役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第6章 異世界転移

12話 これからの事

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 マルクの言ったように、他種族の一部の冒険者は、魔物の素材をギルドに通さず他種族の生産職に素材を買い取ってもらっていた。

「ほう!いい素材だな。オーガの角と牙か。これなら40万ゴールドだな?」

「ええ!こいつで作った武器でもっと儲けれるんだろ?」

 ドワーフの職人は、仕方ないなぁという顔をして50万ゴールドを払った。冒険者ギルドでは25万の買い取りになるので冒険者はホクホクで帰る。
 ドワーフは、これらの素材を使って武器を製作し、ヒューマンの冒険者に売りつけたり生産ギルドに卸していた。



 マルクの言っていた通り、一部の冒険者はギルドには、素材を卸すことはしていなかった。
 ブレスやバナーは、マルクに借りがある為他の冒険者達に呼び掛けをしていた。

「おい。なんでギルドの依頼を受けないんだ。もっとこっちの依頼を受けろよ!」

「いくらブレスでも、むちゃくちゃいいすぎだぜ。なんで依頼内容まで、他のパーティーに命令されないといけないんだ。俺達は薬草採取で協力しているだろ?」

「だが、お前達ならオーガの討伐でもいけるだろ?」

「今までなら、50万は稼げてたんだぜ?それをなんでわざわざ半額以下でギルドに卸さなくてはいけねぇんだよ」

「だから、町の人間の為にだな・・・・・・」

「だから、薬草採取を受けてやってんだろ?」

「ぐっ・・・・・・」

 ブレスは、マルクの言った通り他種族のリーダーとして協力を仰いだが、このように言われて言葉が出なかった。
 マルクはあれから、ギルドマスターを治療して完全回復させ、マーブルがギルドマスターに報告をして、ブレスの追放を見送らせる事に成功していた。

 その頃、マルクはギルドマスターとこれからの事を話していた。

「マルク、本当にありがとう」

「ギルドマスターもうお礼はいいですよ」

「そうは言ってもだな。命の恩人にはやはり礼儀はつくしたいからな。お前がギルドに卸してくれた食材は、町の人間は全員ありがたいと思っておるよ」

「ありがとうございます」

「それでマルク、あの素材はどこで?」

「ギルドマスターは、ここから南に下った海には行った事は?」

「あるが、何もない場所だし小さな漁村があったかな?」

「その海の向こうに大きな島があるのは知ってますか?」

「ああ!知っているよ。晴れの日ははっきり見えるからな。あの景色は絶景だがそれがどうした?」

「これらの素材はあの島の魔物なんですよ」

「はぁあ?あの島は未開拓なんだぞ!あの島に渡り領地を広げようとした時期もあったが諦めたんだ」

 ヒューマン国は他国に領地を取られ、今では小さな国だった。マルクがこの世界にきた島は他種族も手が出せない未開拓地で、その島を無謀にも開拓しようとして、大量の犠牲者を出していたのだった。それを知っているギルドマスターは、未開拓地の島の魔物と知ってびっくりしていた。

「じゃあ、マルクはこれからあの島の魔物を取ってきてくれるのか?」

「いえいえ、あの島よりダンジョンに潜るつもりですよ」

「一人でか?」

「まあ、僕はパーティーを組むつもりはないですからね」

「いやいや!ダンジョンに一人で行くのは自殺行為だ。パーティーを組まないと!」

「ギルドマスターの言う事はわかりますが、僕とパーティーを組む人間はいないですよ」

「何を言っている?マルクなら募集をかければ引く手数多だ。パーティーを組みたいと言う冒険者はたくさんいるに決まっているだろ?」

「他種族の人間はいないですよ。まだまだ信用されてませんからね」

「なんで他種族なんだ?ヒューマン族に決まっているじゃないか」

「ヒューマン族の冒険者は論外ですよ」

「なんで!同じ種族の方がやり易いだろ?」

「ギルドマスターも考え方を直した方がいいですね。ギルドのトップが冒険者を別けてどうするんですか?」

「しかしだな・・・・・・」

「今はまだしかたありませんね。ヒューマン族と他種族の溝は深すぎですからね」

「そうだろ?仕方ないんだよ」

「しかし、ギルドマスターや幹部にそういう考えは捨ててもらわないと困ります」

「じゃあ、マルクはどうして他種族の冒険者とパーティーを?」

「そりゃそうですよ。ヒューマンの冒険者をダンジョンの10階層に連れて行けますか?5階層でやっとのはずです」

「10階層だと!」

「つまり、ヒューマンの冒険者とでは僕とレベルが違い過ぎるんですよ。申し訳ないが足で纏いになる」

「だから、マルクは他種族の冒険者とという事か」

「そういう事です。ヒューマンの冒険者とパーティーを組んでもいいことはありません」

「しかし、マルクは欠損の治療も出来るんじゃないのか?」

「あのですね?じゃあ、ヒューマンの冒険者が深い階層の魔物にどうやってダメージを与えるのですか?」

「それは・・・・・・」

「僕の言っている意味がわかりましたか?」

「ああ・・・・・・」

 マルクは他種族の冒険者となら、パーティーを組むような言い方だったが、他種族の冒険者も組むつもりはなかった。
 マルクの目的は、あくまでも元の世界に戻りシオン達との平和な生活だからだ。この世界の生活はあくまでもついでに過ぎないのだ。
 マルクは、元の世界に戻る為の情報をつかむ為に、今はダンジョンを選んだに過ぎないのだ。

「ダンジョンに潜っていいことがあればいいんだけどな」

 マルクが、ギルドマスターと話していた頃、お城ではマルクの話題が上がっていた。

「なんだと!王都周辺を騒がしていたドワーフの盗賊が捕まっただと?」

「は、はい!」

「誰が捕らえたのだ。すぐに調べよ」

「はい!その人間は王都に着いたばかりで、冒険者ギルドに登録したばかりのマルクという青年です」

「誉めて使わす。すぐにその青年を呼び出すのだ」

 マルクの周辺はまた騒がしくなるが、これもマルクの想定内の事である。
 

 

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