役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第6章 異世界転移

16話 生産ギルドでも制裁

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 マルクが王城に呼び出しがあり、マルクが無事に帰ってきて一ヶ月が過ぎた頃、王都では平民達に衝撃が走った。
 ブリーナッシュ王国国王ローランドは、王都エンリダムに住む他種族に謝罪表明をした。

「本当にやったのか?」

「なんだよ?やったって・・・・・・」

 ブレス達が、マルクに向かってチラシ(羊皮紙)を見せてきたのだ。ブレスが持ってきたチラシには、ドワーフの盗賊を捕らえた冒険者マルクの意見を紳士に受け止めて、王家は数百年前に他種族の民に行った行為を謝罪します。と書いてあったのだ。
 この事は、ブリーナッシュ王国から他国に、ローランドの書簡が後日配送される事になる。

「本当に王家が自分達の誤りを認めたのか」

「まぁ、そういう事だね。僕は約束を守ったからね。ブレス達も約束は守ってくれよ」

「わ、わかったよ。まさか、平民の立場で王族を動かすとは思ってもいなかったよ」

 そして、王都に住む他種族には、王族からわずかだが謝罪金が渡される事になった。
 これは、本来なら王都の城壁に使われる予算である。マルクが城壁の修繕を協力する代わりに謝罪金を渡す事に決まった事だった。
 最初、マルクが提案した時、財務を担当していた貴族から猛反対されたのだが、マルクは貴族達に城壁の一部をウォールオブストーンで修繕して見せたのだ。
 マルクは、王都の城壁を二週間で修繕すると言って、その予算を他に回す事を提案して採用されたのだ。

「国王・・・・・・あの時、なぜ騎士団長を止めれたのですか?あの時、一体何があったのですか?」

「宰相。マルクには絶対逆らわぬ方がいい。余もよく分からんが、あの時確かに騎士団長の腕が無くなり、城は破壊されてエリーとエスエルは死んだと思ったのだ」

「確かに、今なら城壁の修繕をしたマルクの魔力はとんでもないものです。それに、王宮魔法師団団長の鑑定結果を聞いて驚きました」

「そうだな。まさか、鑑定不可能と言われるとは思わなかった」

 王宮魔法師団団長の鑑定スキルは、自分より低いレベルの人間を鑑定できるものだった。魔法師団団長は、ヒューマンの中でもレベルは段突に高く54レベルである。
 ヒューマン族なら、まず鑑定はできるはずだが、マルクのステータス等職業やレベルはもちろん、名前すら鑑定不可能だったのだ。
 名前まで鑑定不可能となると、マルクのレベルは軽く100レベルオーバーという事になるのだ。

「しかし、100レベルじゃ生易しいかもしれんぞ?」

「どういう事ですか?」

「マルクは、騎士団を相手に余裕だった。息すら乱れておらん!」

「あっ・・・・・・」

「魔法使いが接近戦などありえんからな!武道家とのデュアルクラスなのかもしれんしな」

 この世界のローランド達には、マルクの強さは理解できるはずがなかった。スキルにレアがないからである。
 マルクの強さの秘密は、スキルがSランクでありノーマルスキルの10倍の効果があることだ。

「デュアルクラスなんてとんでもない才能ですね」

「ああ。だからこそ、王国騎士団が手も足も出なかったんだろう」

「しかし、国王・・・・・・王都に住む他種族の民には支払う事はできますが、他国に支払う賠償金の額はいかがなされるつもりですか?」

「それも、今は他国の王にお願いをして待って頂いている」

「まさか、他国がヒューマンに対してそんな柔軟な態度を取ってくれるとは思いませんでしたな・・・・・・」

「余も驚いた。これもマルクのおかげなんだ」

「どういう事ですか?」

 宰相はローランドの言葉に信じられないと声をあげた。

「マルクは、こうなるのを見越して王都在住の他種族に損害賠償を払わせたらしいんだ」

「えっ?」

「つまりだな。王都を拠点とする他種族の冒険者や行商人達が、自国に帰って広めているみたいなんだ」

「な、なるほど!」

「まぁ、すぐには変わらんがヒューマン族が反省しているかもと、他国で少人数でも言ってくれる人間がいれば、王国からしたら大助かりという訳だ」

「それで他国への損害賠償はどこから捻出するおつもりですか?」

「今、マルクが水面下で進めておる。もう少し待ってくれと言われたのだ」

「つまり、国王も知らされていないと?」

「そうだな・・・・・・」

 国王と宰相達上級貴族が会議をしていた頃、マルクがダンジョンから帰還した。

「マルクさん!お帰りなさい。なかなか帰らないので心配しました」

「アイリーただいま」

「それで成果の方はいかがですか?」

「ああ。一週間潜ったからね、30階層までしか行けなかったけど、魔物はたくさん狩ってきたよ」

「はっ?10階層じゃなく30階層?」

「とりあえず魔物の素材を出すね」

 マルクの討伐した魔物の素材は、ゴールドデンオーク、キングトロール、ブルーオーガ等、Sランクの素材ばかりで、冒険者ギルドに取って数百年ぶりの高級素材だった。
 また、低ランクはオークやウルフ、ラージボアの肉が大量に納品できた。
 これらの売り上げが王国の税金として上がる事になるのだ。

「いいですね?これらの素材は、ヒューマン族に卸して下さいね」

「はい。わかっています。その辺りはマーブルさんが、他のギルドと話し合っています」

「なら、大丈夫だね」

「はい」

 これらの素材が一気に王都に拡散される事になる。そして、この状況に焦り出したのが、他種族の生産者達だった。
 まだ、王国の事を許せない生産者は、ギルドを通さずぼったくり商売をしていたからだ。
 CやBランクの素材を、冒険者から買い取ったのはいかが、Sランクを始め、ABCランクの素材が適正価格で出回り始めたからだ。

「どういう訳だ!」

「申し訳ありません。こんな高値じゃ買い取る事は出来ないと言いました」

「今まで、この価格でも!」

「今はそういう価格では無理なんですよ。これを見て下さい」

 生産ギルドの受付嬢は、生産者のドワーフに素材を見せた。

「こいつは、まさか・・・・・・」

「はい、ブルーオーガの牙です。このようなSランクの素材なら、そのような値段で買い取る事はできますが、只のオーガの牙で作って剣は20分の1なら買い取れます」

「ば、馬鹿な!それじゃ完全に赤字じゃ!」

「とは言っても、私どもではどうにも・・・・・・」

 受付嬢は、ドワーフに言える事はそれだけである。ギルドを通さず個人で取引したからで、ギルドには何の落ち度はないからである。
 
「申し訳ありませんが、これからはギルドを通して適正価格での取引をおすすめいたします」

「ぐっ!」

 生産ギルドに納品をしに来ていた、他種族の生産者達がギルドのホールで茫然自失になっていたのは言うまでもなかった。
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