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7話 争い
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明美は、遠くで聞こえる吹奏楽の楽器の音を聴きながら読書をしていた。すると、教室の扉がガラガラと開いた。
明美は、先生が入って来たと思って扉の方を見たのだった。すると、そこに入っていたのは、このクラスの生徒ではなかったのだ。
「ねえ!あんた、立花明美でしょ?」
「は、はい……」
明美は何故この人が、自分の名前を知っているのか分からなかった。
「ちょっと、なにその態度?」
「そうよ、せっかく話しかけているのに無視しないでよね?」
「お高く留まっているじゃないわよ!」
女生徒たちは、明美が人見知りで人と話す事が苦手ということで、目を合わさず声が小さすぎて聞こえなかった。
「い、いえ……そういうつもりじゃ……」
「はぁ?何言っているが全然聞こえない!」
「ご、ごめんなさい……」
「すぐ謝ってんじゃないわよ!」
「ひっ!」
「あんたみたいな女、見ているとイライラすんのよね!」
その女生徒は、明美の態度を見て扉をダンと蹴ったのである。明美はその音にビクッと肩をすぼませたのだった。
その明美のびくついた姿を見て、その女生徒はニヤリと笑いながら、明美の側に近づいたのだった。
「ねえ、あんた?」
「な、なんでしょうか?」
「あたしさあ……博也の事狙ってんだよね?」
明美は、この女生徒がなぜそんな事を言ってくるのかわからなかった。
「何であたしに、そんなこと……」
「あたし、欲しい物は絶対手に入れる主義なんだよね」
「……」
「あんた、最近博也にちょっかい出しているみたいじゃない」
「博也君は、前から美沙が狙ってたんだから、あんたがしゃしゃり出てくんじゃないわよ!」
「そうよ!出てこないでよね!」
「そんな……手を出すだなんて……あたしはただ……」
「何言ってんのかぜ・ん・ぜ・ん聞こえな~い!」
「でも……」
「ホント、イライラすんわね!」
美沙は、明美の態度にイラつき、明美の胸ぐらを掴んだのだった。
「やっ!止めて……」
「いい?はっきり言っておくわ?これ以上、あたしの博也に手を出したらただじゃおかないからね!」
「ひっ!」
「美沙!殴っちゃ駄目よ。殴るのなら服で見えないとこにした方がいいわ!」
美沙は、友達に言われてハッとした。あまりにイライラして右手を振り上げていたのだった。
その時、教室の扉がガラッと開いた。
「おーい!お前たち何をしてんだ?そろそろ帰れよ」
明美たちは、その声にビクッとしたのだった。担任が教室に入ってきたからだ。
「おい!何をしてんだ?」
「いえ、立花さんとちょっと話してただけです」
担任の神谷は、この教室の雰囲気をおかしいと思い、久保田美佐に近づいたのだった。
「本当か?」
「本当ですよ。あたし達はお勧めの小説を聞いていただけで……ねえ、立花さん?」
担任は、明美の方を向いて、久保田美佐の言っていることが本当なのか聞きただしたのだった。美沙は担任の神谷に見えないように、明美を睨んだのである。
(言ったら承知しないわよ?)
「はい……久保田さんには、あたしがいつも読んでいる小説でお勧めの小説の事を聞かれていました……」
「そ、そうか?お前がそういうのなら信じよう!」
明美の言葉に、美沙達はホッとした表情になった。
「もう、日が暮れるから早く帰れよ!」
明美は、この場の雰囲気に耐えられなくて、鞄を持ってさっと教室を出て行ったのだった。
「はい!分かりました。先生さようなら!」
「ああ!気を付けて帰れよ。お前達も気を付けてな」
「「「は~い!」」」
「先生さようなら~~~!」
「ああ!また明日」
明美は、下駄箱のとこまでダッシュで駆けて行ったのだった。そして、今まで人と接してこなかった為、まさか自分にこんな事が起きるとは思っていなかったのである。
そして、やはり人付き合いは苦手だと思い込んでしまったのだ。
明美は、先生が入って来たと思って扉の方を見たのだった。すると、そこに入っていたのは、このクラスの生徒ではなかったのだ。
「ねえ!あんた、立花明美でしょ?」
「は、はい……」
明美は何故この人が、自分の名前を知っているのか分からなかった。
「ちょっと、なにその態度?」
「そうよ、せっかく話しかけているのに無視しないでよね?」
「お高く留まっているじゃないわよ!」
女生徒たちは、明美が人見知りで人と話す事が苦手ということで、目を合わさず声が小さすぎて聞こえなかった。
「い、いえ……そういうつもりじゃ……」
「はぁ?何言っているが全然聞こえない!」
「ご、ごめんなさい……」
「すぐ謝ってんじゃないわよ!」
「ひっ!」
「あんたみたいな女、見ているとイライラすんのよね!」
その女生徒は、明美の態度を見て扉をダンと蹴ったのである。明美はその音にビクッと肩をすぼませたのだった。
その明美のびくついた姿を見て、その女生徒はニヤリと笑いながら、明美の側に近づいたのだった。
「ねえ、あんた?」
「な、なんでしょうか?」
「あたしさあ……博也の事狙ってんだよね?」
明美は、この女生徒がなぜそんな事を言ってくるのかわからなかった。
「何であたしに、そんなこと……」
「あたし、欲しい物は絶対手に入れる主義なんだよね」
「……」
「あんた、最近博也にちょっかい出しているみたいじゃない」
「博也君は、前から美沙が狙ってたんだから、あんたがしゃしゃり出てくんじゃないわよ!」
「そうよ!出てこないでよね!」
「そんな……手を出すだなんて……あたしはただ……」
「何言ってんのかぜ・ん・ぜ・ん聞こえな~い!」
「でも……」
「ホント、イライラすんわね!」
美沙は、明美の態度にイラつき、明美の胸ぐらを掴んだのだった。
「やっ!止めて……」
「いい?はっきり言っておくわ?これ以上、あたしの博也に手を出したらただじゃおかないからね!」
「ひっ!」
「美沙!殴っちゃ駄目よ。殴るのなら服で見えないとこにした方がいいわ!」
美沙は、友達に言われてハッとした。あまりにイライラして右手を振り上げていたのだった。
その時、教室の扉がガラッと開いた。
「おーい!お前たち何をしてんだ?そろそろ帰れよ」
明美たちは、その声にビクッとしたのだった。担任が教室に入ってきたからだ。
「おい!何をしてんだ?」
「いえ、立花さんとちょっと話してただけです」
担任の神谷は、この教室の雰囲気をおかしいと思い、久保田美佐に近づいたのだった。
「本当か?」
「本当ですよ。あたし達はお勧めの小説を聞いていただけで……ねえ、立花さん?」
担任は、明美の方を向いて、久保田美佐の言っていることが本当なのか聞きただしたのだった。美沙は担任の神谷に見えないように、明美を睨んだのである。
(言ったら承知しないわよ?)
「はい……久保田さんには、あたしがいつも読んでいる小説でお勧めの小説の事を聞かれていました……」
「そ、そうか?お前がそういうのなら信じよう!」
明美の言葉に、美沙達はホッとした表情になった。
「もう、日が暮れるから早く帰れよ!」
明美は、この場の雰囲気に耐えられなくて、鞄を持ってさっと教室を出て行ったのだった。
「はい!分かりました。先生さようなら!」
「ああ!気を付けて帰れよ。お前達も気を付けてな」
「「「は~い!」」」
「先生さようなら~~~!」
「ああ!また明日」
明美は、下駄箱のとこまでダッシュで駆けて行ったのだった。そして、今まで人と接してこなかった為、まさか自分にこんな事が起きるとは思っていなかったのである。
そして、やはり人付き合いは苦手だと思い込んでしまったのだ。
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