氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第2章 新たな商売

36話 隠れ里の崩壊

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 イチョウは、自分を追ってきたアサシン黒煙を返り討ちにしてその首を切断する。犯罪者はこうして首を布で包み、町の衛兵に渡すのが普通に行われている事だ。
 ショウのように時空間倉庫に収納して遺体を届けることはまず一般的ではない。生け捕りにできると犯罪奴隷に落とし鉱山送りにでき、国から感謝されより多くの謝礼金が支払われる。

「あんまり強くなかったなぁ・・・風属性魔法の使い手なのにもったいない・・・」

 そう言ってイチョウは、姿を消してショウの元へと帰還した。

「おじちゃんただいま・・・」
「イチョウ!よかった。無事帰ってきたな。なんだ元気がないな。何かあったのか?」
「うん・・・五竜ウーロンのアジトみつけた」
「ほんとうか?でかした!」
「それでおじちゃん・・・今すぐ、闇ギルドの隠れ里を潰そう・・・」
「な、なんだ?いきなりイチョウがそんな事を言うのは珍しいな」

 ショウの言葉にイチョウは、闇ギルドの隠れ里の事を洗いざらい説明すると、ショウの顔は険しいものへと変わっていく。
 そして、ショウは闇ギルド五竜ウーロンは世の中にとって百害あって一利なしといい、アユミ達と共にその隠れ里に向かう事に決めたのだった。

「闇ギルドは子供を拐って、暗殺者に育て上げているってホントなの?」
「うん・・・」
「ったく信じられない組織だな」
「ホントだよ・・・それにあたし達が殺した暗殺者達もあそこで育て上げられた暗殺者だと思ったらなんかやるせない気持ちになった・・・」
「イチョウ、そんな事思わなくていいって」
「でも・・・」
「イチョウは優しいんだよ。もし、抵抗しなければあたし達が殺されるんだ。立派な正当防衛だからね。たしかに暗殺者として育てられたのは不幸だとは思うけどね」
「アユミ・・・」
「だから、これ以上不幸な子供をうまないためにもあたし達が闇ギルド五竜ウーロンをぶっ潰すしかないよね」
「アユミの言う通りだな。五竜ウーロンはぶっ潰すしかない」
「おじちゃん・・・」
「ホントイチョウは優しい。今回の情報はよく持ち帰ってくれたよ」

 そう言ってショウはイチョウの頭をワシワシと撫でるのだった。

「おじちゃん!強く触り過ぎ・・・髪型が崩れる」
「悪い悪い!イチョウの元気がないから加減が出来なかったな」
「ったくもう・・・」

 それを見てスミエが話に割って入る。

主様あるじさま。それで隠れ里についてからどうなさるおつもりですか?」
「どうするとは?」
「アサシン達です」
「できるだけ生け捕りだな。お前達ならもうできるはずだ。もしできないならダンジョンの7階層はまだ様子見にする」
「わ、わかりました」

 ショウは、隠れ里の攻略を見てダンジョンの7階層に行くかどうかを見極めるつもりだった。

「そして、子供達は全て救うから犠牲者は絶対出すなよ」
「「「「「「「はい!」」」」」」」

 そして、ショウ達は全速力で闇ギルド五竜ウーロンの隠れ里の近くまで到着する。

「システィナ、子供達の周りに茨の蔓でバリケードは張れるか?」
「はい。任せてください」

 子供達の周りにバリケードが一斉に張られてから、全員が隠れ里に突入する事が決まる。子供達の居場所はショウの世界地図ワールドマップで丸わかりで、その居場所をシスティナがドライアドに伝えると、すぐさまバリケードが張られた。また、オアネドは隠れ里の周囲に落とし穴を掘り、逃げ出す犯罪者を捕らえる事になる。精霊を認識できる人間はまずいないので、突然大穴が出現するトラップに引っかからない方が無理がある。

「な、なんだぁ!?」
「いったい何が起こっているんだ?」

 隠れ里で子供達を暴力で訓練をしていた犯罪者達は目の前で起こる出来事に目を見開く。いきなり子供達が茨の蔓のドーム状で覆われたのだ。子供達もいったい何が起こったのか理由が分からず呆然となりただ立ち尽くすしかなかった。

「なんだこの蔓は!?」
「ぶった斬れ!」

 犯罪者達は子供達を覆った蔓を、持っていた剣でぶった斬ろうとするがまったく傷つかない。システィナのレベルも上がり、ドライアドの茨の蔓も強化されており、犯罪者達ではびくともしないのだ。
 そして、ショウ達は闇ギルドの構成員を戦闘不能にしていく。

「「「「「「「ギャアアアァアアアアア!」」」」」」」
「なんだ貴様等ぁ!」
「冒険者が乗り込んで来たのか!」
「何人だ?」
「わ、わからん!」
「とにかく冒険者なら殺せ!」

「マルチプルアロー!」
「大絶斬!」
「三連突き!」
「パワーストライク!」
「正拳突き!」
「モータルブロウ!」
「パワーブラスター!」

 アスカ達は犯罪者達を生け捕りにする為、比較的ダメージが少ないアクティブスキルを放つが、アスカ達のレベルは犯罪者達より高く手足が吹き飛んでしまう。
 
「「「「「「ギャアアアァアア」」」」」」
「俺の足がァアア!」
「あたいの手がァアアアアア!」

 アスカ達の一撃で犯罪者達の手足が吹き飛んで辺りは阿鼻叫喚の地獄絵図と陥るのだった。

「リーダー!奇襲です。ここはもう保ちません!」
「な、なんだと!?」
「リーダーだけでもお逃げ下さい!」
「馬鹿な事を!ここは五竜ウーロンの主要アジトの一つだ。わかっているのか?」
「しかし、このままでは・・・」
「あたしが出る!お前達はあたしをフォローしろ」
「「「「「わかりました!」」」」」

 この隠れ里の女リーダーは、家から出るとそこは地獄と化した光景が広がっていた。

「な、なんだこれは・・・」

 逃げ惑う部下達、そして所々に出来たドーム状の茨の蔓。そして、手足の失った部下達は悲鳴をあげ転がり周り、隠れ里の周囲は所々大穴が出来ていた。
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