役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第8章 人類の厄災

5話 時代が流れる瞬間

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 アインシュタル王国や他国の権力者達は、過去の事で大魔王討伐の後の事ばかり考えていた。勇者が見つかれば陣頭指揮国として有利になる。また、勇者を見つければ大魔王討伐も問題なくできると考えていた。

「まだ、勇者の居所はつかめんのか?」

「国王陛下、マルク殿は今何をしているかわかっておいでですか?」

「あのような者などどうでもよい!今は勇者の居所を捜索するほうが大事だ」

「しかし、このままでは経済の中央がアインシュタル王国でなくなるかもしれません」

「宰相、訳のわからんことを申すな。アインシュタル王国は大陸一の国である。ギルド本部も全てこの王都にある」

「国王陛下、今マルク殿が何をしているかわかっているのですか?」

「ああ!何でも中立地帯に自分の町を作り、町の建設を・・・・・・・」

「違います!あの方は我が国と帝国領を結ぶ街道を開通させたのです!」

「開通させただと!」

「これがどういう事かわかりますか?その街道の中央にマルク殿の町があるのです」

「しかし、ユーダン湖の北側に街道を開通させても魔の森ではないか?」

「国王陛下・・・・・・マルク殿を侮り過ぎです!あの方は街道の北側に城壁まで建設させて、行商人は南側の街道と変わらぬ旅ができています」

「な、なんだと・・・・・・」

「いえ、大袈裟ではなく南側の街道より安全かもしれないのですぞ!」

「馬鹿な事を!魔の森の方が安全だと?」

「偵察部隊の報告では、城壁にはアイアンゴーレムが巡回しているようで、城壁の上から確認できる魔物を間引く作業をしているようです」

「馬鹿な事を!そんな高性能な大量のゴーレムを操れるわけが・・・・・・」

「国王陛下、今からでもマルク殿に謝罪をいれていただけませんか?」

「なっ!」

「マルク殿に、王国の民に戻っていただくようにしてもらえませんか?」

「ば、馬鹿な事を!王族が平民に頭を下げろと!」

「マルク殿はもう只の平民ではございません。私達貴族もマルク殿の事を侮っていました。このままでは大陸の先導者は、アインシュタル王国ではなくなります」

 宰相が、アーサー王に頭を下げてもらいマルクに王国の民に戻ってもらうように促した。それと、勇者の捜索をしても無駄だという事もつけ加えた。

「勇者を王国領内から見つければ問題はない!」

「それも多分ですが見つからないでしょう」

「何を申すか?」

「勇者捜索は諦めて、マルク殿を王国に戻した方が万事上手くいきます」

「ま、まさか・・・・・・・」

「はい。私はマルク殿が勇者だと思っております」

「しかし、マルクは魔法使いのはずだ!ディクトという者は剣術(S)を授かり、我が祖先の勇者もインフィニティブレイクを持ち、魔王を撃ち破ったとある。インフィニティブレイクは勇者特有の剣技である。魔法使いでは使えないはずだ!」

「マルク殿には、我々の常識が通じないです!よろしいですか?マルク殿は王国で何回も功績を残した英雄でございます」

「しかし、マルクに頭を下げるのは・・・・・・」

「下げるだけでは足りませぬ。勇者捜索を打ち切り難民の事も謝罪して王国の誤りだったと公式発表をしていただきたいのです」

「馬鹿な事を!お主は王族の誤りを公表しろと申すのか?」

「そうするしかマルク殿は、王国に戻ってはこないでしょう。いえ・・・・・・それでももう遅いかもしれません」

「それでは、謝り損ではないか!」

「それでも、マルク殿には誠意を見せた方が得策でごさいます」

「もういい!遅いなら勇者を見つければ問題あるまい!」

 アーサー王の意見に、宰相はガクッと項垂れ膝をついた。

「アインシュタル王国5000年の栄光もこれまでか・・・・・・」



 その頃、マルクは王都にある商人ギルドに訪問していた。

「ま、まさか、マルク様がギルドまで足を運んでくださるとは思いもしていませんでした。申し遅れましたが、私が商人ギルド本部ギルドマスターのヤーコンと言います」

「本部ギルドマスターが対応してくれてありがとうございます」

「とんでもございません。マルク様の対応なら王族の予定も後回しにさせていただきます」

「ありがとうございます」

「それで今日は?」

「冒険者ギルドの受付嬢のステファニーから報告をいただきまして、何でも商人ギルドの使者が僕の町に出発したとお聞きしました」

「それでわざわざ、こちらに来てくださったのですか?」

「はい。うちの町に商人ギルド支部を作る交渉だとか?」

「そのとおりでごさいます。しかし、支部ではございません」

「支部ではない?」

「はい。マルク様の町には商人ギルド支部を置かさせていただきたいのです」

「いきなりですか?」

「はい。私共は、マルク様の町が商業の中心になると確信を持っております」

「いくらなんでも気が早いかと・・・・・・」

「いいえ!王国はマルク様を侮っています。他国の権力者達も勇者の捜索を躍起になって、我々の事は後回しでございます」

「しかし、勇者を見つければ大魔王討伐も確実じゃないか?国は大陸の平和の近道を最優先事項にしているだろ?」

「フッ、何をおっしゃっているのですか?王国をはじめ他国も我々の事は二の次、魔王討伐の後の事しか考えていませんよ」

 商人ギルドマスターのヤーコンは呆れながら、鼻で笑うのだった。
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