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最後のメッセージ③
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「……」
父の言葉に従って目を閉じたら、フェルの笑顔が浮かぶ。
私は……私の願いは……彼に、会いたい。
目を開けたら、お父さんが一段と柔らかく微笑んだ。ニコニコと私の言葉を待っている。だからポツリポツリと声を出す。
「あのね」
「……」
「私、ね……大切な人が出来たの。だから、その人のところに行きたい」
「そうか」
父がポンポンと頭を軽く叩く。見上げた先で、一層優しく笑った。
「それでいいんだよ、瑠美。これからは自分の為に生きるんだ」
「お父さん」
父がそっと瞳を閉じる。声だけが遠くなっていく。
『君の前には、いくつもの道が続いてる。たとえ、困難だと思う道でも選ぶことは出来るから。でもね』
目を開けて、父が空を仰ぐ。わずかに光を帯びてるように見えた。私もつられて空を見上げる。
『一人で行く必要はないと思うんだ。その道には、きっと支えてくれる人がいるから』
再び零れ落ちる星。その煌めきは、やがて視界を覆うほど強い光に耀く。
『僕は、これまでの道を。これからは……』
傍に感じていた父の気配も、聞こえ始める別の声にかき消される。
「……!」
光の向こうから、確かに私を呼ぶ声がした。
「ルミ!!」
「!」
眩しい光が落ち着く頃、景色が見え始める。地面に広がる大きな緑色の魔導式がの金色の魔導式に重なるように展開されている。
あれは……フェルの魔導具?
気づけば私は重なる魔導式の中心で浮いていた。
耳元に、父の声が届く。
『お別れだよ、瑠美』
振り返ると、うっすら残る父の姿が見える。私も、いつの間にか元の大人に戻っていた。
「お父さん…」
柔らかく微笑む姿の中心に、私の小さな端末が浮かんでる。
画面には、私が内定をもらったときに二人で撮った写真。それがサラサラと下から消えていく。
「待って! もう少し、もう少しだけ……」
伸ばした手は空を切って、父は首を横に振った。
― ………… ―
何かを言って、ふわりと笑う。
直後、肩口を押された気がした。
「!」
急に重力を感じて勢い良く落ちていく。
間際、見えたスマホの画面には文字が並んでいた。
ー しあわせに ー
「お父さん!」
伸ばした手は、もう届かない。
でも、代わりに……。
「ルミ!」
代わりに別の手が、私を抱き止めてくれた。
金色の髪と藍色の瞳。父とは違う。でも、とても大切な人。
溢れた光の先で、私の願いは叶ったみたい。そこには、心配そうに覗き込んでくるフェルがいた。
「えっと……」
あんなに盛大にお別れしたのに、こんなにすぐ戻ってくるなんて思わなかったから、なんて言おうか迷ってしまう。
でも、戻ってきちゃったものは仕方ない。
曖昧な笑みで、お決まりの言葉を口にした。
「ただいま…………っ!」
言葉もそこそこに、思いきり抱き締められる。
息も出来ないほどに。
降参させて!と腕を軽く叩いたら、気づいたフェルが少しだけ緩めて、安心したような声を出した。
「おかえり」
その声に私も彼の背へ腕を回して、ギュッと抱き締めた。
やっぱり、この腕の中が良い。なんて恥ずかしげもなく思う。
けど、安心したのも束の間、私とフェルに突き付けられたのは剣の切っ先だった。
父の言葉に従って目を閉じたら、フェルの笑顔が浮かぶ。
私は……私の願いは……彼に、会いたい。
目を開けたら、お父さんが一段と柔らかく微笑んだ。ニコニコと私の言葉を待っている。だからポツリポツリと声を出す。
「あのね」
「……」
「私、ね……大切な人が出来たの。だから、その人のところに行きたい」
「そうか」
父がポンポンと頭を軽く叩く。見上げた先で、一層優しく笑った。
「それでいいんだよ、瑠美。これからは自分の為に生きるんだ」
「お父さん」
父がそっと瞳を閉じる。声だけが遠くなっていく。
『君の前には、いくつもの道が続いてる。たとえ、困難だと思う道でも選ぶことは出来るから。でもね』
目を開けて、父が空を仰ぐ。わずかに光を帯びてるように見えた。私もつられて空を見上げる。
『一人で行く必要はないと思うんだ。その道には、きっと支えてくれる人がいるから』
再び零れ落ちる星。その煌めきは、やがて視界を覆うほど強い光に耀く。
『僕は、これまでの道を。これからは……』
傍に感じていた父の気配も、聞こえ始める別の声にかき消される。
「……!」
光の向こうから、確かに私を呼ぶ声がした。
「ルミ!!」
「!」
眩しい光が落ち着く頃、景色が見え始める。地面に広がる大きな緑色の魔導式がの金色の魔導式に重なるように展開されている。
あれは……フェルの魔導具?
気づけば私は重なる魔導式の中心で浮いていた。
耳元に、父の声が届く。
『お別れだよ、瑠美』
振り返ると、うっすら残る父の姿が見える。私も、いつの間にか元の大人に戻っていた。
「お父さん…」
柔らかく微笑む姿の中心に、私の小さな端末が浮かんでる。
画面には、私が内定をもらったときに二人で撮った写真。それがサラサラと下から消えていく。
「待って! もう少し、もう少しだけ……」
伸ばした手は空を切って、父は首を横に振った。
― ………… ―
何かを言って、ふわりと笑う。
直後、肩口を押された気がした。
「!」
急に重力を感じて勢い良く落ちていく。
間際、見えたスマホの画面には文字が並んでいた。
ー しあわせに ー
「お父さん!」
伸ばした手は、もう届かない。
でも、代わりに……。
「ルミ!」
代わりに別の手が、私を抱き止めてくれた。
金色の髪と藍色の瞳。父とは違う。でも、とても大切な人。
溢れた光の先で、私の願いは叶ったみたい。そこには、心配そうに覗き込んでくるフェルがいた。
「えっと……」
あんなに盛大にお別れしたのに、こんなにすぐ戻ってくるなんて思わなかったから、なんて言おうか迷ってしまう。
でも、戻ってきちゃったものは仕方ない。
曖昧な笑みで、お決まりの言葉を口にした。
「ただいま…………っ!」
言葉もそこそこに、思いきり抱き締められる。
息も出来ないほどに。
降参させて!と腕を軽く叩いたら、気づいたフェルが少しだけ緩めて、安心したような声を出した。
「おかえり」
その声に私も彼の背へ腕を回して、ギュッと抱き締めた。
やっぱり、この腕の中が良い。なんて恥ずかしげもなく思う。
けど、安心したのも束の間、私とフェルに突き付けられたのは剣の切っ先だった。
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