役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

文字の大きさ
209 / 447
第6章 異世界転移

22話 アダマンタイマイ倒れる

しおりを挟む
 そこには、ドワーフ族のギルドマスターがマルクを睨んでいた。

「ギルドマスター。いったい何を言っているのですか?」

「冒険者は最後は自己責任だ!ランファは何回もそのヒューマンを止めたではないか?」

「それは・・・・・・」

 ギルドの奥から顔を出したドワーフは、マルクを睨んでいた。ギルドマスターを見たマルクは、その姿を見て驚いたのだった。

「貴方は本当にドワーフ?」

「ああ。俺はドワーフだ」

 ギルドマスターのドワーフは、普通のドワーフとは思えないほどデカイという印象が強かった。
 身長は180と大きく、当然だがビア樽体型で本当に威圧感が凄いのだ。

「はじめまして。ヒューマン国から来たばかりのマルクと言います」

「ふん!自己紹介などいらん!ランファの忠告を無視して、どうせすぐに死ぬヒューマンに興味などない!」

「まあ、それでいいよ。アダマンタイマイを討伐できれば、鉱石と一緒に岩塩の産出も再開されるんだろ?」

「まあ、無理だかな!」

「僕としては、アダマンタイマイを討伐する事で、ドワーフ国に恩を売れて一石二鳥だ」

「せいぜい死なぬようにな!」

 ランファは、ギルドマスターに言われてマルクのアダマンタイマイの討伐依頼を受注した。

「SSSランクの報酬って意外に安いんだな」

「馬鹿を言わないで下さい。一億ゴールドですよ!これは討伐報酬だけで、魔物の素材は別にあります」

「だけど素材は売らなければ金にならないんでしょ?」

「それはそうですが・・・・・・それになんでもう討伐出来た時の事を言っているのですか?アダマンタイマイが一人で討伐出来るわけがないでしょ!」

「出来るから考えているだろ?あんなのでかくて固いだけじゃないか」

「せいぜい死なないようにね!」

 ランファはマルクの言葉に鼻で笑い嫌味を言うのであった。

「じゃ、行ってくるよ」

 マルクは、アダマンタイマイを討伐する事で自分の中に違和感を感じる事になるのを、この時のマルクはまだ知らない。

 そして、マルクはリズムダルムの城門に向かうと、城門警備の兵士に声をかけられた。

「あんた!生きていたのか?」

「いきなりなんだよ?僕の足がないようにみえるのか?」

 声をかけてきたのは、マルクの入場手続きをしたドワーフである。

「てっきり、町に入ったとたん誘拐され奴隷にされたと思ったんだ」

「はっ!そんな簡単に誘拐されるわけないだろ?」

「まあとにかく、塩は購入できたんだな?もうここには来るんじゃないぞ?」

「ああ。またね」

 城門警備の兵士は、マルクを見送ったのだった。

「なぁ・・・・・・アイツ今またなって言わなかったか?」

「単なる挨拶だろ?ヒューマンがそう何回も王都リズムダルムに来るわけないだろ?」

「そうだよな?」

 城門警備の兵士達は、数時間後マルクのアダマンタイマイの討伐報告に驚く事になる。

「さすが、ドワーフだよね。鉱山の近くに王都を作るんだから。あの鉱山がミスリルやアダマンタイトの三大産出鉱山なんだな」

 ドワーフ国領地には、ミスリル鉱山が三つある。大陸の中でもこんなにレア鉱石が出るのはドワーフ国だけである。
 他の領地にもあるが、ここまで地上で取れるところはない。他の領地ではダンジョンに行くのが普通である。

 マルクは、リズムダルムを出て王都が見えなくなると、すぐに世界地図を開きサーチを開始した。
 そして、リコールを唱えるとマルクの姿は、シュっと言う音と共に瞬間移動をした。

「こいつはデカイな!山の形が変わっているじゃないか!」

 マルクは、アダマンタイマイが見える場所に姿を現した。アダマンタイマイは食事中なのか山をボリボリもさぼっていた。
 アダマンタイマイの甲羅は、アダマンタイトの金属のような輝きを放ち陽の光が反射していた。

「あの甲羅でシオンの盾を作ってあげたいな」

 アダマンタイマイの甲羅を盾や鎧にしたら、とんでもない防御力になる。あれだけデカイ甲羅になればたくさん作れると思うがそうではない。アダマンタイマイが死亡すれば、使える箇所は少なく魔力が集まった箇所だけだ。
 だが、アダマンタイマイが巨体な為甲羅の一部でもデカイ。

「さて、アダマンタイマイを討伐しないと鉱山がなくなってしまう」

 マルクは、アダマンタイマイの首をめがけて風属性魔法のエアスクリューを唱えた。
 アダマンタイマイは土属性の魔物で、反発する風属性の攻撃が弱点となる。アダマンタイマイの首に巨大な竜巻が発生した。

『ぐおおおおおおおおおおおお!』

 アダマンタイマイは、自分に何が起こったのかわからない。とんでもない威力の風の塊が渦を巻いていた。
 アダマンタイマイの首が風の威力でネジ切られそうになり、その苦痛に雄叫びをあげる。
 しかし、このマルクのエアスクリューの本当の恐怖はそこではない。アダマンタイマイの雄叫びは周りに聞こえていなかったからだ。
 エアスクリューは、アダマンタイマイの首にまとわりつきアダマンタイマイは苦しみだしていた。アダマンタイマイは、首を地面に擦り付け風の渦を消滅させようと必死だった。
 しかし、この渦は風であり実態がない。アダマンタイマイは雄叫びをあげ苦しみのたうち回る。

「苦しいだろ?その風の渦は空気を遮断して、窒息死させる魔法だからな」

 ちなみに、この魔法で今の状態で生きていられるのは、アダマンタイマイだからだ。普通、人間がこの魔法をかけられた場合、窒息死する前に首がネジ切れてしまうからだ。
 体長が20mもあるアダマンタイマイの首はそれほど太く頑丈だからだ。その結果、アダマンタイマイはすぐに楽に死ねず、苦しみながら逝き絶えたのである。

「やっと死んだか。一時間もかかるとは思わなかったな」

 マルクは、アダマンタイマイにカッティングの魔法を唱えると、アダマンタイマイの素材が綺麗に採取できた。

「やっぱり、解体はクレアの方が綺麗に採取できるな」

 マルクは、アダマンタイマイの素材の牙と爪それと魔石と甲羅を手に入れてインベントリに収納した。
 
「遺体はどうしようかな?僕を侮っていたし、ドワーフ国に任せるか」

 マルクなら、アダマンタイマイの素材のない使い物にならない遺体をインベントリに収納する事はわけないが、自分の事を侮った事を分からせる為、アダマンタイマイの遺体はそのままにしてドワーフ国や冒険者ギルドに後始末を任せたのだ。

「さて、帰るか・・・・・・リコール!」

 マルクは、リズムダルムの手前に瞬間移動をして、そこから徒歩でリズムダルムに向かった。

「なんでお前がまた帰って来るんだよ。ヒューマン国に帰ったんじゃ・・・・・・」
 
 そう言って驚いていたのは、城門警備の兵士だ。

「僕はまたねと言ったじゃないか?」

「ああ。確かに言ったな。だけど、あれは別れの挨拶だろ?」

「いいえ。僕はまた帰って来るつもりだったからまたねと言ったんだよ」

「それでなんで帰ってきたんだ?」

「別にいいじゃないか。この時間に町を出たら夜営になるだろ?」

「た、確かに・・・・・・」

「町を出るなら、朝早くに出るに決まってるだろ?」

「わかった。なら、今日はリズムダルムに泊まるんだな?」

「当たり前です。野宿は嫌だからな」

「わかった。どうなってもしらんからな?」

「責任取れとは言いませんよ」

「ふん!リズムダルムへの入場を許可する」

 マルクは、リズムダルムに入る事を許され、冒険者ギルドに向かった。
しおりを挟む
感想 107

あなたにおすすめの小説

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~

海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。 地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。 俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。 だけど悔しくはない。 何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。 そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。 ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。 アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。 フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。 ※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

最強魔法は生活魔法!? ~異世界ではモンスター退治も生活のうち~

gagaga
ファンタジー
神の気まぐれにより異世界へと転移した主人公田辺竜太(大学生)が生活魔法を駆使して冒険したり町の人と触れ合ったりする物語です。 なお、神が気まぐれすぎて一番最初に降り立つ地は、無人島です。 一人称視点、独り言多め、能天気となっております。 なお、作者が気ままに書くので誤字脱字は多いかもしれませんが、大目に見て頂けるとありがたいです。 ただ、敢えてそうしている部分もあり、ややこしくてすいません。(^^;A ご指摘あればどんどん仰ってください。 ※2017/8/29 連載再開しました!

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!

IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。  無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。  一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。  甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。  しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--  これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話  複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

処理中です...