役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第7章 覚醒

46話 タイム系の魔法事情

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 カノンとオウカに迫り来る漆黒の業火に、シオン達はただ名前を叫ぶ事しか出来なかった。しかし、まばたきすることも出来なかったのに、次の瞬間カノンとオウカの姿がなくなり、またシオンも大広間の出入り口に移動していた。

「「「えっ!」」」

「「嘘っ!」」

 システィナとクレアは、いきなり目の前に現れたシオン達に目を丸くした。この時何が起こったのか知る者はこの場には誰一人いなかった。




 少し時が巻き戻り、カノンとオウカがヘルバーニングに焼かれる瞬間、マルクが魔法を唱えてカノンとオウカを抱き抱えて、シオンと共に大広間の出入口に移動して、マルクはヘルバーニングの前に立つ。

「タイムストップ!」

 タイムストップを唱えてるとたった10秒だが世界が停止する。時の流れを停めるのは禁忌の魔法で当然だがデミゴッド以上の存在しかわからないのである。その為、シオン達が気づく事はなく、漆黒の悪魔もカノンとオウカの二人を焼き殺せたと確信していた。



そして、10秒後時が動き出す。

『キャハハハハハハ!二人仕留めたわ!』
『我らをなめるでない!』

 カノン達を仕留めたと思い漆黒の悪魔は喜んだ。
しかし、悪魔から見た場所からはヘルバーニングで人間を巻き込む光景しかわからない。
 人間を巻き込む瞬間、漆黒の悪魔は信じられないものを感じ取る。

『『な、なにぃ!』』

 漆黒の悪魔は二人を焼き殺せたと思った瞬間、光の壁が目の前に現れたのだ。パキーンと言う音と共にヘルバーニングが跳ね返ってきたのだ。

「馬鹿なやつだ。自分の放った地獄の業火に焼かれるがいい!」

『『なんで貴様が目の前に!ぎゃああああああああああああああ!』』

 漆黒の悪魔が放ったヘルバーニングは、デュアルマジックで放ったものだった。しかも、只のデュアルマジックではなく、漆黒の悪魔の中に存在する二匹の悪魔がそれぞれがデュアルマジックを使って、四発のヘルバーニングを唱えていたのだ。
 その四発分のヘルバーニングが、漆黒の悪魔に跳ね返った訳だ。いくらマジックレジストの高い悪魔でも、普通のデュアルマジックは5倍の威力であり、デュアルマジックが二発で25倍の威力のヘルバーニングが襲いかかったのだ。そして、ヘルバーニングは漆黒の悪魔を焼きつくし、大広間の壁に漆黒悪魔の影を残しておさまったのだ。

「「「「「マルク!」」」」」

 シオン達は、漆黒の悪魔が死んだのを確認するとマルクの側に掛けよってきた。そして、大広間が静かになると宰相達帝国貴族も集まってきた。

「これはいったい何があったんだ・・・・・・」

 大広間の壁は焼け焦げ真っ黒になっていた。宰相達はマルクに何回もお礼を言っていた。

「本当にありがとう!」

「いえ。僕の言う事を聞いてくれて、帝国も考えを改めて他種族の人間を生け贄にしなかったではありませんか」

 帝国は、マルクに依頼を受けてもらった時、人至上主義をやめるように言われていた。それを守りダンジョンマスターからの生け贄を突っぱねていた。
 そして、元皇帝のダンジョンマスターは漆黒の悪魔を使い魔として、帝都に遣わしたのだ。
 マルクは、帝都に邪悪な存在を感じとり、急いで帝都に乗り込んだという訳だ。

「それでマルク殿。いつダンジョンに出掛けていただけるのですか?」

「遅くなって申し訳ありません。ようやく準備が整えたので、明日の朝から出発します」

「そうですか!」

 宰相達は、安堵して喜ぶのだった。宰相はマルクを気遣いお城で休むように言った。

「マルク殿、皆さんも今日はお城で休んでいって下さい」

「大丈夫です。僕達は町の屋敷に帰り、明日そのまま生け贄を指定されたダンジョンにそのままいきますので」

「そうですか・・・・・・」

 転移魔法が使える暁月の明星にとって、城で宿泊するより自分の屋敷で休む方がゆっくりできると、宰相の申し出を断りそのままマルク達は帰っていってしまった。屋敷に帰ると、早速シオン達がマルクに、カノンとオウカが一瞬で大広間の出入口に移動したことを聞く為に言い寄ったのだ。

「「「「「マルク!あれはどういう事?」」」」」

「みんな、落ち着いてよ」

「落ち着ける訳ないじゃない!ちゃんと説明して」

「ディクトのダンジョンの時、僕は一年かかって戻ってきたって説明しただろ?」

「それは聞いたわ。時空属性魔法でタイムリープしてあの時間に戻ったって言ったわよね?」

「そうだね。それで僕の年齢はあの時と違って一才歳をとっているんだ」

「それと何の関係があるんだ?ゲートは自分で潜らないと移動はできないはずたろ?」

「そうだね。リコールも術者のみの転移魔法だしね」

「もったいぶらないで早く教えろよ」

「オウカ、時空魔法は転移するだけのものじゃないんだよ。僕はあの時、カノン達に漆黒の悪魔の討伐を任せていた。あのくらいの魔物は簡単に討伐できると思っていたからね」

「それは・・・・・・」

「だけど、結果はあの通りだ。僕は君達をサポートするのが、魔法使いの仕事だと思っているから問題はないんだが、最後魔法を撃たれる時二人はあの場にとどまったよね?」

「「ウンウン!」」

「成長はしていると思うから、今回は全員で討伐に向かうから安心していいよ」

 それを聞いて、カノン達はホッとため息をついた。

「それでマルク、あれはいったいどういう事なのよ?」

「あれは、時空属性魔法のタイムストップだよ」

「「「「「タイムストップ?」」」」」

「10秒間だけ時の流れを止めて、止まった時間の中を僕だけが移動したんだよ」

「マルクはそんなことが出来るの?」

「タイムストップやタイムリープは禁忌の魔法だからちょくちょく使えないけどね」

「「「「「何でもありね・・・・・・」」」」」

 シオン達は、マルクの説明に呆れかえってしまっていた。そして、マルクが説明すると煌めきの杖も話し出した。

「忠告するがマルクよ。タイムストップやリープは最低でも半年間は使うでないぞ」

「どういう事だ?」

「いいか?タイムストップはデミゴッド以上の存在には効果はないからな」

「えっ?」

「つまりだ!タイムストップをたかがヒューマン族が多用したら神からの粛正対象になると言っておるのだ!」

「な、なるほど・・・・・・心に刻み込むよ」

「それがいい!使うとしても、お主の生涯で後一回と思っていた方がよい。わかったな?」

「わ、わかったよ」

 マルクは、煌めきの杖の説明を聞いて納得したのだった。

 そして、マルク達は町の屋敷でゆっくりして、次の日生け贄を出せと言われていたダンジョンに転移したのだった。
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