役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第3章 嫁

35話 パーティー結成!

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 シオンが驚いたのも無理はなく、マルクがテーブルに出したのは、オークグレートマザーのダンジョンオーブだったからだ。

「それってダンジョンオーブ?」

「うん。これを使って屋敷に結界を作ろうと思うんだ」

「それはすごい!」

「ダンジョンを作れる魔力が蓄えているオーブだからね。凄い結界が出来るはずだよ」

「これなら、セバス達も安全だね」

「そういう事!」

 マルクは、ダンジョンオーブを売る事はせず、今まで持っていた。冒険者では普通は利用する事はできないので、ギルドに売ってしまうのだ。
 しかし、マルクはスキルやオリジナル魔法に利用できると思って取っておいた。
 当然だが、リーランの町の冒険者ギルドも、マルクがダンジョンオーブを売らないと言った時は騒然となって、何とかしてオーブを売ってもらおうとマルクを説得したが、ダンジョン攻略した人間の物である。
 マルクが売らないと言ったら、どうしようもないのだ。そして、マルクはダンジョンオーブを今、自宅の警備に利用したのだった。

「だけど、マルクはそういう知識があるの?」

「何言っているんだよ。無ければ作れるようにしたらいいだけだ」

 マルクは、魔道具制作(S)を作ってしまった。このおかげで、結界魔道具の仕組みを理解する事が出来る。 この魔道具が出来るまでは、冒険用の結界石を使う事にした。

 マルクは、ダンジョンオーブの魔力を利用した半永久的に稼働する結界装置を開発した。これは、町の商会クラスの店が使っている防犯システムと同じ仕組みで動いていた。
 町で使っている物は、魔石を利用したものであり、魔力が切れれば交換が必要になる。その効果は店で暴れたり強盗をしようとすれば、店の敷地から吹っ飛ばされるものであり、大変重宝される物だが魔力が結構消費される。
 
「そしたら、この屋敷はもう安全なんだね?毎日結界石張るのは大変だった」

「何言っているんだよ。結界石を張ってたのは、僕じゃないか」

「あはは。ばれた?」

「ばれたって何?使い方がおかしいだろ?」

「まぁまぁ、これでマルクの仕事が楽になったからいいじゃない」

「ったく、調子だけはいいんだから・・・・・・」

 マルクの結界魔道具は、屋敷の敷地全体を包み込んだ。これだけの土地を包み込める結界はまず、王家ぐらいしか維持ができない。王城も昔、手に入れたダンジョンオーブを使って結界を張ってたのだ。
 
 王城よりは敷地面積がはるかに小さい、マルクの屋敷はこのダンジョンオーブで半永久的に稼働できるのだである。しかも、マルクの結界魔道具は特別仕様だった。

「一応、屋敷の敷地全体は安全だが、買い出しや冒険で外に出る時は警戒してくれよ」

「わかったわ」

 シオンはマルクの言葉に頷き、セバス達もマルクに感謝していた。ララベル達が買い物に行く時は、セバスやカノン達が護衛をしていた。

「なぁ、マルク・・・・・・あたし達はいつから冒険に出ていいんだ?」

「オウカ、悪かったね。明日はオウカ達の装備を買いにいこう」

「本当か?」

 今まで、マルクが魔道具制作で手が離せなかったので、カノン達にはララベル達メイドの護衛をしてもらっていた。そして、ようやくマルクの手が空いたので、カノン達の装備を買いに行くことになった。

「しかし、このあいだのような装備じゃないよ」

「ああ!わかっています。マルクには感謝してもしきれないほどの恩をもらったからね」
「本当にありがとうね。あたし達はもう油断せず、頑張って借金を返すからね」
「「本当にありがとう」」

 オウカとクレアも頭を下げた。カノンもあれから時間が経ち、冷静に考える時間ができて借金を増やす覚悟ができたようで、紅で話し合えたようだ。

「カノン達もむちゃな事はしなかったら大丈夫だからね」

「それで、マルクに相談したい事があるんだ」

「相談?僕に出来る事ならいいよ」

 カノン達四人は、神妙な顔つきでマルクに口を開いた。

「私達、紅は解散しようと思う」

「はっ?解散してどうするの?装備を買いに行かなくていいの?」

「そうじゃなくて、私達四人をマルクのパーティーに加えて下さい」
「「「お願いします!」」」

 カノン達四人は、マルクとシオンに頭を下げ、暁月の明星に加入させてほしいとお願いしてきたのだった。

「マルク、頼みます」

「何で暁月の明星に入りたいの?」

「それは・・・・・・」

「もしかして、冒険者が辛くなってきたの?」

「違う!暁月に入って寄生しようとなんか思ってない!」

「真面目なカノンが、そんなことするとは思ってないよ。ただ、カノン達は帝国から逃げて来たんだよね?」

「「「「はい」」」」

「これからと言う時に、オーガに殺されかけて、今回は盗賊達に捕まった。だから、災難続きだから辛くなってきたの?」

「違うんだ!確かに私達は油断をして、盗賊達に捕まった。だけど、冒険者が辛くなったんじゃなく、マルクと一緒に冒険者がしたい」

「僕と?何で?」

「マルク!それくらい察しなさいよ。カノンの顔が真っ赤じゃない!」

「ええ!そういう事なの?」

「あたし、前に言ったわよね?周りの女性達がマルクを放っておかないって。あたしはマルクの判断に任せるわよ」

「任せるって言われても・・・・・・」

 マルクが困っているのを見て、紅の四人は下を向いてしまった。

「マルク、私達が嫌いなのか?だったら、マルクを困らせるつもりなんかないから諦める。私達は亜人だしヒューマン族に好かれていない事は慣れているから、はっきり断ってほしい」

「カノン、本当にそんな風に思っているなら、僕は許さないよ。亜人だとかそんな差別は僕とシオンはしないし、そんな考えなら最初から君達を助けていないよ」

「だったら何で困っている?私達はマルクの事が、頭から離れないくらい好きになった。だから、この気持ちは!」

「困った訳じゃないよ。ただ、カノン達の気持ちを知って驚いただけだよ」

「「「「じゃあ!」」」」

「ああ!わかったよ。カノン達を、暁月の明星に加入してもらう」

「「「「えっ・・・・・・」」」」

 マルクの言葉に、カノン達はがっかり落ち込んでしまった。パーティーに加入したい訳ではなく、マルクの嫁になりたかったからだ。
 マルクからの返事を聞きたかった四人は、ただうつむいて涙を瞳に溜めていた。

「カノン、システィナ、オウカ、クレア、泣かないで聞いて」

「「「「・・・・・・」」」」

「僕は、今まで君達を奥さんにと想った事がなかっただけだよ。だけど、気に入らない人間を助けるほどお人好しでもないからね」

「「「「じゃあ!」」」」

「ああ!これからは、君達を奥さんとして愛するようにするから、これからは奥さんとしてよろしくお願いいたします」

 その言葉を聞いて、カノン達はマルクに抱きついた。そして、四人の瞳には先ほどまでの絶望した涙ではなく、笑顔で輝いていた。

 これでマルクにはシオンを正妻として、カノン、システィナ、オウカ、クレアの四人の嫁が出来た。 そして、この後暁月の明星は6人パーティーとして、最強の称号を手に入れる事になるのを、マルク達はまだ知らない。
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