無能と呼ばれてパーティーを追放!最強に成り上がり人生最高!

本条蒼依

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38話 闇ギルドの壊滅

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 闇ギルドは騒然となり、ギルドマスターや幹部達もどうしたら逃げ出せるのか、閉じ込められた会議室で擦り合いをしていた。

「ローディン!お主がいらぬことをするからだぞ!」
「そうだ!お主が何とかしろ!」

「俺は、まさかこんな早くクロスが、ここを見つけるとは思わなかったんだ」

「そんな事はどうでもよい!お主が、クロスの相方を殺したからこんな事になったのではないか!」
「そうだ!お主のせいだ!」

 ローディンは、影走り等影の中に入り、このアジトから抜け出そうとしたが結界内は影の中を移動はできるが、結界の外に出ることが出来なかった。
 これは、他のギルドマスターも同様で、どんなスキルを使おうとも結界外に脱出は不可能だった。

 クロスは地下牢から上がってきて、アサシン達の抵抗もむなしく、ドンドン討伐されていくのだった。

「ぐっ……」
「ぎゃああああああああ!俺の足がぁ」
「ぐは!」

 闇ギルドの中は、この世の地獄と化していた。クロスと言う名の修羅がアサシンを狩っていくのである。

 そして、残るはギルドマスター達がいるこの会議室だけとなった。クロスは、会議室の扉を勢いよく開け放った。すると、クロスの目の前にはあり得ない後景が拡がっていた。

「ク、クロス様!怒りをお納めください……」

 ギルドマスターを始め、幹部連中やアサシン達はその場に土下座していたのだった。

「お前等何をやってんだ?」

「今回、ガナッシュ達を止められなかったのは私達の落ち度。そして、貴方の相方を殺めたのは、ギルドとしての命令があった訳ではないのです。あくまでも、この人間の単独行動であって、我々とは関係のない事です」

「そ、そんな……」

 闇ギルドは自分達に非はないと言い、ローディンを素巻きにしてクロスに差し出したのだった。

「ま、待ってくれ!俺は今まで闇ギルドに」

 ローディンがわめくと同時に、他の組員達がローディンの腹のあたりを思いっきり蹴り上げた。ローディンは言い訳もできず、その場でもんどりうったのだった。

「こいつを差し出します。だから、これ以上は……」

「一つ聞きたいのだがいいか?」

「なんなりと……」

 ギルドマスター達は、この答えで間違ったことを答えない様に、ゴクリと喉を鳴らした。

「このアジトの地下牢には、囚われた女性達がいるよな?」

「は、はい!その者達も解放しろと言うのなら……」

「そうじゃない!」

「へっ?」

「その者達を誘拐した時、その村の者や彼女達の家族はどうした?」

「えっ……そ、それは……」

「お前達は勘違いしている。俺は確かに、オウカを殺された恨みを晴らしに来ているが、どちらにしてもお前達は凶悪犯だ!俺が殺さなくとも、衛兵に捕まれば処刑され生きてはいられない!」

「ううう……」

「そのローディンと言う人間を俺に引き渡したところで、自分が無事に逃がしてもらえると本気で思っているのか?だとしたら、本気でめでたいやつらだと思うぞ」

「ぐっ……」

 闇ギルドの人間はその場に立ち尽くした。どちらにしても闇ギルドは助からず、手を出してはいけない人間の逆鱗に触れてしまったことを後悔した。ギルドマスター達は、その場に立ち尽くし体が震えていた。

「き、貴様のせいで俺達は!」

 一人がそう怒鳴ると、一斉にローディンに暴行し始めたのだ。ローディンは、幹部達からの暴行に呻き声を上げてなすがままになっていた。

「愚かな奴らめ!ローディンのせいにするな!」

 クロスは、醜い責任の擦り付けに【スラッシュ】を放った。

「「「「「「ぎゃああああああああ!」」」」」」

 アサシンや幹部達の手足が切断され、その場に倒れ込んだのだった。

「お前達は、どのみち助からない諦めろ!」

「そ、そんな……た、助けてください……」

「お前達は、そのように懇願した地下牢に囚われていた女性達の家族を助けたのか?」

「お、お願いします……何でもしますから命だけは……」

 闇ギルドの人間のイメージが、クロスの中で崩れ落ちた瞬間だった。闇に堕ちた人間はこうなった場合、自ら命を絶つイメージがあったのだが、こんなにも情けない人間だった。

 クロスは、土下座しながら自分の命乞いをしているギルドマスターの背中に、剣を突き立てとどめを刺したのだった。
 そして、クロスは千里眼を使いアジト中を見回した。そして、生き残っているのはクロスと、地下牢にいる女性達だけだった。

「フー……」

 クロスは深いため息をついた。クロスが闇ギルドに潜入し、たった2時間でムーンタリアの町にある闇ギルドは壊滅してしまった。
 クロスは、賞金首になっているであろうアサシンや幹部、アジトにいた全員の死体を保管庫に収納してしまった。
武器や防具、盗んだお宝などもすべて収納してしまい、アジトの中は何もなくなってしまった。



「なんか、静かになったわね……」
「ひょっとして、クロスさんが殺された?」
「やっぱり無理だったのね……」

 地下牢に囚われていた女性達は、上からの騒ぎが無くなり気落ちして下を向いていた。すると、コツンコツンと地下牢に降りてくる足音が聞こえてきた。闇ギルドの連中が来たと思ったが、それはクロスだった。

「「「「「ク、クロスさん!」」」」」

 女性達は、クロスの姿を見て大きな声を出した。

「みんな、よく頑張ったな。闇ギルドは壊滅したよ」

 クロスの言葉に女性達は驚いて絶句した。

「そ、それでは!」

「ああ!君達はもう自由だ。しかし、その前に衛兵のとこに行くから付き合ってくれるか?」

 クロスの言葉に、女性達は泣いて喜んで抱き合っていた。クロスのおかげで、奴隷に落とされる寸前だった所を救われ、本当にうれしそうだった。
 そして、クロスは女性達を連れて、このアジトを出ることになるのだが、女性達はアジトの中を見てさらに驚くことになる。あれだけの乱闘だったはずなのに、犯罪者の死体が一人もいなかった事だ。壁や床には血しぶきがこぼりついているのに、その場所には何もなかったのだ。

「あ、あの……本当にここで乱闘があったのですか?」

「ああ!死体は全部収納箱と言ったら分かるか?そこに収納してしまったからな」

「クロスさんは、収納BOXのスキルを持っているのですか?」

「ああ、俺のは少し特別製でな。全員を収納できるほどでかいんだよ」

「アジトには、いろんな証拠物件があるからな。これらを証拠に、他の町でも取り締まりが行われるだろう」

 クロスの言葉に女性達は、平民の生活が安全になると笑顔になったのだ。

 そして、アジトから出た女性達は身を固めたのだった。アジトを出た場所は、スラムでも治安の悪い場所だったからである。そんな場所に、女性達だけでいるのは考えられない事だが、そこにいる人間は女性達に襲ってくることはなく安全だった。

 それは当たり前であり、スラムの情報網は光より早く、今闇ギルドがたった一人の男に襲撃されていて、絶対に手を出してはいけないと言われていた。
 そのため、クロス一人のおかげで安全に、女性達は町の兵舎に連れていかれたのである。

「ちょっといいか?」

「ん?その女性達はなんだ?」

「この町の闇ギルドに捕らえられていた女性達なんだが……」

 兵舎にいた兵士達は全員、クロスの言葉を聞きこちらを向いた。

「はっ?もう一回言ってくれないか?」

「だから、闇ギルドに囚われていた女性達を保護してきた」

「お前は何を言っているんだ。だったら、闇ギルドはどうしたのだ?」

「当然、壊滅させたに決まっているだろ?」

「わしを馬鹿にしておるのか!闇ギルドが壊滅出来るわけなかろう!」

 その時、女性達が兵士とクロスの間に割って入ったのだった。

「ク、クロスさん、何でそんな言い方を?もっと、ちゃんと説明してくださいよ」

「お嬢ちゃんそこをどかないか。この無礼な奴を……」

「私の話を聞いて下さい。信じれないかもしれないのですが、これは本当の事なんです。それにクロスさんは冒険者です。ぶっきらぼうなのはしょうがないかと」

 捕らえられていた女性は、兵士に必死に説明をしたのだった。

「はっ⁉お前はクロスと言うのか?あの町の英雄の?」

「まあ、そうだな。俺はあまり気にはしてないが……」

 すると兵士達は、今までの態度を改め、直立不動となったのだ。

「そ、それならそうと先に言ってください!無礼を失礼いたしました」

 兵士達は今までの態度を改め、町の英雄ならその話も本当だろうと思い、話しを聞き始めたのだった。

「そ、それで、闇ギルドを壊滅させたというのは本当の事なんですか?」

「ああ、証拠の遺体も持ってきた」

 クロスは、闇ギルドのギルドマスターの遺体を保管庫からだした。

「こ、こいつは!」

 指名手配されていたギルドマスターの一人でゴロマンだった。国でお尋ね者になっていて、兵士達にはその顔が知れ渡っていた。

 なぜ顔を知れ渡っていたかと言うと、貴族達が暗殺を依頼した時に、偶然顔を見てしまった事にあると思われた。しかし、その貴族は顔を見たことを黙っていた。そのことがばれたら、反対に自分が暗殺される恐れがあるからだ。

「そ、それで、ギルドのアジトはどこに?」

「今から行ってもしょうがないぞ?」

「なぜだ?アジトには証拠物件があるはずだ。それを押収しないと!」

「それも全部持ちだしたから心配はいらない」

 クロスは、書類や麻薬や毒草等、机の上に並べたのだった。

「こ、これは!」

 兵士は、書類を見て犯罪にかかわっていた人間の名前が載っていた事に驚いたのだった。その中には、貴族の名前も載っていたみたいで、兵士達はゴクリと喉をならした。

「犯罪者は全部討伐してきたから、ここに出してもいいか?」

「ちょっとまて!ここに出されたら困る。安置場があるからそちらにだしてくれ」

 クロスは兵士に安置場に案内された。そして、囚われていた女性達は兵士達に保護されたのだった。

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