社畜のおじさん過労で死に、異世界でダンジョンマスターと なり自由に行動し、それを脅かす人間には容赦しません。

本条蒼依

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48話 5国連合

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 カグヤの言葉に、連合国に反抗する気力はもうなかった。その為、団長は各国の団長にすぐさま撤退の準備に取り掛かるように指示を出した。

「皆のもの急げ!今から24時間以内にここから撤退する!」

「おい!いったい何を言っておるのだ?」
「そうだ、ここから連合を建て直しを図るのではないのか?」
「ドワーフ国のゴーレム部隊もまだ……」

「いや……地上の戦力ではこのダンジョンは……」

「何を情けない事を!」

「ああ……確かに俺は情けないと思う……しかし、俺達は5階層での戦況を見てきたんだ。いいか?地上を守ってくれた貴方達には感謝をするが、ここは一旦撤退するんだ」

「そんなバカな話があってたまるか!」
「そうだ!我々はガキの使いじゃないんだぞ?国に何かしらの良い返事をしないと魔王は納得しない!」

「そこまで言うのなら、24時間経ってもここに居残るが良い。貴方達はダンジョンの入り口にいるあの女に全滅させられるぞ?」

「女一人に何を臆病風をふかせておるのだ?」
「そうだ!王国騎士団の名が泣くぞ?」
「それに、この攻略は王国主体のミッションだ。その王国が真っ先に撤退とはどういうことだ?」

「団長……」

 撤退の準備をしていいものか、王国騎士団の隊長が会議中に入ってきた。

「ああ!王国騎士団だけでも撤退準備に入ってくれ」

「はっ!」

「お、おい!まだ撤退すると決まってないだろ?勝手に準備するんじゃない!」

 団長が、王国騎士団だけでも撤退準備に入れと団長が指示を出したので、ドワーフ国騎士団団長が文句を言った。

「確かに皆さんは、今回王国領のダンジョンの事で集結して頂いた。しかし、このダンジョンは手を出すべきではないのがよくわかったのだ」

「何を言っておる!1回失敗しただけで……」

「そうじゃない!このダンジョンには、最上級精霊や叡智龍が存在しているのだぞ?」

「「「「なっ、何だと⁉」」」」

「そして、ダンジョンの入り口に座っているあの女はバンパイアの真祖だ……」

「「「「……」」」」
「馬鹿な!なぜ真祖と言いきる?クイーンかもしれないだろ?」

「貴方達はクイーンを見たことないのか?」

「見たことはあるが……あの容姿はそれに酷似しているでは……」

「いや、バンパイアクイーンならば、今の時間ダンジョンの外に出る事はできない。こんな日中にでたら、あ奴は灰になるはずだが、あの女は灰どころか自由に行動している」

「あっ……」

「つまりだ!あの女は、バンパイアにもかかわらず太陽を克服しておるのだ。これは伝承にある、真祖しか考えられん……」

 団長の言葉に、会議に参加していた各国の団長は開いた口が塞がらなかった。

「まさか……真祖だなんてありえんだろ?」

「そう思うのならここに残り殺されるしかないな?」

「我々はあの女の言う通り、24時間以内にここから撤退する!貴方達はこれらの情報を聞きどうする?」

「わ、わかった……王国騎士団の指示に従う……」

 そして、王国騎士団だけでなく、各国の騎士団も帰還準備を始めたのだ。それを見たカグヤはニコッと笑い身体を霧状に変えてダンジョンの入り口からいなくなった。

「お利口さん。これで下等生物は、ここからいなくなるわね」

 こうして、連合国は24時間以内にマサルのダンジョン前から全て撤退したのだった。

「主様。只今戻りました」

「カグヤ、それにみんなもご苦労様でした」

 マサルの声に、カグヤ達は頭を静かに下げたのだった。マサルの声はダンジョンにいる魔物達にも届けられた。

「後は、ソフィアとルナとカグヤの出番だから、今はゆっくりしておいて」

「本当に王都に行くのですか?」

「ああ!たぶん、王族は騎士団の言う事を聴かないからな」

「だったら、そのまま放置してればいいんじゃないんですか?」

「それでもいいんだけどね。そうなると奴隷を囮に使って、ここに来る冒険者が減らないと思うんだよ」

「もし、奴隷達を囮にする冒険者がいなくなったらどうするのですか?」

「それならそれでいいよ。もう僕達が口を出す必要はなくなって、3人が王都に行く必要はなくなるよ」

「なるほど!」

「まあ、まずそんな事にはならないと思うけどね」

「そうですね。主様の言う通りになりそうですね」

「カグヤ、どういう事よ?」

「ソフィア、王族や貴族はプライドの化け物だって事は知っているでしょ?」

「そ、そうね……」

「だったら、このダンジョンには奴隷の囮をするなと命令すればいいだけです。わたし達が地上の事を知らないと思って隠そうとするはずって事よ」

「た、確かに……このダンジョンだけ奴隷を囮に使わずに、他のダンジョンでは今まで通りにしていたら意味が無いわね」

「そういうことよ」

「そういうわけだから、僕が指示を出したら行動してほしいんだ。そうだな……半年後に情報を集めるから、それから飛翔竜王の背に乗って、王都に向かってくれたらいいよ」

「わ、わかりました」

 マサル達はそんな計画を立てている頃から3日後の事、5連合国は会議を開いていた。
 王都にある会議室では、王国の国王、帝国の皇帝、魔人国の魔王、聖教国の強行猊下、ドワーフ国の国王の5人が騎士団達の勝利を確信して、これからの事を話し合っていた。

「とにかく帝国への援助をよろしく頼みますぞ」

「ああ……出来るかぎり援助させてもらう」

 大陸の5大強国はそんな事を話し合っていた時、早馬の報告が届いた。

「国王!報告があります!」

「どうした?もうダンジョン攻略が成功したのか?」

「そ、それが……」

「なにかあったのか?正直に申せ」

「今、問題のダンジョンから早馬が到着しました。それで、申し上げにくいのですが、ダンジョン攻略に失敗!連合統率団長によれば、連合国はダンジョンの5階層にて失敗。これ以上はダンジョンに歯向かわないようにとのことです」

「「「「「なっ、何じゃと!」」」」」

 その報告に、5大強国の要人たちは、大声を上げて驚いた。

「それはどういう事だ!」

「早馬での報告はそれだけです。ただいま、連合の本体はモーレンの村を出て1日の距離だそうです」

「5国連合がもう帰還していると申すのか?」

「はい!詳しくは帰還してから、団長がすると言っていますが、あのダンジョンは、人間がどうこう出来るようなものではなく、口惜しいですが奴隷への人権を認めて、ダンジョンの言う通りにした方が、よろしいと伝言されています」

「馬鹿を申すな!なんで王族が、ダンジョンマスターの言いなりにならねばならんのだ!」

 王国の国王は、団長の伝言で頭に血が上り、テーブルを叩き大声を出し、伝達した兵士を怒鳴りつけたのだった。


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