役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第5章 最強への道

19話 街道沿いの盗賊集団

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 マルク達は王都を出発した。バスクは、今でも行商人をしていたのでびっくりして話を聞いていた。

「今回の商品は多いんですね」

 マルク達が驚いたのも無理はなく、三頭引きの大型馬車だったからだ。馬三頭で引くとなればそれだけ多くの荷物になる。

「今、西の地域に商品を持って行けば、飛ぶように売れるんだよ」

「そうなんですか?」

「どういう訳がわからないんだけどね。物資が足りてないみたいなんだよ」

「なるほど。だから、行商人の馬車が大きいんですね」

「商人ならこの期を逃すわけないですからな」

 馬車が大きくなると、護衛依頼は難しくなる。本来なら、今の時期に昇格試験は冒険者ギルドから停められる。しかし、暁月の明星だからギルドは許可を出していた。

「西の地域は何かあったのかな?」

「私にもそこまではわからないんだよ」

 バスクの行商は、当然だがリーランの町までは行かない。ずっと手前の町までだ。その手前の町の生産物がさらに西の地域に運ばれる。
 なので、バスク達王都を拠点に活動する行商人は片道15日程の行商をする。馬車を軽くすれば片道30日先の町まで行けるが商品が少なくなるので、難しい判断となり行商人の経験と勘が儲けに繋がるのだ。

「私は大量の商品を積み込み、近場の町に売る方が儲けが出ると思って、三頭引きにしたんですよ」

「商人の経験は凄いな」

「もっと遠くの町は、物資が足りてないみたいなんだけどね。30日後は状況が変わっているかもしれんからな」

「なるほど!」

「バスクさん!馬車を停めて下さい!」

 馬車の屋根からクレアが叫んだ。

「どう、どう!」

 バスクはクレアの声に、馬の手綱を引くと馬車が急停止をした。

「どうしたのだ?」

「盗賊が道脇に待ち伏せしてます」

 クレアがそういうと、盗賊達がしびれを切らしてこちらに向かって走ってきた。

「こんな所に盗賊が出るなんて!」

「まぁ、僕達が護衛する馬車を狙うなんて、不幸だと思いますよ。バスクさんは動かないで下さいね」

 クレアの声に反応したシオン達は、馬車を降りた。シオンは、馬の前に立ち馬が殺されないようにガードする。弓矢が飛んできた場合、シオンが盾で防ぐのだ。屋根の上からクレアが叫んだ。

「シオン。右方向から矢が!」

 シオンはクレアの声に反応して、矢を凪ぎ払うと同時に、システィナが矢が飛んできた場所にいる盗賊を矢で射って迎撃した。

「「「「ぎゃあ!」」」」

 システィナの弓矢の命中率は100%で、木の上にいた盗賊は落下した。マルクも他の場所に潜んでいた盗賊にマジックアローを撃ち込み戦闘不能にしていた。

 そして、カノンとオウカが前方から突っ込んできた盗賊を相手にしていた。

「な、なんだこいつらは?こっちは50人で襲っているんだぞ・・・・・・」

「私達を狙うなんて運が悪かったな!」

「ち、ちくしょう!お前らもっと気合い入れねぇか!」

「親分、駄目だ!逃げてくだせぇ!」

「逃げれるわけないだろ」

「ぐほっ!」

 オウカの拳が、盗賊達のどてっ腹にめり込んだ。盗賊達はオウカの動きがわからなかった。あまりに速いスピードに、なすすべもなく気を失っていく。また、カノンは槍のリーチをいかした攻撃で、盗賊達はカノンの懐にさえ入れず戦闘不能にされてしまった。
 そして、盗賊達は全員戦闘不能となってしまい、マルク達に簀巻きにされてしまった。

 この様子を見ていたバスクは、言葉が出ず呆けていた。バスクが呆けるのも無理もなく、クレアが馬車を停めてと言って、盗賊達を制圧するまでの時間は五分もなかったからだ。

 バスクの経験上、今回のような盗賊達の集団はまず助からないからだ。今まで、多くても半分の25人でギリギリ助かった経験をしていたのだ。

「おい!起きろ!」

 オウカは、簀巻きにした盗賊の親分の腹を蹴り、叩き起こした。

「ぐへっ!一体何が起こったんだ・・・・・・」

「あんた達は全員捕らえさせてもらった。出発するから早く歩け!」

 盗賊達は全員起こされ、馬車に引っ張られて次の町で衛兵に引き渡されるのだ。
 馬車のスピードは、徒歩より少し速いぐらいで、盗賊達は簀巻き状態で早歩きをしないといけないのだ。

「ぎゃああああ!と、停めて下さい!」

 時折、疲れて足がもつれた盗賊が馬車に引き摺られて叫ぶ事がある。一人が転ぶと盗賊達が吊られて転んでいくのだ。この度に馬車を停めるバスクは優しいなと、マルクは隣に座って思っていた。
 そして、シオン達は馬車に乗り馬車に引っ張られている盗賊達に話しかけていた。

「ねえ、あんた達。なんでこんな大人数で襲ってきたのよ?」

「はぁはぁはぁ!」

 盗賊達は、簀巻き状態で早歩きさせられている。シオンの問いには無視をするようだ。

「ねえ、聞いているでしょ!」

「うるせぇ!お前と話すと疲れるんだよ。はぁはぁはぁ」

「お前ですって?」

「あっ、い、いや・・・・・・・」

 シオンは、馬車の中から盗賊の足元にゴミを放り投げた。すると、盗賊達はゴミに足をとられて将棋倒しとなり、馬車に引き摺られて叫ぶのだった。

「ぎゃあああああああ!俺が悪かった!馬車を停めて下さい!」
「「「「「「「ぎゃあああああああああああああ!」」」」」」」

「シオン、いたずらはやめてやれよ」

「だって、こいつら生意気なんだもの」

「お前等も立場を考えろよ。今度こけたら治療はしないからな」

「ぐぬぬぬぬ!」

 マルクは、盗賊達がこけるたびにヒールをかけていた。本来ならヒールをかける必要はないが大人数のため移動時間がかかるので治療していた。

「バスクさん、もう大丈夫です」

「わかった!はいよー!」

 バスクは、マルクの号令で馬車を走らせるのだった。

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