血術使いの当主様

重陽 菊花

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深雪の覚醒

解いてはいけない封印

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【六月九日】
 目が覚めると、朝だった。
障子から光が差し込んでくる。
起きた所を見ていたかの様な丁度のタイミングで
「「深雪ちゃん起きた~!!」」
双子が思い切り障子を開けて、入って来た。
「おはよう…葵ちゃんと菫ちゃん」
「「おはよう!!深雪ちゃん!!」」
菫ちゃんが私の布団を剥ぎ取って敷布団から転がされて畳の上に落とされ、葵ちゃんが手際よく布団をたんでる。
菫ちゃんが開けっ放しの障子から廊下に顔を出して
「深雪ちゃん起こしたよーー!!」
大きな声で叫んだ、すると「はーい、只今」と母ではない女性の声が返って来た。
「「失礼します」」
日本髪を結った墨色のきものを着た女性が二人入って来た。
「お初にお目にかかります…こちらで女中をさせて頂いております…ろくろっ首のお染と」
「餓者髑髏のお七と申します」
「ご丁寧にありがとうございます…柊家当主の長女の深雪と申します」
「これからは深雪様の身の回りのお世話をさせて頂きます」
「一生懸命に務めますのでよろしくお願い致します」
「…こちらこそ…よろしくお願いします?」
最後が?になってしまったのは急な事で思わず疑問形になってしまった。
祖母・雪路が亡き後、母・雪子が柊家の当主になった。
当主なのに何故屋敷に住んでないかと言うと母曰く「こんな田舎に住みたくない!当主はやるけど通いね!」と我儘を押し通したらしい、妖怪相手にも強い。
「葵と菫は席を外してください」
「「は~い」」
お染さんに双子が部屋を追い出され、私は渡された足袋を履いた。
「失礼します」
お七さんに寝間着の浴衣を脱がされて洋装の下着から和装の下着に交換され、肌襦袢・補正・長襦袢・きもの・帯・帯揚げ・帯締めと手際よく二人に着付けされた。
翡翠色柄の小紋に橙色の帯を身にまとった私は朝食を食べるために妖怪が待つ居間に連行されている。
皆と朝食を食べるのか、妖怪朝食を食べるのかを真剣にかんがえていると皆が待つ居間に着いた。
「「おはようございます」」
双子と髷を結った二人の男性が待っていた。
「おはようございます」
「深雪様はこちらへ」
お染さんにパーティー席に座らされた。
畳の上の縦長のテーブルに九人前の朝食が並べられていていた。
私から見た右側には双子ともう二席、左側には男性二人とお染さんとお七さんが男女交互に座っている。
そこに日本髪にだらりと前帯を結んだ遊女の様な女性が入って来た。
「「主様!!おはようございます!!」」
「はい、おはようさん…白蛇びゃくじゃさんは仕事が終わらず戻って来られないとの事です」
彼女はそう言いながら双子の隣に座った。
「深雪様、お初にお目にかかります…小紫と申します」
「ろくろっ首の久松でございます」
「餓者髑髏の吉三郎でございます」
「ご丁寧にありがとうございます…柊家当主の長女の深雪と申します」
「折角ですから冷める前に食べましょ」
固い雰囲気を菫ちゃんが納めて朝食が始まった。
「あの…違ったら申し訳ないのですがお染さんと久松さんって心中した…」
「そうです…前世では結ばれなかったが今世ではこうして結ばれました」
「一緒にいれて幸せなんです」
そう言って久松さんとお染さんが照れた。
「もしかして…お七さんと吉三郎さんも…」
「そうだよ!同時に処刑場で処刑されて、他の罪人の亡骸と二人の重い思いで餓者髑髏になったんよ!!」
「それでお染さんと久松さんは首を切って心中したからろくろっ首なんだよ!!」
いつもの様に元気よく双子が教えてくれた。
「って事は花魁の小紫さん?」
「そうです、ですが私は権八様と心中をした訳ではないので会えてないのです」
とても悲しそうな小紫さんに返す言葉が見つからない。
心中四人組も何とも言えない表情をしている。
「「ごちそうさまでした!!」」
双子が強制的に話を終わらせた。
「片付けは私達でやりますので深雪様は一旦お部屋にお戻りください」
そう言うとお染さんが食器を片付け始め、お七さんも加わった。
各自各々に居間を出て行ったので私は自室に戻った。
 自室に戻って来たがやる事がないし、着慣れないきもので畳の座布団に座っている。
正直、拷問に近い状態の苦しさだ。
そこに「深雪様、失礼します」と小紫さんが障子を開けた。
所作が凄く綺麗で流石、売れっ子花魁と思っていると私の向かいに座布団を持ってきて座った。
小紫さんは先程のだらりとした遊女姿とは違い薄紫の小紋に濃い紫の帯を締めている。
「葵と菫に無理やり連れてこさせた事をお詫び申し上げます…ですが深雪様にお願いがありまして…」
「平井権八の事でしょうか」
「そうです…無理を承知で探すのを手伝っては頂けないでしょうか…返答は急ぎませんので私はこれで失礼します」
そう言うと私の返事を待たずに部屋を出ていってしまった。
そして暇になってしまった。
そもそも夢に出て来た【深雪…早く戻っておいで】と言っていた変な紙を顔に付けた男はいないし、話題にすら上がらなかった。
あれはいったい誰なんだろう。
「白蛇」と呼ばれていた男は違う気がするし、双子に聞けば分かると思うけど聞いてはいけない気がする、何故だろう。
考えれば考えるほど分からなくなる。
「よし、探検しよう」
誰に聞かせる訳でもないのに割と大きな声が虚しく部屋に響いた。
そういえば、昨日の昼に屋敷を外から見た時は二階建てだったが肝試しをした時に階段はなかった。
某ホラー映画や某アニメ映画の様に階段に隠し扉がついているんだ。
「よし、階段を探そう」
また誰もいないのに大きな声を出してしまった。
 そっと障子を開けて廊下に出ると静まり返っていた。
妖怪は昼間は寝る生き物だ、今朝の会食は私を屋敷の妖怪の顔合わせの為に眠い中行ってくれた。
他の妖怪は知らないが妖怪は案外、優しいのかもしれない。
本来は柊家に住んでいて昼間は防犯兼睡眠、夜間は隠世で働いているらしい。
それで昨夜は留守番組の双子しか屋敷にいなかった。
寝に帰ってくるだけだから生活感がないのか。
隠世でお染さんとお七さんは芸者をしていて、久松さんと吉三郎さんは別々の問屋で番頭をしているそうだ。
小紫さんは妖怪の間で客を取らない花魁として有名らしく隠世の遊郭で平井権八を待ち、現世の柊家の屋敷でも平井権八を待っている。
心中するほどの恋も後追い自害するほどの恋もした事のない私だが、小紫さんと権八に再会して欲しいと純粋に思う。
そして私は今、屋敷内の扉を一つづつ開けてある筈の階段を探している。
一枚凄く開けづらい扉を発見した。
本能で分かる、これが階段の扉だと。
どんなに引いても開かない、ならばのと扉を蹴り飛ばして開けた。
扉自体は壊れる事なくただ外れただけだから壊してない、セーフ。
 薄暗い階段を登って行くと階段を登った所に、黒髪の長髪で黒きものを着た男性が立っていた。
「お久しぶりですね…深雪様」
「」
「思い出せないですか…黒蛇こくじゃです」
「」
正直全く思い出せないが、こんなイケメン忘れる筈がない。
だが本能で分かる、夢の男ではない事を。
「あの出来事で記憶がすっぽ抜けてしまったのかもしれません、無理に思い出さなくていいですよ」
「すみません…そう言って頂きありがとうございます」
「ところで深雪様…階段下の扉は封印されて開かない筈なんですが…」
「ごめんなさい…蹴り飛ばして開けました…」
「「」」
暫く沈黙が続いた。
「立ち話もなんですから中へどうぞ」
そう言うと黒蛇さんは部屋へ案内してくれた。
湿気っぽいかと思いきや全く湿気等は感じずしっかり換気や、手入れがされてるからか全く気にならない。
お茶を二つ持った黒蛇さんが戻って来た。
「よかったらどうぞ」
目の前にお茶を置いて、私の向かいに座った。
「深雪様は体調が悪くなったりとか大丈夫ですか」
「体調ですか…特には…」
「私は穢れを受けて二階に印封されてたんですが…深雪様には効かないみたいですね」
「…そうみたいですね…何故でしょう」
「恐らくですが穢に対する耐久性が高いのか、もしくは穢れを即浄化してるのか…そもそも穢が効かないのか」
「私って意外と強いんですね…」
「深雪様は歴代の柊家の人間の中でも一番強い霊力がありますよ」
「それって…」
「妖怪相手には無敵ですよ」
「喜んでいいんですか、それ」
「」
「ねぇ、なんで黙るんですか」
「」
「ちょっと…」
「ハハハ深雪様と話すのが久しぶりで嬉しくてつい」
「いつからこちらにいるんですか」
「二十年くらいですかね」
「だから会った事があるんですね」
「そうですね、よく私と遊んでましたからね」
「…でも全く思い出せない…」
「そのうち思い出せます…無理やり思い出す事でもないですし気ままにいきましょう」
「でも…」
そう言うと黒蛇さんが急に抱きしめてきた。
「深雪ちゃん…戻って来てくれてありがとう」
「え、あ、ちょっと黒蛇さん…凄く眠い…無理寝る」
そこで私の記憶は終わった。

ーー夢を見ている自覚があるーー
畳の部屋で胡座をかく黒蛇さんの膝の上に幼い頃の私が横向きに座っている。
何を話しているかは聞こえないし体は動かないが二人の仲が良いのは見て分かる、振り向いた黒蛇さんと目が合った。
【深雪ちゃん…思い出して】

 そこで目が覚めたが体が締め付けられている。
帯が締まってる感じではなくて、太い紐の様な物が下半身に絡みついていて上半身は抱き締められている。
恐る恐る目を開けてみると黒蛇さんと目が合った。
「深雪ちゃん…おはよう」
「おはよう…ございます…」
素足にヌルっと何かが触れた。
「黒蛇さんって…下半身蛇だったりします…か?」
「深雪ちゃんを離したくなくて…苦しそうだっから帯ときもの脱がせちゃった、ついでに俺も脱いじゃった」
そう言うと襦袢の中のふくらはぎにヌルっと絡みついて来た。
下半身は黒蛇さんの下半身の蛇が絡みつかれていて尻尾が右のふくらはぎに絡みついている状態だ、動こうとすると締められる。
上半身は両手で抱き締められている。
「黒蛇さん…苦しい…死ぬぅ」
「死なせないから大丈夫」
「そういう問題じゃなくて…うぅ…死ぬぅ」
「ふふふ…可愛いね」
瞳孔が縦に開いた真っ赤な目と目が合った。
「逃さないよ」
薄い唇から蛇特有の二枚に割れた舌が覗いていた。
「「深雪ちゃん!!降りて来て!!」」
下の階から双子の大声が聞こえて来た。
「深雪様、危険です」
「早く降りて来てください」
お染さんとお七さんの大声も聞こえて来た。
「黒蛇殿、深雪様を開放してください」
「白蛇殿が向かってますぞ」
久松さんと吉三郎さんの大声も聞こえて来た。
「邪魔が入ったね…ごめんね、また寝てて」
そこで本日二度目の記憶が終わった。
 次に目が覚めた時は一人で布団で寝ていた、自室ではなく先程の黒蛇さんの布団だが。
上半身を起こし薄暗い中、辺りを見渡したが黒蛇さんの姿がない。
これ幸いと布団を出ようとしたら黒蛇さんが湯呑を二つ持って入って来た。
「さっきはごめんね…深雪ちゃんに会えたのが嬉しくて、感情を抑えきれなかった」
そう言うと湯呑を渡して来た、二度は同じ手に乗らないと飲むのを躊躇している。
「それには何も入れていない」
そう言い私の湯呑を一口のんだ。
「では、頂きます」と湯呑に唇を付けた。
「俺は穢れているから他の妖怪は近づけないから二階に上がって来る事はない…だから下から呼ぶだけで上がって来なかっただろ?二階にいる限り深雪ちゃんと二人きりになれる…俺といるのは嫌だ?」
先程の締め殺し未遂の時とは全く違う黒蛇さんに戸惑い答えが出せないでいると
「返事は今じゃなくていいから、また明日も会いたい」
そう言われてお開きになった。
 長襦袢のまま着ていた物を持って一階に降りると激怒の双子と真っ白い格好をした男性が待ち構えていた。
「お久しぶりです…深雪様」
黒蛇さんの色違いで直ぐに白蛇さんと分かった。
「お久しぶりです…白蛇さん」
「私の事を覚えているんですか?」
「いえ…黒蛇さんと色違いだったので」
「そうですか…」
「黒蛇さんは何であんなに拗らしたんですか」
「あぁ…いずれ分かりますよ」
「そうですか…」
「深雪様の安否を確認したので私は隠世に戻ります」
「お忙しい中、お手数をお掛けしました」
「黒蛇に近づくのは程々に…では失礼します」

――チリン――
鈴の様な音と同時に白蛇さんは消えた。

「「深雪ちゃん!!心配したんだから!!」」
「ごめんなさい」
「封印は解けてるし」
「深雪ちゃんはいないし」
「「私達は二階に上がれないんだから!!」」
息ぴったりに怒る双子が可愛くて堪らない。
今は日付を跨いでいて心中四人組は隠世に仕事に行って屋敷には私と双子と黒蛇さんの四人だけだ。
双子は明方の寝る前に風呂に入るからと先に風呂に入って布団に入るが全く寝られない。
 羊を五匹数えた所で天井の一部が開いて、黒蛇さんが顔を覗かせてる。
「深雪ちゃん、寝られないなら俺とお話しよう」
そう言うと天井から降りて来て寒いだろうと毛布を私に巻きつけて抱きかかえると天井の裏に戻った。
下半身は蛇の状態でニョロニョロと天井裏を進んで外の屋根上に出た。
屋根の上で黒蛇さんに抱きしめられながら、隠世の話や屋敷の事など私の知らない事をたくさん教えてくれて。
締め殺し未遂を忘れるくらい楽しい時間を過ごし自室まで送ってくれた。
また昼間に会いに行くと約束してお開きになった。
そして私は楽しい気持ちで就寝した。
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