氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第2章 新たな商売

42話 ヒナタの快挙

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 ショウは、マートン領主アレックから何回もお礼を言われた。そして、ショウはアレックからとんでもないことを言われたのだった。

「その内ショウ殿は我が主君からも呼び出しがあるかもしれぬな」
「はっ?な、何を言っているのですか?」
「そんな驚くものではあるまい。ショウ殿はここブリガンダイン王国でどれほどの功績をあげていると思っている?」
「俺にはさっぱり……」
「馬鹿な事を!ショウ殿の製作したアイテムはいまや王都グシリアでも入荷すればすぐ完売なのだ。そのアイテムで王都グシリアのダンジョンのアイテムや素材がどんどん持ち帰られているんだぞ?」
「それと、俺が国王陛下と面会?ないないないない!今回は面会に応じたけど、国王陛下?国のトップと面会なんかしたら緊張で禿げる!」
「うははは!ショウ殿は面白い表現をするものだな」
「笑い事じゃないですよ」

 アレックとショウは笑い話として言っていた横で、システィナ達全員が顔を青くして血の気が引いていた。
 そして、ショウはアレックから感謝と共に謝礼金と、マートンの町の中にも大きく立派な屋敷を手に入れたのだった。ちなみに、この屋敷は謝礼である為税金は一切かからないらしい。ただ、屋敷の管理は自分達でしなければならないと言われた。

「ショウ。どうするつもり?」
「屋敷をもらってもなぁ・・・手に余るよな・・・」
「ご主人様あたし一人ではこんな大きな屋敷を管理はできないですよ?」
「いやいや、俺だってそんな命令はしないよ。いや待てよ・・・」

 ショウは目の前にそびえ立つ大きな屋敷を、時空間倉庫に収納してしまう。その光景にここまで案内した執事長のハンスは、目を見開きフガフガと言葉にならない声を発する。

「ま、魔道士様!?これはいったい・・・」
「大丈夫。屋敷は俺のアイテムボックスに収納しただけだ」
「しかし、空間属性魔法のアイテムボックスはそのような大きな物は収納できるなんて聞いた事がないのですが!?」
「俺のはちょっと特別製なんだよ」

 ショウは、屋敷を収納して屋敷の時間を巻き戻す。そして、時空間倉庫から元の位置に排出したのだった。

「なんだああああああ!」
「これで大丈夫だな」

 目の前に現れた屋敷は新築同然の建物になり、屋敷の中はホコリひとつない綺麗な屋敷となった。

「そして、この部屋でいいか?」

 ショウはこの屋敷の中で一番広い個室にマークを唱え、位置情報をルーン晶石に記憶させた。

「これでいつでもこの場所に瞬間移動が出来るな」
「はっ?どういう事でしょうか?」
「いや、こっちの話だ。それより立派な屋敷をいただきありがとうございますと領主様に伝えて下さい」
「あっはい。承知いたしました」
「それじゃ、俺達は郊外の家に帰るとするか」

 そう言ってショウ達は、貰った屋敷の戸締まりをして郊外の私有地に帰るのだった。
 そして、領主アレックの言った通り、ショウは国王陛下に呼び出しを受ける事になるが、これはまだ先の事である。



 そして、領主アレックから呼び出しをされるまでの一ヶ月の間に、ヒナタはアスカ達に引き連れられ森の中の魔物を間引きした結果、5歳児としては異例のレベルを持つ事になっていた。

「父ちゃん!」
「な、なんだ!ヒナタどうした?」
「あたし、今日またレベルが上がったよ!」
「おー!そうかそうかよく頑張ったな。で、何レベルになった?」
「25レベル!」

 ヒナタは親に自慢するかのようにVサインをして、ショウにドヤ顔をしている。ショウは、ヒナタを抱きしめ頭をワシャワシャと撫でて褒めちぎる。ヒナタもそれが嬉しいのか「きゃあ」と叫びながら嬉しそうにしていた。

「ヒナタ、ちょっとステータスを見てもいいか?」
「うん。いいよ!」

 ヒナタはショウに見てもらいたいかのように、ウズウズしていた。そして、ヒナタのステータスには目を見張る事柄が追記されていた。

「お、おい!ヒナタこれって・・・」
「ふふーん!父ちゃん驚いた?」
「す、凄いじゃないか?俺にも見せてくれよ」
「じゃあ見せてあげるね」

 そう言ってヒナタは、魔獣医学の厩舎を展開すると中から二足歩行のネズミが現れたのだ。

「こいつは軍隊ネズミか!」
「どう?凄いでしょ?」
「ああ!ヒナタ凄いぞ」
「アスカ達のおかげでテイム出来たんだよ」
「まさか30レベルになってもいないのに、野生動物じゃなく魔物をテイムできるとはな・・・」

 軍隊ネズミは魔物の中でも弱い部類になるが、低ランクの冒険者では相手にできない。そして、魔物をテイム出来たというのは、その昔ゴブリンをテイム出来たという話しか聞いた事がなかった。

●軍隊ネズミ
 100匹単位で行動し敵を襲うネズミの魔物。ランクは一匹なら最低ランクだが、集団となればDランクとなりそこそこの強さとなる。森の中に捨てられた武器や防具を装備した軍隊ネズミは更にランクは上がる。

「ヒナタ!お前は偉いぞ!」
「エヘヘ!」
「それで名前は決めたのか?」
「チュータにしたの」
「そうかそうか!チュータよろしくな」

 ショウがチュータに話し掛けると力こぶしをつくり応えたのだった。




 そして、その日のうちにショウはヒナタを連れて、マートンの町へ連れていくのだった。城門では警備兵に話し掛けられていた。

「魔道士様、領主様との面会もあと一ヶ月ほどですね」
「わかっているから!いちいち確認をしないでくれよ」
「絶対辞退なんかしないでくださいよ」
「わかっているから!領主様だってわざわざ時間を作って下さるんだから辞退なんか出来る訳がないだろ」
「それならよかったです」

 そういうと、城門警備兵は笑顔になり、ショウとヒナタとアユミの入町を許可するのだった。

「ったく・・・アイツらは俺がマートンの町に来る度に確認するんだからな・・・」
「ショウは気まぐれなところがあるから不安なんだろうね」
「まぁ、今でも会わなくていいなら会いたくないんだけどな・・・」
「父ちゃん。なんであたしをマートンの町に連れてきたの?」
「ああ。ヒナタがテイムした魔物を登録しないといけないからな。みんな驚くと思うぜ」

 そう言ってヒナタを冒険者ギルドに連れて行くと、ギルド内は騒然となるのだった。

「こ、これは・・・軍隊ネズミですか!?」
「はい。それでヒナタを冒険者登録してほしいんだ」
「そのってまだ5歳ぐらいなんじゃ・・・」
「5歳児だが年齢制限があるのか?」
「いえ・・・そういうのはありませんが、5歳児で誰も登録ませんから」
「なら大丈夫だ。こう見えてヒナタは強いからな」

 ショウの言葉をあまり理解できないでいたシャーロットは、ショウの言われたまま冒険者登録を済ませるのだった。そして、ヒナタは冒険者登録をしテイム登録も一緒に済ませるのだった。

 本来、テイム登録は野生動物の主人を明確にする為のものだ。今回、ヒナタが魔物を登録したのは実に300年ぶりといった快挙である。また、ヒナタがすんなり冒険者登録が出来たのは、ショウの奴隷だったからである。仮にヒナタが平民で一人で登録に来たとしても、ギルドが許可しなかったであろう。
 ヒナタが奴隷だったので、依頼を実行したとしても必ず主人であるショウがいることが条件とされたのだった。

「強いかどうかは関係ないですが、ヒナタちゃんが依頼を受ける場合は魔道士様が一緒が条件ですからね」
「わかってるよ。どうせギルドの依頼は薬草採取しか受けるつもりはないからな」
「ホント魔道士様は頑固親父ですね・・・」
「頑固親父とはなんだ!」
「7階層に行ける実力があるんだからギルドにも素材を卸してくれてもいいじゃない」
「あ~そういう事をまた言うんだな。ホントに他の町に移住しようかな」
「あ~嘘です。私が悪かったです。申し訳ありません」
「ふん!わかったならいいんだが次はないからな」
「ううっ・・・」

 シャーロットが下を向き落ち込んでいるうちにショウは冒険者ギルドを後にするのだった。

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