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銀髪と緋色の瞳の聖女と仲間達
フィル君
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ーあなたはどのタイプですかー
【待ち合わせ時間何分前に着きますか?】
①時間ピッタリ
②早めに到着
③遅刻する
私は“①時間ピッタリ”で、フィルシアールは“②早めに到着”の人間だったからこそこの状況だろう。
「…ーーすみません」
そう言うとフィルシアール何事もなかった様にくるっと後ろを向いた。
春は悲鳴を上げればいいのか、恥ずかしそうにすればいいのか分からずに口をぽかんと開けたまま固まっていると、
「すみません。
早く着替えて…」
表情は後ろを向いていて分からないが、フィルシアールはかなり消え入りそうな声でそう言った。
(そうだね!
それがさきだったね!!)
春は赤くなったり青くなったりしながら着替えをはじめた。
(ええっと、まずは上着)
白のタートルネックで襟元や袖辺りに淡いピンク色の糸で草花の様な刺繍が施してあるポンチョっぽい上着を急いで被り、
(次は)
上着と同じ刺繍が施してある白のひざ下丈のキュロットパンツを履いて、後ろに付いてる布の紐をリボンに結ぼうとするが、
(あれ)
なかなか結べず苦戦していると、それに気付いたフィルシアールが、
「かして」
春から紐を受け取るとフィルシアールは綺麗に結んだ。
「ありがとう」
春は身支度の続きをしようとするが、フィルシアールはリボンを掴んだまま動かなかった。
「?
フィル君」
どうしたの?と、春はフィルシアールの名前をはじめて呼んだ。
フィルシアールの体がピクッと反応したのは分かったが、顔が下を向いていたので表情は今度も分からない。
フィルシアールは返事の代わりに魔法鞄に入っていた全身が隠れる黒色のローブを春に渡した。
春はローブは羽織って留め具を留めようとしたが、この異世界の留め具はかなり複雑でまた苦戦していると、フィルシアールが今度は何も言わず留め具を留めてくれた。
またフィルシアールが動かなくなったので、春はフィルシアールの顔を覗き込みながら「フィル君」と、2回目の名前を呼んだ。
「…ーーーっ////」
今度ははっきりとフィルシアールの大きな瞳がさらに大きくなり、口はパクパクと閉じたり開いたりして、耳まで真っ赤になった表情が見れた。
フィルシアールは春から目線をそらし口元に手を当てながら、
「あの…見て…しまい…すみま…せん///」
途切れ途切れながらも謝罪するフィルシアールを見て春は、
(可愛いぃー
可愛いよー)
ヤバいヤバいと、危ない扉を開きかけてそっと閉じたのだった。
やっとベージュ色のミニブーツを履いて時計の針を見ると23時55分を指していた。
約束の時間の5分前だった。
【待ち合わせ時間何分前に着きますか?】
①時間ピッタリ
②早めに到着
③遅刻する
私は“①時間ピッタリ”で、フィルシアールは“②早めに到着”の人間だったからこそこの状況だろう。
「…ーーすみません」
そう言うとフィルシアール何事もなかった様にくるっと後ろを向いた。
春は悲鳴を上げればいいのか、恥ずかしそうにすればいいのか分からずに口をぽかんと開けたまま固まっていると、
「すみません。
早く着替えて…」
表情は後ろを向いていて分からないが、フィルシアールはかなり消え入りそうな声でそう言った。
(そうだね!
それがさきだったね!!)
春は赤くなったり青くなったりしながら着替えをはじめた。
(ええっと、まずは上着)
白のタートルネックで襟元や袖辺りに淡いピンク色の糸で草花の様な刺繍が施してあるポンチョっぽい上着を急いで被り、
(次は)
上着と同じ刺繍が施してある白のひざ下丈のキュロットパンツを履いて、後ろに付いてる布の紐をリボンに結ぼうとするが、
(あれ)
なかなか結べず苦戦していると、それに気付いたフィルシアールが、
「かして」
春から紐を受け取るとフィルシアールは綺麗に結んだ。
「ありがとう」
春は身支度の続きをしようとするが、フィルシアールはリボンを掴んだまま動かなかった。
「?
フィル君」
どうしたの?と、春はフィルシアールの名前をはじめて呼んだ。
フィルシアールの体がピクッと反応したのは分かったが、顔が下を向いていたので表情は今度も分からない。
フィルシアールは返事の代わりに魔法鞄に入っていた全身が隠れる黒色のローブを春に渡した。
春はローブは羽織って留め具を留めようとしたが、この異世界の留め具はかなり複雑でまた苦戦していると、フィルシアールが今度は何も言わず留め具を留めてくれた。
またフィルシアールが動かなくなったので、春はフィルシアールの顔を覗き込みながら「フィル君」と、2回目の名前を呼んだ。
「…ーーーっ////」
今度ははっきりとフィルシアールの大きな瞳がさらに大きくなり、口はパクパクと閉じたり開いたりして、耳まで真っ赤になった表情が見れた。
フィルシアールは春から目線をそらし口元に手を当てながら、
「あの…見て…しまい…すみま…せん///」
途切れ途切れながらも謝罪するフィルシアールを見て春は、
(可愛いぃー
可愛いよー)
ヤバいヤバいと、危ない扉を開きかけてそっと閉じたのだった。
やっとベージュ色のミニブーツを履いて時計の針を見ると23時55分を指していた。
約束の時間の5分前だった。
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