役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第8章 人類の厄災

28話 恐怖のデミリッチ

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 デミリッチはマルクの顔を見た瞬間恐怖を覚えた。まさか、自分を葬った人間が再び会う事になるとは思ってもいなかったからだ。

『き、貴様は!』

「また会えるとは思っていなかったな。また、討伐される気分はどうだい?」

 普通なら人間がデミリッチの顔を判別することなど不可能だが、マルクには神眼があるのでこのデミリッチが前に討伐したデミリッチと同一人物だとわかる。

『だ、黙れ!下等生物を殺せ!』

 デミリッチは、下僕のアンデッド集団に号令をかけ、マルク達にけしかける。しかし、アンデッド集団の前に立ちはだかるのはシオン達だ。

「あんた達の相手はあたし達で十分よ!」
「かかって来るがいい!」
「あたし達がどれほどやれるか思い知らせてあげるわ!」
「腕がなるぜ!」

『下等生物の雑魚が!我のアンデッド集団に飲み込まれてしまえ!』

 二万体以上のアンデッドにシオン達四人が立ちはだかる。シオンは天高く飛び上がった。そして、地上に蠢くアンデッドに盾を構えた。

「エアシールドプレス!」

 シオンのシールドプレスは、風属性の魔力を帯びていた。シオンは地上に押し付けると風属性の魔力が行き場を失い、シオンを中心に暴風が巻き起こり周りにいたアンデッドを巻き上げた。

『『『『『ぐおおおおおおおお!』』』』』

 シオンのシールドからは、四方向にサイクロンが発生しアンデッドを巻き上げた。シオンのエアシールドプレスは、何千体のアンデッドを瞬時に粉々に切り裂いたのだ。
 そして、カノンが槍を構え凪ぎ払う。

「地雷殲!」

 カノンの槍は地面を扇状に切り裂いた。すると、カノンの前方に扇状に地面を這う雷が発生。前方にいたアンデッドは地中からダメージを受ける。
 カノンの使ったスキル【地雷殲】は地中を進む雷で扇状に雷が発生。その地上にいる敵に地中から雷が襲いかかるのだ。

『『『『『ぐおおおおおおおお!』』』』』

 数千体のアンデッドは地中からの雷に消し炭になり消滅してしまった。システィナはアローシャワーをアンデッド集団に撃ち込む。世界樹の枝で作られた弓から放たれた矢はアンデッドには有効であり、数千体のアンデッドは呻き声もあげず浄化されてしまった。その効果はまるで神官が使う【ターニングアンデッド】そのものだった。

「シオン達もやるなぁ」

「当たり前・・・・・・以前のような私達じゃないから」

 マルクは後方でクレアと高みの見物状態だった。そして、最後にオウカがアンデッド集団に、拳を振り上げる。

「アブソリュートゼロ!」

 オウカの拳には水属性の魔力が纏い、さらに魔力が高まっていく。水属性は氷になり拳を振り上げた瞬間辺りは一瞬にして凍りつく。

『『『『『がっ!』』』』』

 オウカのアブソリュートゼロは数千体のアンデッドを絶対零度で原子レベルでその運動を止めた。
 そして、動けなくなったアンデッドを粉々に粉砕してしまった。それを見ていたマルクは感心している。

「みんなやるなぁ」

『なっ、な、な、な、なんなんだ貴様らは!』

 デミリッチが言葉を失うのも当然で、アンデッド集団はスケルトンやゾンビの下級アンデッドだけではなかったからだ。スケルトンウォーリアやグールまた、リーパー(大鎌を持った死神)等は当然でバンパイアファイターや黒騎士等もいたからだ。
 シオン達は、一瞬にしてそれら二万体以上の上級アンデッドを壊滅させてしまった。

「「「「私達は暁月の明星だ!」」」」

 シオン達の言葉に、デミリッチはガタガタと震えだす。大魔王スルトのおかげで冥界から復活させてもらえたのに、ここで失敗はできないからだ。次の失敗は完全なる死が待っていたからだ。
 大魔王スルトに復活させてもらえた際に、リッチの護符は大魔王の手にあったのだ。デミリッチの命は大魔王スルトに握られていた。
 
 リッチは、自分の研究をやる事で不老不死になった元魔法使いだ。自分の命を護符にとどめることで永遠の命を得る。しかし、その護符を破壊されると復活はできず死んでしまうのだ。

『我が主等下等生物に何回も殺られる訳がない!』

 デミリッチは魔力を放出した。デミリッチの魔力は冷気をおびており、魔の森の生物はフィアーの効果で逃げ出す。アンデッド以外の魔物はデミリッチの恐怖で魔の森の外側に向かう。スタンピードが起こってしまったのだ。

「シオン!早くデミリッチに止めを刺すんだ!」

「わ、わかったわ!」

 マルクは、世界地図で確認すると魔の森の浅い地域にいた魔物達が一斉に逃げ出している事がわかる。しかし、転移魔法が使えない今、魔物を止める事ができるのは元凶であるデミリッチを討伐するしかない。

「トルネイドショット!」

 いち早く動いたのはシスティナだった。アンデッド集団は元から二万体以上存在して次々沸いていたのだ。デミリッチの周辺にはエルダーリッチ、リッチが存在しており、アニメイドデッドを唱えていたのだ。

「エアシールドプレス!」
「地雷殲!」
「ダイヤモンドダスト!」

 シオン、カノン、オウカの三人は範囲攻撃がアンデッドを殲滅したがデミリッチに近づけない。デミリッチに攻撃を仕掛ける事ができるのはシスティナだったのだ。

「行けぇ!」

 システィナのトルネイドショットは、デミリッチの脳天をとらえた。しかし、デミリッチに命中したと思った矢は弾き飛ぶ。

『ふはははははははは!我に遠距離物理攻撃は効かぬ!』

 デミリッチは魔力を放出して不敵に髑髏をカツカツ鳴らし大笑いした。



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