役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

文字の大きさ
369 / 447
第8章 人類の厄災

61話 最後の死聖獣現わる

しおりを挟む
 クレアの大機転でシラーにとどめを刺したマルク達は、まだ遠くに見える魔王城を目指す。

「なあマルク、この辺りももう魔の森の最深部なんだよな」

「そうだねオウカ。普通の人間ヒューマンならあまりの魔素の濃さに耐えられないだろうね」

「あたし達はそこまでレベルが上がってしまったって事か」

「まあ、そうじゃないと、今までの死聖獣を前に生き残れないだろうね」

 マルクがオウカに説明する。実際、弱いと言っていたシラーでも一般人が前に立っただけで、シラーの威圧でショック死する程である。

「話は変わるけど、死聖獣も残りは一人だ。そうすれば、残りは大魔王だかだから油断しないように」

「わかってるよ」

 オウカはマルクの小言に頬を膨らめる。緊張ばかりしていては精神が持たない為ちょっとした緩和時間だ。
 魔王城に近づき大きな門が目の前に立ちはだかる。そこはドロドロした感じではなく白亜の宮殿の中庭のような雰囲気だった。

「何ここ?」
「ホントに魔王城の中なのか?」

 マルク達が驚くのも無理はなかった。そこは色んな花が咲き乱れており、とても悪魔たちが住まう場所ではないと思ったからだ。

『お前たちがこの世界を牛耳る大魔王スルト様に歯向かう愚か者共か?』

「誰だ!」

『私は大魔王スルト様の配下が一人死聖獣が一人ルシファーと申します。以後お見知り置きを』

 ルシファーと名乗った男、いや女どちらとも取れるような
人物はこの世のものとは思えないような美しさがあった。声は男なのだが容姿は女性と見間違うほど美しく、頭上には輪っかがあり天使のような神々しくもあるが、長髪でその色は天使とは違い漆黒であり頭には悪魔のような角まではえており、背中からは真っ白な翼ではなく漆黒の翼が生えていた。又、上位天使のように漆黒の翼が6枚生えていた。

「ルシファーだと・・・」
「カノンなにか知っているの?」
「知っているも何もルシファーって堕天使のはず・・・」

 シオンはカノンの言う言葉を疑った。それもそのはずで、カノンが天翔族となっただけでも目を疑うことだったのに、目の前には本物の天使だった使徒がいたのだからだ。
 しかし、その天使は神の世界から追放されたと言われているルシファーと名乗ったのだ。

『ほう・・・天翔族とはな。まだ生き残っておったのか?』

「・・・」
「なんで貴様みたいなやつが大魔王に従っているんだ」

『確かに私は大魔王スルト様の部下だが従っているわけではない。いや、従っているのか。私には野望がある。その為には大魔王スルト様の力添えが必要なのだ!』

 私は神たちを許すことはできぬ。私は間違ってはおらぬ。なぜ人間共を愛さねばならないのだ!私は特別な存在なのになぜは私を地獄に落としたのだ。

『人間は愚かな生き物だ。人間など世の中から滅亡してしまっても構わん!』





 魔王城では、スルトと部下である悪魔集団がルシファーの様子を眺めていた。

『くははははは!ルシファーよ。そうだ!人間など不要の物だ。お前の考えは正しい』

『大魔王様。ルシファーの言葉看過できませぬ!あの言葉は大魔王様を利用しているとしか思えません』

 大魔王の側近のような悪魔が、自分をよく見せようとしたのかスルトに意見を述べた。その瞬間大魔王はその悪魔に微笑む。

『だ、大魔王様?』

『うぬは我がルシファーに利用されていると申すのか?』

『先程の言葉は謀反を起こしているとしか思えませぬ。大魔王様の力添えなど!』

『ほうう!ならばお前はここで何をしておる。たしかうぬはダガリスに引っ付いていたと思ったが?ダガリスのかたきを討とうとは思わぬのか?』

『そ、それは・・・』

『我のためというのなら、うぬはダガリスの敵を討つ為前線に立ち、あの人間共を殺すことが我のためになるというのがわからんのかぁ』

 そう言って大魔王スルトは、意見を述べた悪魔に片手を向けた。

『貴様は我の下僕にはいらん!目障りだ。死ぬがよい』

『そ、そ、そ、そんな!私はただ・・・ルシファーのやつが大魔王様に対し不敬である・・・と・・・ガッ、アガガガガガ』

 大魔王様スルトは悪魔に向けた手を上に動かす。それと同時に悪魔の身体は宙に浮き、悪魔は必死に抵抗し脱出を試みるが、見えない何かに拘束され宙でジタバタもがき苦しんでいるだけだった。

『だ、だ、だ、大魔王様ぁ!忠誠を誓います!だ、だから殺さない・・・で・・・』

 宙で身動きが出来ない悪魔は、ジタバタしながら必死で懇願する。それを周りで顔を青ざめ冷や汗をダラダラ流しながら見守るしか出来ない悪魔達。それをニヤリと笑う大魔王スルト。魔王城の大広間は大魔王の恐怖支配の空間だった。

『・・・』

 大魔王スルトはニヤニヤしながら悪魔に向けた手を握る。

『だ、大魔王様ぁああああああああああああ!』

 ブシャッ!っという音だけが魔王城に響き渡る。大魔王スルトは宙に浮いたままの上級悪魔の肉団子を見てにやりと笑う。そして、周りにいた部下の悪魔達は膝から力が抜け、大魔王の力に戦々恐々となる。

『さあ、ルシファーよ。我を楽しませるのだ。お前の愚かさをな・・・』

 魔王スルトは、先程握りつぶした宙に浮いたままの上級悪魔の肉団子を念動力で口に運ぶと、大魔王スルトはクチャクチャと食べてながら、ルシファーとマルクの戦いを凝視するのだった。


しおりを挟む
感想 106

あなたにおすすめの小説

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

処理中です...