迷子の会社員、異世界で契約取ったら騎士さまに溺愛されました!?

翠月 瑠々奈

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おはようございます②

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 借りた客室から扉一枚で仕切られた続き部屋。中に入ると奥に長い形をしていて幅は広め。左右に服があるのが分かる。ただ暗いからよく見えない。

 照明のボタンとおぼしき小さな取っ手を引くと、部屋の上部にある瓶のようなものが、フワっと仄かに明かるくなった。

 電気みたいにものすごく明るいわけじゃないけど、なんとか見えるようになる。そこで目を凝らしながら、服を選ぶ。だけど、取る服、取る服すべてが派手なデザインをしていた。

「……えぇ…」

 鮮やかな赤とか黄色とか、原色を使っているようなドレスばかり。あとデザインもだいぶ奇抜。なんか無駄にキラキラした石が散りばめられてるし。レースが変なところについてるし。パリコレモデルなら着こなせるだろうけど、平凡顔の私には難しい。

 ドレスを一旦保留にして近くの積まれた箱のひとつを開けてみる。白い革のケースだからアクセサリーかな?と思ったら案の定エメラルドに似た緑の石のネックレスが入っていた。

 しかもその下には、黒い革のケースや紺のスエード貼りのケース。ベルベット調のまである。これ全部宝石かしら。普通なら白手袋をして扱う代物よね。

 ちょっと不安になって、そっと蓋を閉めた私はそのまま元の位置に戻す。アクセサリーは別になくていい。

 とにかく服を選ばなきゃと、改めて探してみたものの、やっぱり派手なものしかない。それに、あれもこれも肌の露出が多い気がする。

「困ったな……」

 正直どれもこれも選びづらい。せめてもう少し落ち着いたものを、と思って見ていたら、厚手のカーテンで仕切られた場所からさらに奥があることに気がついた。

 カーテンの端から覗き込んでみる。すると、これまたドレスや宝飾品などが並んでいた。けど先程と違い、色合いは控えめだし、アクセサリーもちゃんと上部にガラスケースがついた収納箱にきちんと並べられていた。

 明らかに手前のものと雰囲気が違う。新しく用意されたものというより、元からあったように見える。もしかしたら……と浮かんだ。
  
 部屋の主であるお母様の物なのかもしれない。

 だとしたら借りるのは悪い気がする。けど、と手前のドレスと見比べる。この中から着るものを選ぶのは正直難しい。

「……」

 悩んだ末に一着お借りすることにした。なにかあれば着替えればいいものね、と思いながらまたドレスの軍団に目を止める。ダメだと言われたらこっちになるのか、と思うとどうにかそのまま許可が出ますように、と祈らずにはいられなかった。
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