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銀髪と緋色の瞳の聖女と仲間達
『闇の森』
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薄紫色の霧に覆われて、黒々とした不気味な森が私達の目前に広がる。
私は顔色が悪いままリリィに跨って、千年前から何も変わらない『闇の森』を見つめる。後ろに居たフィル君は先にリリィから降りて、
「ハル、手を」
「ありがとう」
フィル君から差し出された手を掴んで、リリィの上からストンと降りた。少しヨロめいた私をフィル君が咄嗟に支える。
「大丈夫ですか?」
「う、うん。ありがとう」
ふたりから離れた場所で、
「なぁ、お頭。このやり取り何回目だ?」
「5回以上…かな?」
指折り数えるが、毎回のやり取りで数えるのを諦めたティティは肩をすくめながら言う。
「あ、お頭。髪留め取れかけてっから、じっとしててくれ。…あのふたりって前世から、あんな感じだっだのか?」
「あんな…って?」
「公衆の面前でラブいちゃ、バカップル」
「んー…前世は…距離…あった…かな。イグニが…ムツキを…ほっとけ…なかったのは……」
(罪悪感と…義務感…だろうし)
「…………」
腕を組みながらティティはガルフォンに背中をむける。ガルフォンはティティの髪留めを直して、サラサラな真っ白な髪を手で梳かす。
「なぁ、俺の気のせいかもしんねーけど、なんか怒ってねぇか?」
「ん、ガル。…どうして…そう…思うの?」
「や、嬢ちゃんの様子が『闇の森』の話をした時から調子悪そーなのと、坊主もなんか…心当たりありそーだし、お頭の耳と尻尾が…そわそわと…警戒してる時の動きしてっから」
「……ガルって…鋭い…ね」
「お頭?」
ティティはガルフォンの質問には答えず、ガルフォンの身体に寄りかかる。
「ねぇ、フィル君。あのふたりがイチャつくのって何回目?」
「……11回目です」
「……そっか。ティーニャが…ううん、ティティが人間を好きになるなんて思わなかったな」
「……そうですね」
人間に嫌悪感を抱いていたティーニャがムツキとイグニに心を開いたことも奇跡なのに、人間を愛したことも奇跡だった。
ーーーー
「リリィとクロウを【テント】の厩舎に入れたので、早速【誘いの霧】を回収しますか」
フィル君が【魔法鞄】に【テント】をしまいながら切り出す。
【テント】は【魔法鞄】に仕舞っている間も【テント】を使用している時の状態を維持し続けて、人間や動物など生き物が中に居る状態でも仕舞っても生命の問題は何もない。藁草や水も定期的に補充され、放牧も許可された空間だけ自由に行動できる。
「ん、じゃ。俺の仕事か」
ガルフォンはそう呟くと、薄紫色の霧を封じ込めるよう、縦横6センチほどの透明な四角い箱を造る。
ゆらゆらと薄紫色の霧が箱の中で不気味に蠢いている。人間の望む“幻覚”を見せて植物の魔物『人喰い花ブラッティ・アウラウネ』の元へ誘う【誘いの霧】だ。
「次は空間か」
私達4人とフゥの輪郭をなぞる薄い膜が出来た。
「空間解けたら、マジでやべぇから俺から離れるなよ」
そうして私達は『闇の森』へ足を踏み入れる。
「【誘いの霧】の次は何にするんだ?」
ガルフォンがクエスト一覧を見ながらフィル君に問う。
「そうですね。次は活動拠点を確保しようと」
「活動拠点ねー。『闇の森』に安全な地ってあんのかい」
「存在ますよ。この森はドーナツ型に自然が広がっています」
フィル君は両手で輪っかを作りながら、
「この真ん中の空間は"幻惑"の影響を受けない土地になってます。先ずここに向かって【テント】を設置して休憩します」
「休憩?採取にむかわないのか?」
「………この『闇の森』には"幻惑"以外の特徴がありまして、人見知りな彼の術がかかっていて"あらゆるモノ"が動きます」
「動く?」
「『闇の湖』『闇の滝』『闇の川』草木や道端の小石も不規則に動いています。その術を術者に…解ければ…解いてから…採取に…向かおうと…」
フィル君は気まずいのか最後は途切れ途切れの説明になっている。
「自然を動かす術?なんか"エルフの魔術"みたいだな。いや、それはないか。エルフは"聖地"の"精霊樹"の元で暮らしてるしな」
ガルフォンが怪訝そうに呟く。
「「「………………」」」
「どうした?」
私、フィル君、ティティの3人とも黙りこくってしまった。そんな私達を見て、
「…まさか、ほんとに"エルフの魔術"か?」
んなわけないよなと続いた言葉がティティがこくこくと頷いたことで固まる。
「マジで?」
「…マジ。…正確には…ダークエルフ…だけど」
「なんで戦闘に長けたダークエルフがこんな『闇の森』にいるんだ?普通はエルフと共に"精霊樹"を護っているだろ?」
「…それは…」
ティティの言葉を遮るようにバキバキッと地面の根っ子が持ち上がる。
『私の…眠りを…妨げる…のは…だぁれ』
血のように赤黒い巨大花に、深緑より暗い暗緑色の巨大な葉、そして、しゅるしゅると木々に巻き付けている緑の蔦と土がついた根っ子を足がわりにずるっずるっと這い出る。
『あらあら珍しいぃ、何年ぶりかしらぁ何年ぶりかしらぁ』
赤黒い巨大花の中心、花弁部分に上半身に蔓が巻かれた女性の裸体に、緑色の葉っぱのような長い髪と瞳、可愛らしい乙女の顔と、黄緑色の鋭い爪を持つ、
『久しぶりのご馳走だわぁだわぁぁ』
「人喰い花ブラッディ・アウラウネ!?」
私の声が響き、全員戦闘体勢に入るが、
『あら、男はふたりだけでぇ、ひとりは子供じゃないぃ。女は美味しくないしぃ、動物は飽きたのよねぇ』
ブラッディ・アウラウネが独り言を呟く。
『男は食べるとしてぇ…子供は食べ頃になるのを待つとしてぇ、女は…どう…んん?んんん?』
ブラッディ・アウラウネがナニかに気づいたように、私達の周りをずるっずるっと回る。
『子供とぉ女ぁふたぁりぃ、…この魔力の気配知ってるぅ。何時だったかしらぁ』
子供は"フィル君"で、女ふたりが"私"と"ティティ"だよね。
『あぁ、お・も・い・だ・し・た!お母様ぁお母様ぁを殺したぁ奴らだぁぁ!』
ブラッディ・アウラウネの瞳が戦闘モードの真っ赤な瞳に変わる。
「お母様って、あの「"うるさい"」
私の言葉と被るように、懐かしい凛とした男性の声が草木から聞こえる。
「"親子揃って、私の眠りを妨げるのか"」
『この声はぁ、お前がぁお母様を殺したぁダァークエルフかぁ!何処ぉだぁ』
「"私は…ずっとお前の近くにいたぞ"」
『出てきやがれぇ、引き裂いて、喰らってやる!』
「な…なんだ」
ガルフォンは声の主とブラッディ・アウラウネの言い合いに戸惑い、
「「「………………」」」
私とフィル君とティティは千年前の再現に言葉をなくす。
千年前も現在も『声の主』と『母親ブラッディ・アウラウネ』が同じやり取りをしていた。
『出てきやがれぇ出てきやがれぇ』
「"はぁ、やっと千年の月日が流れ…懐かしい客人が来たというのに…お前を相手してる暇はない"」
千年前と同じようにブラッディ・アウラウネの真下に真紅の機械が組み合ったような模様の魔法陣が現れ、そこから巨大な火柱が立ち上がる。
『なぁっ、ぎゃあぁあぁこれはぁお母様を焼いた炎ぉぉォォぉ!私のぉ娘がぁぜぇたぁい、お前を見つけてぇ殺ぉす!!』
ブラッディ・アウラウネは5センチほどのアーモンドのような種子を森の何処かへ投げ飛ばして、そのまま燃え尽きる。先程飛ばした種子がブラッディ・アウラウネに成長することは誰も知らない。
これはほんの補足だが、このブラッディ・アウラウネの母親も、その母親も、その前の母親も同じように、このダークエルフに倒されており、そうなる切っ掛けも毎回同じで眠りを妨げたからだった。
私は顔色が悪いままリリィに跨って、千年前から何も変わらない『闇の森』を見つめる。後ろに居たフィル君は先にリリィから降りて、
「ハル、手を」
「ありがとう」
フィル君から差し出された手を掴んで、リリィの上からストンと降りた。少しヨロめいた私をフィル君が咄嗟に支える。
「大丈夫ですか?」
「う、うん。ありがとう」
ふたりから離れた場所で、
「なぁ、お頭。このやり取り何回目だ?」
「5回以上…かな?」
指折り数えるが、毎回のやり取りで数えるのを諦めたティティは肩をすくめながら言う。
「あ、お頭。髪留め取れかけてっから、じっとしててくれ。…あのふたりって前世から、あんな感じだっだのか?」
「あんな…って?」
「公衆の面前でラブいちゃ、バカップル」
「んー…前世は…距離…あった…かな。イグニが…ムツキを…ほっとけ…なかったのは……」
(罪悪感と…義務感…だろうし)
「…………」
腕を組みながらティティはガルフォンに背中をむける。ガルフォンはティティの髪留めを直して、サラサラな真っ白な髪を手で梳かす。
「なぁ、俺の気のせいかもしんねーけど、なんか怒ってねぇか?」
「ん、ガル。…どうして…そう…思うの?」
「や、嬢ちゃんの様子が『闇の森』の話をした時から調子悪そーなのと、坊主もなんか…心当たりありそーだし、お頭の耳と尻尾が…そわそわと…警戒してる時の動きしてっから」
「……ガルって…鋭い…ね」
「お頭?」
ティティはガルフォンの質問には答えず、ガルフォンの身体に寄りかかる。
「ねぇ、フィル君。あのふたりがイチャつくのって何回目?」
「……11回目です」
「……そっか。ティーニャが…ううん、ティティが人間を好きになるなんて思わなかったな」
「……そうですね」
人間に嫌悪感を抱いていたティーニャがムツキとイグニに心を開いたことも奇跡なのに、人間を愛したことも奇跡だった。
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「リリィとクロウを【テント】の厩舎に入れたので、早速【誘いの霧】を回収しますか」
フィル君が【魔法鞄】に【テント】をしまいながら切り出す。
【テント】は【魔法鞄】に仕舞っている間も【テント】を使用している時の状態を維持し続けて、人間や動物など生き物が中に居る状態でも仕舞っても生命の問題は何もない。藁草や水も定期的に補充され、放牧も許可された空間だけ自由に行動できる。
「ん、じゃ。俺の仕事か」
ガルフォンはそう呟くと、薄紫色の霧を封じ込めるよう、縦横6センチほどの透明な四角い箱を造る。
ゆらゆらと薄紫色の霧が箱の中で不気味に蠢いている。人間の望む“幻覚”を見せて植物の魔物『人喰い花ブラッティ・アウラウネ』の元へ誘う【誘いの霧】だ。
「次は空間か」
私達4人とフゥの輪郭をなぞる薄い膜が出来た。
「空間解けたら、マジでやべぇから俺から離れるなよ」
そうして私達は『闇の森』へ足を踏み入れる。
「【誘いの霧】の次は何にするんだ?」
ガルフォンがクエスト一覧を見ながらフィル君に問う。
「そうですね。次は活動拠点を確保しようと」
「活動拠点ねー。『闇の森』に安全な地ってあんのかい」
「存在ますよ。この森はドーナツ型に自然が広がっています」
フィル君は両手で輪っかを作りながら、
「この真ん中の空間は"幻惑"の影響を受けない土地になってます。先ずここに向かって【テント】を設置して休憩します」
「休憩?採取にむかわないのか?」
「………この『闇の森』には"幻惑"以外の特徴がありまして、人見知りな彼の術がかかっていて"あらゆるモノ"が動きます」
「動く?」
「『闇の湖』『闇の滝』『闇の川』草木や道端の小石も不規則に動いています。その術を術者に…解ければ…解いてから…採取に…向かおうと…」
フィル君は気まずいのか最後は途切れ途切れの説明になっている。
「自然を動かす術?なんか"エルフの魔術"みたいだな。いや、それはないか。エルフは"聖地"の"精霊樹"の元で暮らしてるしな」
ガルフォンが怪訝そうに呟く。
「「「………………」」」
「どうした?」
私、フィル君、ティティの3人とも黙りこくってしまった。そんな私達を見て、
「…まさか、ほんとに"エルフの魔術"か?」
んなわけないよなと続いた言葉がティティがこくこくと頷いたことで固まる。
「マジで?」
「…マジ。…正確には…ダークエルフ…だけど」
「なんで戦闘に長けたダークエルフがこんな『闇の森』にいるんだ?普通はエルフと共に"精霊樹"を護っているだろ?」
「…それは…」
ティティの言葉を遮るようにバキバキッと地面の根っ子が持ち上がる。
『私の…眠りを…妨げる…のは…だぁれ』
血のように赤黒い巨大花に、深緑より暗い暗緑色の巨大な葉、そして、しゅるしゅると木々に巻き付けている緑の蔦と土がついた根っ子を足がわりにずるっずるっと這い出る。
『あらあら珍しいぃ、何年ぶりかしらぁ何年ぶりかしらぁ』
赤黒い巨大花の中心、花弁部分に上半身に蔓が巻かれた女性の裸体に、緑色の葉っぱのような長い髪と瞳、可愛らしい乙女の顔と、黄緑色の鋭い爪を持つ、
『久しぶりのご馳走だわぁだわぁぁ』
「人喰い花ブラッディ・アウラウネ!?」
私の声が響き、全員戦闘体勢に入るが、
『あら、男はふたりだけでぇ、ひとりは子供じゃないぃ。女は美味しくないしぃ、動物は飽きたのよねぇ』
ブラッディ・アウラウネが独り言を呟く。
『男は食べるとしてぇ…子供は食べ頃になるのを待つとしてぇ、女は…どう…んん?んんん?』
ブラッディ・アウラウネがナニかに気づいたように、私達の周りをずるっずるっと回る。
『子供とぉ女ぁふたぁりぃ、…この魔力の気配知ってるぅ。何時だったかしらぁ』
子供は"フィル君"で、女ふたりが"私"と"ティティ"だよね。
『あぁ、お・も・い・だ・し・た!お母様ぁお母様ぁを殺したぁ奴らだぁぁ!』
ブラッディ・アウラウネの瞳が戦闘モードの真っ赤な瞳に変わる。
「お母様って、あの「"うるさい"」
私の言葉と被るように、懐かしい凛とした男性の声が草木から聞こえる。
「"親子揃って、私の眠りを妨げるのか"」
『この声はぁ、お前がぁお母様を殺したぁダァークエルフかぁ!何処ぉだぁ』
「"私は…ずっとお前の近くにいたぞ"」
『出てきやがれぇ、引き裂いて、喰らってやる!』
「な…なんだ」
ガルフォンは声の主とブラッディ・アウラウネの言い合いに戸惑い、
「「「………………」」」
私とフィル君とティティは千年前の再現に言葉をなくす。
千年前も現在も『声の主』と『母親ブラッディ・アウラウネ』が同じやり取りをしていた。
『出てきやがれぇ出てきやがれぇ』
「"はぁ、やっと千年の月日が流れ…懐かしい客人が来たというのに…お前を相手してる暇はない"」
千年前と同じようにブラッディ・アウラウネの真下に真紅の機械が組み合ったような模様の魔法陣が現れ、そこから巨大な火柱が立ち上がる。
『なぁっ、ぎゃあぁあぁこれはぁお母様を焼いた炎ぉぉォォぉ!私のぉ娘がぁぜぇたぁい、お前を見つけてぇ殺ぉす!!』
ブラッディ・アウラウネは5センチほどのアーモンドのような種子を森の何処かへ投げ飛ばして、そのまま燃え尽きる。先程飛ばした種子がブラッディ・アウラウネに成長することは誰も知らない。
これはほんの補足だが、このブラッディ・アウラウネの母親も、その母親も、その前の母親も同じように、このダークエルフに倒されており、そうなる切っ掛けも毎回同じで眠りを妨げたからだった。
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