役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第8章 人類の厄災

16話 人間の欲望

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 マルクの町は行商人のおかげで急成長していた。行商人達のおかげで、護衛する冒険者もマルクの町に集まってくるのだ。

「ここなら俺たちも十分に稼げそうだ」

「リーダー、俺たちの拠点はここにしようぜ」

「ああ。そうだな!」

 拠点に集まってくる冒険者は各地の高ランク冒険者達ばかりだ。これには理由があり、街道の北側にある城壁が安全地帯になっていたからだ。
 高ランク冒険者達なら、城壁を越えてすぐの場所なら狩り場として魔物を十分に倒せた。その理由が城壁を守るアイアンゴーレムがいたからだ。
 本来なら魔の森の浅い場所に出るゴブリンエリートでも、1パーティーでも苦戦を強いられるが城壁の近くで戦うことで、アイアンゴーレムの援助が受けられるのだ。

「こいつは助かるぜ!」
「本当だな!」
「あたし、今のでレベルが上がったわ」
「それはめでたい!」
「本当にあたし達のレベルが上がるのは大変だものね」
「だな。しかし、ここなら比較的安全にあげれそうだ」

 冒険者達の目標の一つはレベルアップだ。レベルが上がれば能力値が上がり死にくくなるからだ。しかし、高ランク冒険者となると普通の魔物では経験値が少なくて上がらない。上げようとして強い魔物に挑みたいが死んだらもともこうもないので危険を冒すつもりはない。この考えは高ランク冒険者になれば当たり前の考えである。

 しかし、ここならピンチになれば城壁まで引けばアイアンゴーレムの援護射撃が受けられ死なずにすむのだ。

「今日はここまでにしよう」
「だな!大量に稼げたな」
「「「「うんうん」」」」
「本当早馬で、聖教国を出てきて良かったぜ。全部お前の情報のおかげだぜ」
「みんなありがとな。俺の事信じてくれて」
「「「「「パーティーの斥候員のおかげだからな!当たり前!」」」」」

 そのパーティーは大魔王出現と共に行動を起こし護衛依頼を受けず、6頭の馬を買って早馬でこの地にきたおかげで、その日の成果がゴブリンエリート五匹とデスベア一匹だ。冒険者ギルドに素材を売れば、今までの赤字が一気に解消し1ヶ月以上働かなくとも生活できる利益があった。
 この素材が冒険者ギルドから商人ギルドに持ち込まれ、行商人が他国に輸送して行くのである。
 


 その頃、聖教国ではやっと勇者の手掛かりがあった。そう、聖女の存在だ。諸外国はまだ勇者の行方を捜索していた。諸外国の権力者は協力という名目で、大魔王討伐の後の事しか考えていないのだ。

「教皇様、か、女神様の啓示おことばがおりました・・・・・・」

「それは本当か!でかしたぞ!して、勇者はどこにいるのだ?」

「・・・・・・」

「何を黙って・・・・・・まさか、他国に勇者はいるのか?」

「いえ・・・・・・勇者は生まれていません」

「はっ?」

「だから、勇者は生まれていないのです!」

「ば、馬鹿な!魔王復活する時、人類の希望もかの地に舞い降りると伝承にあるはずだ!女神は人類を見捨てたもうたのか?」

「・・・・・・」

「本当に勇者は生まれていないのか?」

「女神様の御言葉はそのように・・・・・・」

「な、なぜだ?本当に女神様は何を考えておられるのだ?人類を滅亡させるおつもりか?」

「そんな事は!」

「ならばなぜだ?魔王に対抗できる唯一無二の存在が勇者なのだぞ?」

「女神様の御言葉はまだあります」

「な、なんだと?」

「人類は私の子供達・・・・・・その子供達はなぜ尊重し合えないのか残念だと・・・・・・」

「聖女は何を言っている!尊重しあい、他国と協力し勇者の行方を探して・・・・・・」

「人類が協力という名目で大魔王討伐の後の事しか考えていないのを、女神様がわからないわけないではありませんか!」

「し、しかし、事実諸外国と連携を密にして勇者の行方を捜索、他国の騎士団とも協力を話し合ってだな・・・・・・」

「私は連合国の事はわかりません。しかし、女神様が言っているのはそういう事ではありません!勇者を降臨させても、魔王討伐の後国に勇者を利用される事を言っているのだと思います」

「それは仕方のない事だ!大魔王討伐したとなれば勇者を輩出した第一国が大陸の平和を守った事になる。世間もそれを認めて大陸一安全な国として人が集まってくる」

「それは私もわかります」

「そうであろう?私、いや、大陸の王族や権力者が血眼になって勇者を探すのは当たり前の事だ」

「仮に、見つかったとして勇者の自由はどうなるのです!」

「いいか?勇者となった人間が、国の要人として扱われるのだ!何が不満に思うのだ?特に平民が貴族以上の扱いになり、食うことにも困らず勇者の家族も優遇される事になるのだぞ。良いことしかあるまい」

「それは私達の考えであり、全員がそう思うとはおもえません!」

「うぐっ・・・・・・」

「事実、勇者は大陸のどこにも誕生しておられないのです!それどころか、女神様は大陸の権力者の考えは賛同しておられないのです」

「そんな事があっていいのか?」

「事実、女神様の御言葉はそのように降りたのですよ」

「女神様は人類を破滅させるおつもりか」

「何をおっしゃるのですか?女神様は人類を自分の子供と言っています」

「ならばなぜだ?なぜ我が聖教国に勇者を降臨させぬ?何故だ!」

「それは国の権力者の考え方が!」

「そうか!わかったぞ。これは聖女貴様の狂言であろう。本当は勇者が聖教国のどこかに降臨しているが国に利用させないようにしているのであろう!」

「な、何を言っているのですか?私は女神様の御言葉を言って・・・・・・うぐっ!」

 教皇は女神の啓示を、聖女の狂言と言って聖女の腹を刺した。

「うははははははは!これで勇者が降臨していないというデマはなくなった!おい!誰かおらぬか?」

 教皇は自分の腕を持っていたナイフで傷つけ、兵士を呼ぶ。

「「「「はっ!」」」」
「教皇様何か?せ、聖女様?聖女様がなぜ?」

「聖女が乱心し襲いかかってきた。私はしょうがなく正当防衛で・・・・・・うぐっ!」

「「「「教皇様」」」」

 聖教国は女神を信仰する国ではなくなっていた。聖教国は人間の欲望の渦巻く国になっていたのだった。


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