役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第6章 異世界転移

4話 王都エンリダムの町

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 カイン夫婦は、マルクと知り合えて本当に感謝をしていた。夫婦だけで町に向かっていたら確実にカイン家族は死んでいた。

「本当にありがとうございます」

「いえいえ。僕も町まで馬車に乗せてもらっていますからね」

「しかし、マルクさんの祖父母は優秀な魔法の使い手だったのですね」

 マルクは、カイン夫婦のいう事に笑顔を向けていた。作り話だったので何て言ったらいいか分からなかった。

「そうですね・・・・・・」

「ああ・・・・・・すいません。まだ思い出したくないですよね」

「大丈夫ですよ」

「でも、本当に凄いですよ。オーガと遭遇したときは命を諦めましたよ」

「えっ!オーガですよ?」

「何を言っているんですか?オーガはAランクパーティーの冒険者が、やっとのことで討伐できる魔物ですよ」

「またまた冗談ばっかり言って」

「本当ですよ。間違っても一人で倒せる魔物ではありませんよ!」

 マルクはカインの言葉にハッとした。ウィンディーネの泉を出て、島の魔物が強い気がしたのを思い出したのだ。
 確かに先ほど出没したオーガも、腕力と防御力があったかもしれなかった。
 しかし、マルクの魔法の威力が高すぎて、完全にオーバーキルだったのだ。

「オーガは冒険者ギルドに買い取ってもらいますよね?」

「そのつもりですよ」

「多分、ギルドの方に驚かれると思いますよ」

「そういうものですか?」

「今は、冒険者の数が回復して来ていますが、それでも絶対数が少ないですからね」

「それって強い冒険者がいないって事ですか?」

「いないわけではないですよ。ただ気をつけてください。冒険者ギルドには、ヒューマン族の冒険者だけではありません」

 カインが説明してくれたのは、ヒューマン国の中には他種族の冒険者がいるということだ。
 他種族の冒険者は、ギルドで好き勝手できるのでヒューマン国にも普通にいるのだ。
 冒険者ギルドも手を妬いているそうで、絶対に他種族の冒険者には目をつけられないようにした方がいいとの事だった。
 
「でも、そうなるとカインさん達行商人は、護衛依頼って大変なんじゃ?」

「そうなんですよ。ヒューマン族の冒険者に依頼を出すのですが、行商人の間で取り合いになることもあります」

「そうなるとどうするのですか?」

「だから、行商人達はヒューマン族の冒険者とコミュニケーションをとって、仲を親密にして自分の依頼を選んでくれるようにしてます」

「ひょっとして・・・・・・」

「お察しの通り私達の仲が良かった冒険者は、ドワーフ族に誘拐されて奴隷に落とされたでしょう・・・・・・」

「冒険者ギルドは文句は言わないのですか?」

「奴隷に落とされたヒューマン族は、罪をでっち上げられて捕らわれているでしょう。わかっていますが、冒険者ギルドが文句を言っても反対に脅されるだけですからね」

「冒険者ギルドは、国とは関係のない組織なんじゃ?」

「そうですね。しかし、本部はドラコニア王国が本拠地です。ヒューマン国は左遷の地とされていますからね。どうしようもありませんよ」

「じゃあ、ドラコニア王国のギルドで登録を」

「それは無理でしょう。マルクさんはヒューマン族です。他国に行って無事で済むとは思えませんよ」

「なるほど・・・・・・」

 マルクはこの世界の冒険者ギルドは、ギルドだけじゃなくヒューマン族には辛すぎる世界なんだと認識した。その説明に、マルクは笑うのだった。

「どうしたのですか?」

「いや、何でもないです。ただ、やる気が出てきただけですよ」

 マルクは、元の世界に戻る方が大変だと思い、やる気を出すしかなかった。今はまだ何もわからなくて、この世界の情報を集める事にした。

「あの遠くに見えるのが、エンリダムの町ですよ」

「凄い!あんな高い壁見たことないや!」

 マルクは話をあわせて驚いて見せた。

「そうでしょう!あの町はブリーナッシュ王国の中心である王都になります」

 カイン夫婦は、王都の大きさを自慢していたが、マルクにとって王都はもっと大きい町だったので言葉を失っていた。

「そんなに驚きましたか?」

「ええ、山奥で暮らしてたものですから」

 あの大きさが王都って反対に驚いたよ。マルクは心の中で、あの大きさなら元の世界の王都の回りにあるルノーバの町より小さいと思っていた。
 
 エンリダムの町に着くと、城門の前で衛兵が町に入れる人間を調べていた。

「行商人のカイン夫婦だな?それでそちらの方は?」

 カイン夫婦は、旅先でドワーフ族に襲われた事を説明し、マルクに救われたと言ってくれたのだ。

「な、なんだと?ドワーフ族を退けたというのか?」
「そんな嘘を信じれる訳がないだろ?」

「ちょっといいですか?」

「なんだ?今、話を聞いている最中だ」

「ドワーフ族を捕らえてきてるので、それを見たら信じてくれますか?」

「捕らえているだと?ドワーフ族なんてどこにもいないじゃないか?」

 マルクは牢獄を発動させて、ドワーフ達を衛兵に突きだすと、衛兵達は足がないドワーフを見て驚いた。

「こいつらが、盗賊まがいな犯罪を犯した奴等です」

 ドワーフ達は、ヒューマン族の衛兵を見て堪忍した様子だった。まさか、ヒューマンに捕まるとは思ってもおらず、今までは好き勝手にヒューマンを誘拐をして罪をでっち上げて奴隷にしていたが、衛兵に突きだされる立場となり何も言えなかったのだ。

「本当にドワーフを捕らえていたとは・・・・・・」

「これで信じてもらえたみたいですね」

「わかった。これで行商人や冒険者の誘拐が少しは減るだろう。マルク殿に感謝する」

 マルクは、エンリダムの町に入る事を許されたのだ。当然だが、町に入る時水晶玉に触れて悪人チェックはさせられて、元の世界と同じで、水晶に触れて赤く輝くと犯罪者という魔道具で調べられた。
 当然だが、マルクが触れると水晶は青く輝き善人と証明され、町への入場料はカイン夫婦が払ってくれたのだった。

「マルクさん本当にありがとうございました。王都に着けたのもマルクさんのおかげです」

「「ありがとう!」」

 カインがお礼をいうと、カインの子供達も足元に引っ付きながらお礼を言ってきた。マルクはしゃがんで、カインの子供達に目線を合わせ二人の頭を優しく撫でたのだった。
 そして、カイン夫婦と別れて、マルクは冒険者ギルドに向かったのだった。
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