研磨職人!異世界に渡り、色んなものを磨き魔法スキルと合わせて、幸せに暮らす。

本条蒼依

文字の大きさ
206 / 347
第6章 研磨という職

5話 原因解明

 王都では、何らかの原因で土地が衰退していくのだった。その反面、ミトンの町の土地が豊かになり色んなものが採取される事になった。

「最近どうなっているんだ?」
「ああ!こんな事ってあるのか?これを見てくれよ」
「すげえ!そんなに薬草採取できたんだ?」
「ああ!こんなこと初めてだぜ」

 冒険者ギルドでは、Fランクの冒険者達が薬草採取の成功を喜んでいた。本来、薬草採取は1日探して10本見つけれるかどうかで、500ゴールドほどの報酬だ。その為冒険者達はFランクの依頼を3つほど受ける。毒草や兎の肉を取って帰り、1日の報酬を1500ゴールドほどにして、1日の仕事を終えるのだ。成功すれば宿屋に泊まれて晩御飯も食べることができるが、達成できなければ町の中で野宿になる。

 しかし、最近では薬草の群生地が増えてきて、Fランク冒険者は薬草50本ほど採取できたうえに、毒草は25本採取することが出来ていた。群生地を見つけることが出来なくても、半日ほどで依頼達成が出来ていた。

 今や、ミトンの町は冒険初心者も住みやすい町になっていた。これにはシルフォードもどうなっているのか分からず周辺調査を依頼したぐらいだった。

「シルフォード様、これは一体どうなっているのでしょうか?」

「分からん……」

「しかし、これはいい事なんじゃありませんか?」

「確かにそうなのだが、何かの前触れとかじゃなけりゃいいのだが……」

「何か不安な要素があるのですか?」

「いや……無いなら無いでそれに越したらいいのだが……こんな幸運普通はないであろう?」

「確かに……あとで災害が起きなければいいのですが……」

「とにかく周辺の情報を集めてほしい!」

 シルフォードも何かの前触れかと心配している様子だった。そんな時、王国騎士達から連絡が入ったのだった。

「シルフォード様、少しよろしいですか?」

「何かあったのか?」

「最近のこの周辺の土地の事なのですが……」

「ああ!我々も何かおかしいと思い調査をしている」

「はい。それでですね。王都の方も何やらおかしい事になっているのです」

「王都が?何がおかしいと言うのだ?」

「ミトンの町が肥沃の土地に変わって来たと同時に、王都の土地が痩せ地となってきているのです」

「どういう事だ?」

「痩せ地とはいえ、作物が育たないと言う訳ではないのですが、以前のミトンの町ぐらいになっているのです」

「つまり、王都周辺の土地とミトン周辺の土地が入れ替わったと言いたいのか?」

「そんなことはあり得ないと思われるかもしれませんが、何やら因果関係があるみたいなのです」

「その根拠は?」

「根拠と言われれば困るのですが、二つの町が同時期に変わって来たとのことです。王都でも問題になっていて国王様が今懸命に原因を調べているのです。なにか、気づかれた事はありませんか?」

「私達も今、調べている最中だ。私達は何かの災害の前触れじゃないかと疑い始めたばかりで、今は何の情報もないのだ……」

「そうですか……何か分かったら、国王様の方にも情報を提供して頂くとありがたく思います」

「わかった。何か情報を掴んだら、すぐに王都に連絡させていただく」

「ありがとうございます」

 そういって、王国騎士は出張所に帰っていった。帰った後、シルフォードは災害の前触れ以外に、土地が入れ替わった原因も考えることにした。




 そして、1ヶ月間調べた結果、シルフォードは土地が豊かになってきたのは、あの震災かそのその後ぐらいと推測をした。

「ま、まさか……ヒロトシ君が原因か?」

 シルフォードはある仮説を立てたのだった。それが当たっていたなら、今回の事は納得いくと思い、すぐさま㋪美研へと訪問したのだった。

「す、すまない!すぐにヒロトシ君と話したいことがあるのだ!取りついでもらいたい」

 マインは、シルフォードの迫力に押されて客室に案内、そしてヒロトシを呼びに行った。

「お待たせいたしました。マインが言ってましたよ。すごい迫力で怖かったって」

「すまない……すぐに確認したいことがあったのだ」

「やだなあ……冗談ですよ。それですぐに確認したいと言うのは?」

「最近、ミトンの町が肥沃の土地になってきているのは知っているか?」

「ああ、噂にはきいてますよ。なんでも薬草や資材がよくとれると言う噂ですね。俺もダンジョン前の屑石を見て何となくわかりますよ」

「あのダンジョンに捨てる屑石がどうかしたのかね?」

「廃棄する屑石が減っているんですよ」

「どういうことだね?」

「俺も気になって調べると、鉱石に含まれる含有量が上がっているみたいで、いつもより多くとれるみたいなんですよ」

「それでなぜ屑石が減るんだね?ふつう増えるんじゃ?」

「いえ……今まで掘った鉱石で全体の20%しか抽出できなかったとしますよね?しかし、含有量が多く含むと同じ20%でも抽出量は増えることになりますよね?」

「た、確かに……つまり採掘した量が少なくとも必要な量を稼げると言う訳か……」

「そういう訳です。だけど、その肥沃な土地になったと言うのは、ミトンの町にとってもいいことじゃないんですんか?」

「いや……それはいいんだが、我々町の役員は災害の前触れだと思い、調査を続けていたんだよ」

「何か災害の前兆でも見つかったのですか?」

「いや、見つからなかった」

「だったらいいことなんじゃ?」

「ふむ、それだけならよかったんだが、出張してきている王国騎士団達の報告があったんだ」

「なんでそこで王国騎士団達が関係してくるんですか?」

「ああ……その報告ではミトンの町が肥沃になったと同時に、王都の地域が痩せ地となったらしいのだ」

「えっ⁉」

「何か因果関係があると思い、私は考え方を変えてみたんだ」

「それで、何かわかったのですか?」

「ああ……ミトンの周辺が変わった時期がいつなのかを考えてみたんだ。そうするとヒロトシ君が王都に行った時と合致あうんだよ」

「俺が原因という事ですか?なんで?この間王都に行ったのは、シャーロットに関係しているって事ですか?」

「いや、もうちょっと前だな?報告によれば、王都で地竜のスタンピードがあった時だよ。何かスタンピードでなかったかね?それしか考えられん」

 ヒロトシは、スタンピードの時を考え黙り込んだ。

「あっ……」

 ヒロトシのつぶやきでシルフォードは身を乗り出した。

「なにか思いつくことがあったのか?」

「多分ビアンカですよ……」

「ビアンカというのは、サンライトでウェイトレスをしているドラゴンのことかね?あのドラゴンが、どうしたというんだね?」

「俺も詳しい事は知らないんですが、ビアンカはこの間生まれかわったばかりなんですよ」

「生まれかわったばかり?どういう事だね?」

「ビアンカはタダのドラゴンじゃありません。太古の昔から生き続ける叡智龍なんですよ」

「はぁあ?」

「まあそこは問題じゃないんですが、生まれかわる前はあの場所で数万年生き続けたみたいです。そして、生まれかわり俺と知り合ったんですよ?」

「それで?」

「その叡智龍の異名は幸運の龍というそうです」

「幸運の龍?」

「この知識は、うちにいるエルフのユリアが曾曾曾婆ちゃんから聞いたそうですが、エルフ国の守り神としてまつられるほどだったそうです。今は世界樹が御神木としてまつられているそうですが……」

「つまり、君がその幸運の龍を王都の地域から連れ出したことで、土地が入れ替わったと言うのか?」

「入れ替わったんじゃなくて、王都の地域は元に戻ったんですよ。ビアンカが、その周辺でただ生活をしていただけで、王都周辺の土地には祝福が与えられていてその土地に人間が住みついたのです」

「なるほど……王国歴は叡智龍に関係ないし、叡智龍にとって1000年などたかが知れていると言う事か……」

「そして、ビアンカがこの土地に移り住んだことで、この周辺が祝福を受けていると考えるとつじつまがつくかと」

「なるほど……しかしそれは不味い事になったな……」

「えっ?なんで?」

「当たり前じゃないか?こんな事が王国しれたら、そのビアンカは王都周辺に戻せと言われるに決まっている!」

「いやいや……ビアンカは自分の意思でこの町で生活をしているんですよ?いくら国が戻せと言っても、ビアンカの意思でここで自由に生活をしているんです」

「君が連れてきたからじゃないか?」

「そうじゃないよ。ビアンカが俺についてきたいと言ったんだよ」

「しかし、テイムしてしまったから!」

「「むぐぐぐぐぐ!」」

 ヒロトシとシルフォードは、原因について解明すると、今後の話で言い合いになってしまった。



感想 91

あなたにおすすめの小説

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る

伽羅
ファンタジー
三つ子で生まれた銀狐の獣人シリル。一人だけ体が小さく人型に変化しても赤ん坊のままだった。 それでも親子で仲良く暮らしていた獣人の里が人間に襲撃される。 兄達を助ける為に囮になったシリルは逃げる途中で崖から川に転落して流されてしまう。 何とか一命を取り留めたシリルは家族を探す旅に出るのだった…。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。 自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。 いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して! この世界は無い物ばかり。 現代知識を使い生産チートを目指します。 ※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~

海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。 地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。 俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。 だけど悔しくはない。 何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。 そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。 ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。 アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。 フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。 ※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています