自分たちの魂はどうやらトラワレてしまったらしい

主人公視点

夢の中3

最初は自分が着ているワンピースと同じものだったんだろう……

前から見たら全体的に黒っぽかったそのワンピースは後ろ姿を見てみると所々に白色がある。


今は無き片翼の部分からは大量に血が流れたようで……

黒っぽい色が腰などを伝わり足元へと流れていったような跡がある。

残った片翼の近くは白い部分がわずかだが残っているけれど……

疑問に思ったんだ。
この女性はちぎり取られた片翼部分以外は怪我をしているようには見えない。

なのに……
なんでワンピースの前側部分は全て黒っぽく染まってしまったのか……

その血はどこからきたんだ？
その疑問はすぐに解消されてしまった。

女性は鳥かごのすぐ目の前へとたどり着いた。

そして鳥かごに触れようとする。

バチッ

鳥かごに触れた女性は……
悲鳴と同時に吹き飛び鳥かごの中心へと血飛沫をあげつつ落下する。

ちぎれた手首も地面に転がり落ちた……


目を覆い耳を塞ぎたくなる出来事なのに
今の自分にはそうすることも許されない。


自分に許されているのは聞くことと見ることだけだから……

良かった……
臭いを感じることができなくて……


映像は女性の元へ近づいていく……

女性は気を失っているようだ。

映像はひたすら女性を映す。
女性の手が綺麗に再生されるまで……