まれながらの?」

「そうです。吸血鬼でも真祖と言われる存在で、その昔その存在一人で一国を全滅に追いやったと言われる魔物の一人だと伝承にあったはずです」

 オーブの説明に、エルフであるソフィアが驚いたように口を開いた。

「吸血鬼の真祖⁉それは本当ですか?」

「なんだ?ソフィアは知っているのか?」

「えぇ……たしか、私が生まれる遥か前の出来事を記した本を読んだことがあります」

 ソフィアの説明によれば、真祖とは人間をバンパイアに変える事で、人間の生き血を食事にする魔物であり、バンパイア唯一の弱点である太陽の陽のひかりを克服した最強のバンパイアだった。

「あたしも聞いたことがある」

「ルナも知っているのか?」

「子供の頃、夜になると親が子供を寝かしつける時によく言われたのよ。早く寝ないとバンパイアに生き血を吸われるとか驚かされたもん」

 ルナの説明はちょっと違う感じもしたが、あえて何も言わなかった。

「へえ!そんな風に私達の存在は言い伝えられているのですか?」

「君は、なんかすごい魔物だと言われているみたいだね……」

「ところで、主様?」

「主様⁉」

「わたしを生み出したのなら、貴方はわたしの主ですよね?」

「まあ、そういう事になるのかな?それで何かわからない事でも?」

「わたしの名前を付けてください!わたしを生み出したのなら、これから君といわれるのはなにか悲しいです」

 真祖の言うことはもっともだった。それに今まで生み出した魔物達とは会話が出来なかったが、真祖とは会話が出来た為、これから一緒に生活する仲間として名前は必要だと、マサルも納得したのだった。

「な、名前?僕が名付けていいの?」

「主様に付けてほしいです」

 マサルはしばらく考え込んで、真祖の姿を見ていてパッとひらめいた。

「君には月の光がよく似合う。月の姫で輝夜、輝く夜と書いてカグヤというのはどうだ?」

「カグヤ……素敵な名前をありがとうございます」

 名前を付けた途端に、カグヤの身体が光り輝き、その光にマサル達は驚いた。

「いったいどうした?」

「マスター、カグヤは名前を付けられたことで、ネームドになりました。ランクもSSランクからSSSランクへと昇格して、マスターの眷族となりました」

「それは本当か?」

「これで、もう国の侵略があっても問題はないかと思います」

 オーブの報告に、マサル達はその場に立ち尽くしたのだった。

「そんなにカグヤは強くなったのか?」

「マスター、カグヤの強さは尋常ではありません。SSランクの時でさえ、世の中に伝承として残るような災害級だったのですよ?」

「ふむふむ」

「それが、ネームドモンスターとなってSSSランクへと昇華したのです。これでもう敵はいないでしょう」

「な、なるほど」

「主様。私は何をすればいいですか?」

「まあ、今はやる事もないしゆっくりしていればいいよ」

 マサルは、ダンジョンマスターの部屋を拡張し、カグヤの部屋を作った。そして、部屋の中にはベットやタンスを置き、着替えなども用意した。

「わたしに部屋まで用意を?」

「カグヤは、他の魔物と一緒じゃないからね。会話もできるしボス部屋に常駐しなくてもいいよ」

「ありがとうございます」

「ダンジョンに侵入者が来て、相手が強くて魔物で対処できなかったら、その人間の相手をしてくれ」

「わかりました」

 マサルにはこうして、新たな仲間が増えたのだった。冒険者の指揮者の思った通り、このダンジョンはもう手の付けられないダンジョンへと変貌してしまったのだった。




 そして、この状況に慌てたのが天界でこの様子を見ていた女神達のエステ・マリン・シルビアの3柱だった。

「お姉さま!どうするのですか?」

「そ、そんな事を言っても、まさかマサルさんがダンジョンマスターになるなんて思ってもいなかったわよ」

「だからと言って、このままではやっぱりまずいんじゃないの?」

「でも、錬金術のスキルとか剥奪とかできないし……このまま見守るしかできない」

 女神たちは、一旦下界に送ってしまったマサルに干渉することが出来ずにいた。そして、もう一度3人の神気をあわせて、夢枕に立つ事しか出来なかったのだ。


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