役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第4章 成長

43話 マルク、また絡まれる

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 マルクは、まさかシオン達に屋敷を追い出されるかたちになり、ギルドに向かった。

「マルクさん!」

 冒険者ギルドに入ると、ステファニーが笑顔で出迎え、マルクに駆け寄ってきた。

「今日はお一人なのですか?」

「うん。ステファニーと前に食事の約束をしてただろ?」

 ステファニーがそれを聞いて、パッと満面の笑顔になった。

「覚えてくれていたのですか?」

「そりゃ当たり前だよ。僕だって楽しみにしていたんだからさ」

「嬉しいです」

 ステファニーは、マルクの言葉を聞いてマルクに抱きついた。

「おいおい!お前。ちょっと調子に乗りすぎてないか?俺のステファニーから離れやがれ!」

「ちょっとアランさん!マルクさんに話しかけたのは私なんですから!」

「いいからいいから!ステファニーは俺を頼ってたらいいんだよ」

 アランは、ステファニーが人気の受付嬢になってきてから、王都にやってきた新参者のようだ。ステファニーはマルクのおかげでまともな生活が出来るようになったのは周知の事実だ。
 しかし、最近王都に来たばかりの冒険者は、綺麗になって人気が出てきたステファニーしか知らないのだ。

 ステファニーは、マルクが王都に来るまでハーフエルフというだけで毛嫌いされていた。そのせいでステファニーのカウンターには、冒険者がほとんど来ず売り上げも上がらなかった。
 そのせいで、給金も基本給だけでその日食べるのがやっとで、身綺麗にも出来なくてますます冒険者はステファニーのカウンターには並ばなくなった。
 
 しかし、マルクがステファニーを推し、依頼をこなしたが、マルクの持ってくる魔物の素材はCランク冒険者が持ってくるようなものではなく、貴重な素材ばかりである。そのおかげで、ステファニーの売り上げは一変して、貯金が出来るようになり身綺麗にも出来るようになったのは言うまでもない。
 そして、ステファニーはエルフとのハーフである。エルフは造型美のような美しさがあるが、ヒューマンとの混血であるステファニーは、とても愛くるしい感じで自分が守ってあげたくなる美人なのだ。身綺麗になったステファニーは瞬く間に人気の受付嬢になり、今ではアランのような新参者の冒険者が、ステファニーのカウンターに押し掛けていたのだ。
 それ以前からいた冒険者は、ステファニーのカウンターに並ぶ事はなく、他の受付嬢を推していた。 
 余談ではあるが、ステファニーに変えた冒険者もいたが、以前までの事もあり、ステファニーがその冒険者に笑顔をむけることはなかった。

「馬鹿なやつだな。マルクに喧嘩をふっかけるなんてよ」
「まあまあ、こんな面白いことはないぜ」
「ああ、酒の魚にするだけだ」

 周りにいた冒険者が、アランを止める事はなく、それを見て酒を飲んでニヤニヤしていた。
 こういう事で、身を滅ぼしてもその人間の自己責任であり、当然だがギルドも仲裁に入ることはないのだ。

「お前、ステファニーから離れろ!」

「ステファニー、ちょっと危ないから離れていて。約束は必ず守るからね」

 ステファニーはマルクに言われて、マルクから離れた。

「何が約束だ!お前みたいなやつが、ステファニーと食事にいくのは百年はぇんだ!」

「お前、嫉妬で絡んできても身を滅ぼすだけだぞ?喧嘩は相手を見て売らないと後悔するだけだ!」

「はぁあ!俺様がお前みたいな弱そうなやつに負けるとでもいうのか?」

「まぁ、自分で言うのもなんなんだが、僕には指一本触れる事も出来ないから、今のうちにやめておいた方がいいよ」

 マルクの見た目はまだ成人したてで、体つきも当然魔法使いなので戦士のように大きくない。
 アランはマルクの言葉を遮るように大笑いした。

「ワハハハハハハハ!この俺様がお前みたいひ弱そうなやつに指一本触れることもできないだと?」

「そうだね。粋がるのもいいがやっと王都の冒険者ギルドデビュー出来たんだ。おのぼりさんはまずは情報収集から始めた方がいい」

「ぐぬぬぬぬぬ!俺様を田舎者と馬鹿にしているのか!もう許さねぇ!」

「おーい!マルク!そんな大馬鹿なやつは、いずれ冒険で自滅するだけだ!お前が今のうちに引導を渡してやれ!」

「外野がうるせぇ!黙ってろ!」

「お前達も煽るなよ。新人は優しく育ててあげるのも先輩の役目だろ?」

「ぐぬぬぬぬ!言わせておけば!」

「マルク!お前が一番煽ってるぜ!がはははははははは!」

「あっ・・・・・・」

「決闘だ!お前に決闘を申し込む!」

「「「「「「ギャハハハハハ!アイツ終わったな!酒がうめぇ!」」」」」」

「あ、アランさん!それはやめた方が・・・・・」

「ステファニーは黙ってろ!ここまで馬鹿にされたら黙ってられねぇ!」

 決闘が決まると、周りの冒険者達は大笑いして、マルクに金を賭け出した。八割の冒険者はマルクに賭け、マルクを知らない来たばかりの冒険者がアランに賭けた。

「またこんなやつがいるとはな・・・・・・」

 マルクは、アランが不憫に思った。決闘が決まるともうやめられない。マルクとの戦闘能力が違い過ぎて、アランのトラウマとなり冒険者を引退させてしまってもおかしくないからだ。
 
 決闘場に来て、アランは全財産を賭けた。その金額は五十万ミストであり、やっとこれだけ貯める事ができたようだ。
 マルクも同じ額を出すと、観客席からもっとかけてアランを奴隷に落とせとヤジがとんだ。

「はぁあ!こんなやつが五十万以上出せるわけがないだろ?それに俺が負けるわけがないだろ!」

「「「「「ギャハハハハハ!」」」」」
「まだ言ってやがるぜ!マルクよ!アランに現実を見せてやれよ。どうせこいつは、冒険者続けても命を落とすだけだ」
「そうだそうだ!奴隷に落として命だけでも助けてやれって!」
「冒険者の先輩として助けてやれって!」

「みんな面白がって好き勝手言って、こんなやつ奴隷にしたって引き取るわけないだろ。僕はこんなやついらないから!」

「いいだろ!そこまで言うなら俺様を担保に賭け金を増やす!査定しろ!」

 アランはもう引くに引けず、負けた時奴隷に落ちる事を承諾した。アランはCランク冒険者で二千万ミストの価値がついた。マルクも自分も奴隷になるのが本来のやり方だが、マルクの価値は五億ミスト以上だ。以上というのは、あり得ない事だが仮にマルクが借金奴隷となったら引き手数多でオークションとなり、五億スタートで王族が落札するからだ。

「何でこんなやつが、五億もの査定になる!」

「あなた、本当に知らないのですか?」

「はぁ?何を言って・・・・・・」

 決闘の審判をするギルド職員は、アランに耳打ちをした。すると、アランの顔から血の気が引き真っ青を通り越し真っ白になっていた。
 アランはマルクが、スタンピードを止めた英雄だと知らなかった。王国に表彰された冒険者の噂は知っていたが、マルクだとは知らなかったのだ。

 マルクは有名人だが、いまだにマルクを知らない人間は少なからずいるのだ。不思議に思うかも知れないが、こういう情報は基本的にクチコミだ。
 来たばかりの冒険者は、噂は知っていても顔が一致しない。そして、マルクの事が王国から公式で発表されてもいつまでも貼り紙をしているわけではなく、貼り紙がなくなれば後は吟遊詩人が詩にして語り継ぐのである。
 今旬の話題として、町の広場でマルクの詩を歌えば人は集まりおひねりがたくさんもらえて、噂としてひろまるのだ。

 しかし、王都に着いたばかりでは、マルクの容姿は分からず、マルクの容姿は屈強な男性だと思い込んでいて、アランもそのように思い込んでいた。

「ちょっと待て!そんな話は聞いていない!こいつがあのマルクだと知らなかったんだ!」

「だから、マルクさんも後悔すると言っていたではありませんか?」

「だったら、言ってくれたら!」

「ギルド規約にもありますが、冒険者同士のいざこざにはギルドは介入いたしません。介入するのは決闘になった時です」

「だったら!こんな」

「決闘は無効にはできませんよ。もう手続きも済んでいますからね」

「うぐっ・・・・・・」

 アランにはもう助かる道は、マルクに決闘で勝つしかなかったが、アランにはもう戦闘意欲がなかった。スタンピードを止めた英雄に勝てるわけもなく、マルクが圧勝して決闘は決着がついた。マルクの賭け金は提出しただけで戻ってきた。
 アランは、マルクに忠誠を誓うと泣き叫んで、奴隷商に売らないで欲しいと懇願していたが、マルクは以前ゴーダの事もあり、アランはすぐに奴隷商に売られてしまったのだ。

 
「ったく・・・・・・何がしたかったんだ」

 マルクは、奴隷商に売られて引きずられていく、アランを見て呟くのだった。
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