無能と呼ばれてパーティーを追放!最強に成り上がり人生最高!

本条蒼依

文字の大きさ
57 / 60

57話 公爵逮捕される

しおりを挟む
 その頃、クロスは出口に向かって逃げ出し始めた、私設兵団の兵士達を縛り上げる作業に変更していた。

「あー、私設兵団の皆さん!この敷地内から逃げ出せるのは俺が立っているこの門だけです!抵抗しなければ痛い目には会しません。大人しく投降してください!」

 クロスは逃げ惑う敷地内の兵士に、【ウィンドーボイス】で語りかけた。ウィンドーボイスに反応した兵士達は、逃げ場が本当にないとさとり、大人しくなり次々と武器を投げ出し、両手を頭上に上げ反抗の意思は無いと見せ、全員が大人しく縛り上げられた。

 それを公爵のハーミルは、兵士達の行動に憤慨して屋敷の中から見ていた。

「貴様の部下は腑抜けばかりか!あれは一体どういうことだ」

「はっ……見てわかるかと思いますが、兵士達はもうあなたに先はないと見たらしいですね……」

「これもお前の指導がなっていないからだ!」

 ハーミルは、不甲斐ない兵士達の態度を、隊長のせいにして怒鳴りつけた。

「そんな事はありません!」

「事実、お前の部下はあっさり投降しておるではないか!お前がもっと訓練して居れば、あんな情けない兵士になってはおらん!」

「ぐっ!」

 隊長は、ハーミルの言葉に悔しそうにした。そして、隊長は下を向き拳を握りしてていたのだった。

「何とか言わぬか!」

 隊長は何も言わずに、ハーミルの部屋から出て行こうとした。

「おい!どこに行くつもりだ‼」

「私達では役に立たないので、私もクロスに投降するのですよ……」

「ば、馬鹿者!貴様はここに残り、わしを守るのが役目だろうが!」

「あんなこと言われて私はもう……貴方を守る義理は無くなりました。今から、クロスに投降し罪を償う!」

 公爵のハーミルが、隊長を止める前に部屋から出て行ってしまった。

「ば、馬鹿者が……」

 兵士達が全て、クロスによって捕縛されたのを見計らったように、国の衛兵がこの場所にやってきたのだった。そして、衛兵達はクロスの姿を見て驚きを隠せなかった。

「クロス殿!いったい何をやっているのですか?ここをどこだと思っているんだ?」

「知らないけど、上級貴族の屋敷なんだろ?」

「何を言っているのですか?ここは公爵様の別邸ですぞ!こんな事をすれば、不敬罪に処されても言い訳などできないのですよ」

「そっか……まさか、公爵様が……」

「知らずにこんな事を?」

「大丈夫だよ。国王様には許可をもらっているからな」

「こ、国王様に?」

「まあ、とりあえずここにいる者達をしょっ引いでくれるか?」

「いや、それなら、私達の方でも国王様に確認を取らないと、公爵様は国王様の弟君なんですぞ!それを確認もなく逮捕など……」

「大丈夫だよ!国王様に褒められる事はあっても、処罰される事は絶対ないからさ」

「しかし……」

 衛兵の隊長は、クロスの言う事をいまいち信じれなかった。そして、衛兵の隊長は部下に王城まで確認を取らせに行く事にしたのだった。

「お、おい!今すぐ、この事を国王様に確認を取ってくるのだ!」

「「はっ!」」

 部下の二人はすぐに王城へと駆けだしたのだった。そして、クロスはここの守りを衛兵に任せて、屋敷の方に向かおうとしたら衛兵の隊長に止められた。

「ちょっとお待ちください!どこに行くおつもりですか?」

「ここでいても、もうやることはないしな。黒幕を捕らえに行こうと思っただけだ」

「馬鹿な事を!先ほども言った通りここは公爵様の屋敷で」

「それはさっき聞いたよ。しかし、ジークフリード様の体調の件は知っているだろ?」

「それは知っていますが、それとなんのか……」

「やっとわかったか?」

「まさか?公爵様が?」

「いま、オウカが屋敷の中で闇ギルドのアサシンを相手にして片づけた所だが、かんじんの黒幕はまだ屋敷の中だ。この敷地内から出る事は出来ないが、早くとらえないといけないと思うぞ」

 すると、中から私設兵団の隊長が、両手を上げて門の所にやって来た。

「我々、私設兵団はクロス様に負けを認める!公爵様はまだ部屋の中で籠城を決め込んでいるから、どうとでもしてくれ」

「「「「「た、隊長!」」」」」」

 自分達の隊長が、クロスに全面降伏した事でその場に項垂れたのだった。

「どういう事だ?お前達は公爵様の私設兵団だろ?なのに全面降伏とは何を考えているんだ!」

 衛兵の隊長は、不甲斐ない私設兵団を怒鳴りつけたのだった。

「クロス様、私はここの隊長を務めているマックスといいます。どんなことも証言いたします。だから部下達だけは見逃していただきたい」

「マックスさん、それは俺が決める事じゃないよ。国王様が処分を決定することだ。だから、俺達はあなた達を誰一人として殺していないはずだ」

「ですが、こいつ等は公爵様が何をしていたか知らないのです。知っているのは一部の人間だけです」

「だったら、それを正直に国王様に証言するといいよ。俺はここにいる人間全員を国に突き出すのが仕事だからな」

 クロスの言葉を聞き、隊長のマックスはその場に項垂れたのだった。

「隊長!今のは一体どういうことですか?」
「そうです!我々にも説明をちゃんとしてください」
「何を秘密にしているのですか?」

「お前達は何も知らないほうがいい……今、知ってしまえば罪が大きくなるだけだ」

 国の衛兵達は、そのやり取りを見てクロスの言っていることは真実だと確信を持ったのだった。すると、そこにオウカが公爵が引きずられて出てきた。

「えーい!離せ!わしを誰だと思っておる。この無礼者が!」

 3人とも、オウカに素巻き状態にされて引きずられて、オウカを怒鳴りつけていた。

「うるさい!あなたは極刑にされるだけよ。もう公爵ではないわ」

 ハーミルはオウカに、剣の柄で殴られていた。それを見た衛兵の隊長は何とも言えない表情をしていたのだった。
 そして、オウカはクロス達を見て驚いたのだった。

「何で、国の衛兵が?」

「ああ、なんか騒ぎがあると誰かが通報した見たいで……衛兵がやってきてしまった……」

「だったら、証拠を見てもらった方がいいかもね。衛兵さん、この屋敷の地下室を確認してきてもらってもいいかしら?」

「何があるんだ?」

「この公爵が、やってきたことが一目で見てわかるわよ。あたしはもう、おぞましくてあんな所にいたくはないわ」

 衛兵の隊長は、部下達に命じて地下室を確認に行かせたが、部下達も地下室のその惨状に吐き出す兵士もいたぐらいだった。

「隊長!クロス殿の言っていることは本当です……」

「なにがあった?」

「地下室には奴隷達の死体が多数。その……奴隷全員が心臓を抜き取られている模様……」

「公爵様あなたはなんてことを……」

 衛兵の隊長は、公爵の事を睨んだのだった。奴隷は、自分の物だが命を無駄にすることは許されておらず、公爵がやったことは立派な殺人罪が成立する事だった。

 この状況を確認した衛兵達は、公爵達を逮捕せざるを得なかったのだ。

「おい!貴様ぁーーーわしを誰だと思っておる!」

「うるさい!あなたは殺人容疑で逮捕します!」

「だ、黙れ!わしにさわるでない。どうなるか分かっておるのか?」

 公爵は、わめき散らしながら抵抗したがオウカがすでに素巻きにしていた為、衛兵達は公爵の身柄を確保したのだった。
 そして、兵舎の牢屋にいれられることになった。オウカは、それと一緒にマゼランの死体を、衛兵に引き渡したのだった。


しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】  スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。  帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。  しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。  自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。   ※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。 ※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。 〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜 ・クリス(男・エルフ・570歳)   チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが…… ・アキラ(男・人間・29歳)  杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が…… ・ジャック(男・人間・34歳)  怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが…… ・ランラン(女・人間・25歳)  優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は…… ・シエナ(女・人間・28歳)  絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……

【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!

こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」  主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。  しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。 「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」  さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。  そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)  かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!

「お前は用済みだ」役立たずの【地図製作者】と追放されたので、覚醒したチートスキルで最高の仲間と伝説のパーティーを結成することにした

黒崎隼人
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――役立たずの【地図製作者(マッパー)】として所属パーティーから無一文で追放された青年、レイン。死を覚悟した未開の地で、彼のスキルは【絶対領域把握(ワールド・マッピング)】へと覚醒する。 地形、魔物、隠された宝、そのすべてを瞬時に地図化し好きな場所へ転移する。それは世界そのものを掌に収めるに等しいチートスキルだった。 魔力制御が苦手な銀髪のエルフ美少女、誇りを失った獣人の凄腕鍛冶師。才能を活かせずにいた仲間たちと出会った時、レインの地図は彼らの未来を照らし出す最強のコンパスとなる。 これは、役立たずと罵られた一人の青年が最高の仲間と共に自らの居場所を見つけ、やがて伝説へと成り上がっていく冒険譚。 「さて、どこへ行こうか。俺たちの地図は、まだ真っ白だ」

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~

名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。

処理中です...