53 / 143
反乱
再会
しおりを挟む
(どうしよう……!どうしようどうしよう!!)
頭の中にミーナと同じことがよぎる。
学園に行く前と夏休み、まだ関わって間もないけど、それでも屋敷中のみんなに、それにレヴィアナに大事にされているのは嫌と言うほど知っている。
「……お父様!!」
そう叫んだ声は自分でも驚く程大きかったと思う。
「待てって!!」
イグニスに肩を掴まれる。
「離して!!あそこにお父様が要るかもしれないじゃない!!」
「無茶言うな!あんなとこに今行っても何もできねぇだろうが!!もう少し様子をうかがってから……」
理由も誰がやっているのかも全く分からないけど、反乱がおきているのはこうなってしまっては間違いなかった。イグニスの言う通り敵の正体が分からない状態で突っ込むのは明らかに無謀だった。
「離しなさいよっ!!まだ無事かもしれないじゃない!!」
肩に置かれた手を振り払うと、そのまま走り出そうとした私を今度は後ろから羽交い締めにする。
「あんたなんかにわかるわけないじゃない!!大切な人が目の前で死んじゃって、違う世界に成っちゃう気持ちが!!!」
感情が爆発したかのように私は泣き叫びながら暴れまわる。
しかし、どれだけ暴れても彼の腕から逃れることはできない。
―――パンっ!
頬を殴られた。衝撃で頭が真っ白になる。
ゆっくりと視線をずらすと少しだけ、でもはっきりと悲しそうな表情を浮かべたガレンが立っていた。
「落ち着け。大丈夫だ。今燃えてるのは玄関と客間の近くだけ。あんなところにアルドリックさんは居ないよ」
落ち着いた声で諭すように言うガレンの言葉で徐々に冷静になっていく。
「それにほら、あれをみろよ」
視線を屋敷に向けると屋敷の周りにはバチバチと火花が散っている。
「エレクトロフィールド……?」
「あんな規模の防御魔法を展開できるなんてアルドリックさん以外いないだろ」
「じゃぁ、じゃあお父様たちは無事なの!?」
「多分。きっと反乱軍もあれに攻めあぐねていったんあきらめたんじゃないかな」
張りつめていた反動で私はその場にへたり込む。
「大丈夫だって。アルドリックさんが本気で応戦していたらもっと地形が変わるくらいになってるだろうし、きっとあの人は大丈夫」
頭上でイグニスもなぐさめてくれる。
私ですらディスペアリアム・オベリスクを壊せたんだ。三賢者と呼ばれているお父様が本気を出したらこんなものではないはず。
そしてそれと同時に自分の短絡的な行動を後悔した。
あのままイグニスに止められていなかったらきっと私は炎の中に飛び込んでいただろう。屋敷の一部をあそこまで破壊する相手にそんなことをしたらどうなる?
「ごめんなさい……」
「俺の方もいきなり叩いて悪いな」
「いえ。おかげで頭が冷えましたわ」
「まぁ、自分の家があんな風になってたら俺様だって取り乱すわ。さっきの狼狽振りは見なかったことにしといてやるぜ」
イグニスが私を立たせてくれる。安心できる手だった。
「それにもう夕方だし今日はこれ以上戦闘は起きないだろ。もう少し暗くなったら俺様たちは裏口から家に忍び込もう」
改めて私一人で来なくてよかった。
今は闘いが落ち着いている様に見えるが、取り乱した私が飛び出していったら魔法の集中砲火を喰らっていたかもしれない。
「ほら、見てみろよ。玄関付近はひどいけど、裏側は全然無事だ。きっと大広間とかでみんな集まってこの反乱に備えてるって」
ガレンが指さす方向を見ると確かに屋敷はまだ原型を留めている。うん、大丈夫、大丈夫。
ガレンも的確に状況を判断して私を落ち着かせてくれた。
この場所で一番冷静なのは間違いなくガレンだった。
―――でも、じゃあどうしてそんな悲しそうな顔をしているの?
私はなんだか怖くてその理由を聞くことができなかった。
***
反乱軍は屋敷を包囲しているようだった。
しかし完全に包囲しきるには人数が足りなかったらしく、私たちは隙を縫って屋敷に近づいていく。
改めて近くで見るとお父様のエレクトロフィールドは私のモノの何倍もすごかった。
これでは並みの魔法使いでは攻撃を通すことは出来ないだろう。
「これ……どうしましょう」
「同じ雷魔法使いでうまい事相殺とかできないのか?」
「出来る訳ないでしょう。ガレンこそ土魔法で」
「ムリムリ。近づけた瞬間分解されちまう」
反乱軍を近づけないための防御魔法ではあるけど、私たちもどうやって入ったものかと少し立ち止まっていると突然目の前のエレクトロフィールドの一部が解放された。
「この魔法で一部だけ解除……相変わらずすごいな……」
「あぁ、こんなの俺様にも……というかこの規模のフィールド張れる人なんてあの人なんじゃねーか?」
屋敷の中は自分の家ではないかのように静まり返っていた。
まるで人の気配がない。「きっと大広間だ」というガレンの言う通りに、そのまま私たちは慎重に進んでいく。
階段を登り、廊下を進む。大広間に近づくにつれて、緊張で心臓の鼓動が大きくなる。
廊下を曲がり正面の応接間には灯りがついていた。
その光を見て、私ははじかれるように駆け出し扉をはね開ける。
「お父様!!」
「おお、本当にレヴィだったのか。おかえり、レヴィ。それにイグニス君、ガレン君もようこそ」
そこにはこんな状況にも関わらず、いつもの優しい笑みを浮かべるお父様がいた。
部屋の中には他に誰もいない。
お父様はソファーに腰掛けていて、テーブルの上には紅茶の入ったカップが置かれていた。
上から下まで確認してもケガ一つなく、ここだけ見ると本当に日常のティータイムのようだ。
その様子に一先ずほっと胸を撫で下ろす。
「お父様……外は……?それに皆様、フローラは……?」
広すぎる大広間に誰もいないことが少し怖かった。
「大丈夫だよ、レヴィ。フローラが少し怪我をしただけだ。屋敷も客室が少し壊れただけだし、何も心配することは無い」
それでも心配そうに父を見つめる私の頭を優しくなでる。
「他のみんなは外が少し落ち着いたからお風呂や食事の準備をしてもらっている。もう少しで整うはずだ。こんな状態で大したおもてなしもできないけど君たちも食べていくかい?」
この状況にあって、本当にいつもと何も変わらないお父様に頭が混乱してくる。
普段通りすぎて、逆になんだか心配になってきた。
なにか言うべき言葉がグルグルと頭の中を駆け巡っていたが、うまく口から出てこない。
そんな私を見かねてかお父様はもう一度私の頭をなでる。
「アルドリックさん!」
「おじさん、だよ、イグニス君」
「こんな時にそんなこと言っている場合ですか!こんな、いったいどうしたんですか!?」
「反乱は、まぁそれなりによくあることじゃないか」
「それでも、でも、アルドリックおじさんがそんな反乱の対象になるなんてありえない!」
イグニスの言葉にお父様は少しだけ困った表情をする。
「反乱は何がきっかけで起きるかわからないからね。私もそれなりに平和に貢献してきたつもりだったけど、まぁきっと何かあったんだろう。そのあたりも食事をしながら話そうか」
そう言ってお父様は微笑んだ。
「ガレン君は少し久しぶりだね。ずいぶん大きくなった。お父様は元気かね?」
「――――お久しぶりです。久しぶりの再会がこんな形で残念です」
「再会に残念ということは無いよ。でも、そうだね。今度はお父様と一緒に、もっと盛大におもてなしができるタイミングで会えると嬉しいね」
「今度……ですか」
「そう、今度、だ。さぁ、君たちも席に着き給え。まずは楽しい話をしよう」
少し父とガレンの会話に間があったような気がしたが、それよりも今はお父様が無事だったことに心底安堵していた。
もう知っている誰かを失うのは何より怖かった。
頭の中にミーナと同じことがよぎる。
学園に行く前と夏休み、まだ関わって間もないけど、それでも屋敷中のみんなに、それにレヴィアナに大事にされているのは嫌と言うほど知っている。
「……お父様!!」
そう叫んだ声は自分でも驚く程大きかったと思う。
「待てって!!」
イグニスに肩を掴まれる。
「離して!!あそこにお父様が要るかもしれないじゃない!!」
「無茶言うな!あんなとこに今行っても何もできねぇだろうが!!もう少し様子をうかがってから……」
理由も誰がやっているのかも全く分からないけど、反乱がおきているのはこうなってしまっては間違いなかった。イグニスの言う通り敵の正体が分からない状態で突っ込むのは明らかに無謀だった。
「離しなさいよっ!!まだ無事かもしれないじゃない!!」
肩に置かれた手を振り払うと、そのまま走り出そうとした私を今度は後ろから羽交い締めにする。
「あんたなんかにわかるわけないじゃない!!大切な人が目の前で死んじゃって、違う世界に成っちゃう気持ちが!!!」
感情が爆発したかのように私は泣き叫びながら暴れまわる。
しかし、どれだけ暴れても彼の腕から逃れることはできない。
―――パンっ!
頬を殴られた。衝撃で頭が真っ白になる。
ゆっくりと視線をずらすと少しだけ、でもはっきりと悲しそうな表情を浮かべたガレンが立っていた。
「落ち着け。大丈夫だ。今燃えてるのは玄関と客間の近くだけ。あんなところにアルドリックさんは居ないよ」
落ち着いた声で諭すように言うガレンの言葉で徐々に冷静になっていく。
「それにほら、あれをみろよ」
視線を屋敷に向けると屋敷の周りにはバチバチと火花が散っている。
「エレクトロフィールド……?」
「あんな規模の防御魔法を展開できるなんてアルドリックさん以外いないだろ」
「じゃぁ、じゃあお父様たちは無事なの!?」
「多分。きっと反乱軍もあれに攻めあぐねていったんあきらめたんじゃないかな」
張りつめていた反動で私はその場にへたり込む。
「大丈夫だって。アルドリックさんが本気で応戦していたらもっと地形が変わるくらいになってるだろうし、きっとあの人は大丈夫」
頭上でイグニスもなぐさめてくれる。
私ですらディスペアリアム・オベリスクを壊せたんだ。三賢者と呼ばれているお父様が本気を出したらこんなものではないはず。
そしてそれと同時に自分の短絡的な行動を後悔した。
あのままイグニスに止められていなかったらきっと私は炎の中に飛び込んでいただろう。屋敷の一部をあそこまで破壊する相手にそんなことをしたらどうなる?
「ごめんなさい……」
「俺の方もいきなり叩いて悪いな」
「いえ。おかげで頭が冷えましたわ」
「まぁ、自分の家があんな風になってたら俺様だって取り乱すわ。さっきの狼狽振りは見なかったことにしといてやるぜ」
イグニスが私を立たせてくれる。安心できる手だった。
「それにもう夕方だし今日はこれ以上戦闘は起きないだろ。もう少し暗くなったら俺様たちは裏口から家に忍び込もう」
改めて私一人で来なくてよかった。
今は闘いが落ち着いている様に見えるが、取り乱した私が飛び出していったら魔法の集中砲火を喰らっていたかもしれない。
「ほら、見てみろよ。玄関付近はひどいけど、裏側は全然無事だ。きっと大広間とかでみんな集まってこの反乱に備えてるって」
ガレンが指さす方向を見ると確かに屋敷はまだ原型を留めている。うん、大丈夫、大丈夫。
ガレンも的確に状況を判断して私を落ち着かせてくれた。
この場所で一番冷静なのは間違いなくガレンだった。
―――でも、じゃあどうしてそんな悲しそうな顔をしているの?
私はなんだか怖くてその理由を聞くことができなかった。
***
反乱軍は屋敷を包囲しているようだった。
しかし完全に包囲しきるには人数が足りなかったらしく、私たちは隙を縫って屋敷に近づいていく。
改めて近くで見るとお父様のエレクトロフィールドは私のモノの何倍もすごかった。
これでは並みの魔法使いでは攻撃を通すことは出来ないだろう。
「これ……どうしましょう」
「同じ雷魔法使いでうまい事相殺とかできないのか?」
「出来る訳ないでしょう。ガレンこそ土魔法で」
「ムリムリ。近づけた瞬間分解されちまう」
反乱軍を近づけないための防御魔法ではあるけど、私たちもどうやって入ったものかと少し立ち止まっていると突然目の前のエレクトロフィールドの一部が解放された。
「この魔法で一部だけ解除……相変わらずすごいな……」
「あぁ、こんなの俺様にも……というかこの規模のフィールド張れる人なんてあの人なんじゃねーか?」
屋敷の中は自分の家ではないかのように静まり返っていた。
まるで人の気配がない。「きっと大広間だ」というガレンの言う通りに、そのまま私たちは慎重に進んでいく。
階段を登り、廊下を進む。大広間に近づくにつれて、緊張で心臓の鼓動が大きくなる。
廊下を曲がり正面の応接間には灯りがついていた。
その光を見て、私ははじかれるように駆け出し扉をはね開ける。
「お父様!!」
「おお、本当にレヴィだったのか。おかえり、レヴィ。それにイグニス君、ガレン君もようこそ」
そこにはこんな状況にも関わらず、いつもの優しい笑みを浮かべるお父様がいた。
部屋の中には他に誰もいない。
お父様はソファーに腰掛けていて、テーブルの上には紅茶の入ったカップが置かれていた。
上から下まで確認してもケガ一つなく、ここだけ見ると本当に日常のティータイムのようだ。
その様子に一先ずほっと胸を撫で下ろす。
「お父様……外は……?それに皆様、フローラは……?」
広すぎる大広間に誰もいないことが少し怖かった。
「大丈夫だよ、レヴィ。フローラが少し怪我をしただけだ。屋敷も客室が少し壊れただけだし、何も心配することは無い」
それでも心配そうに父を見つめる私の頭を優しくなでる。
「他のみんなは外が少し落ち着いたからお風呂や食事の準備をしてもらっている。もう少しで整うはずだ。こんな状態で大したおもてなしもできないけど君たちも食べていくかい?」
この状況にあって、本当にいつもと何も変わらないお父様に頭が混乱してくる。
普段通りすぎて、逆になんだか心配になってきた。
なにか言うべき言葉がグルグルと頭の中を駆け巡っていたが、うまく口から出てこない。
そんな私を見かねてかお父様はもう一度私の頭をなでる。
「アルドリックさん!」
「おじさん、だよ、イグニス君」
「こんな時にそんなこと言っている場合ですか!こんな、いったいどうしたんですか!?」
「反乱は、まぁそれなりによくあることじゃないか」
「それでも、でも、アルドリックおじさんがそんな反乱の対象になるなんてありえない!」
イグニスの言葉にお父様は少しだけ困った表情をする。
「反乱は何がきっかけで起きるかわからないからね。私もそれなりに平和に貢献してきたつもりだったけど、まぁきっと何かあったんだろう。そのあたりも食事をしながら話そうか」
そう言ってお父様は微笑んだ。
「ガレン君は少し久しぶりだね。ずいぶん大きくなった。お父様は元気かね?」
「――――お久しぶりです。久しぶりの再会がこんな形で残念です」
「再会に残念ということは無いよ。でも、そうだね。今度はお父様と一緒に、もっと盛大におもてなしができるタイミングで会えると嬉しいね」
「今度……ですか」
「そう、今度、だ。さぁ、君たちも席に着き給え。まずは楽しい話をしよう」
少し父とガレンの会話に間があったような気がしたが、それよりも今はお父様が無事だったことに心底安堵していた。
もう知っている誰かを失うのは何より怖かった。
0
あなたにおすすめの小説
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
悪役令嬢に成り代わったのに、すでに詰みってどういうことですか!?
ぽんぽこ狸
恋愛
仕事帰りのある日、居眠り運転をしていたトラックにはねられて死んでしまった主人公。次に目を覚ますとなにやら暗くジメジメした場所で、自分に仕えているというヴィンスという男の子と二人きり。
彼から話を聞いているうちに、なぜかその話に既視感を覚えて、確認すると昔読んだことのある児童向けの小説『ララの魔法書!』の世界だった。
その中でも悪役令嬢である、クラリスにどうやら成り代わってしまったらしい。
混乱しつつも話をきていくとすでに原作はクラリスが幽閉されることによって終結しているようで愕然としているさなか、クラリスを見限り原作の主人公であるララとくっついた王子ローレンスが、訪ねてきて━━━━?!
原作のさらに奥深くで動いていた思惑、魔法玉(まほうぎょく)の謎、そして原作の男主人公だった完璧な王子様の本性。そのどれもに翻弄されながら、なんとか生きる一手を見出す、学園ファンタジー!
ローレンスの性格が割とやばめですが、それ以外にもダークな要素強めな主人公と恋愛?をする、キャラが二人ほど、登場します。世界観が殺伐としているので重い描写も多いです。読者さまが色々な意味でドキドキしてくれるような作品を目指して頑張りますので、よろしくお願いいたします。
完結しました!最後の一章分は遂行していた分がたまっていたのと、話が込み合っているので一気に二十万文字ぐらい上げました。きちんと納得できる結末にできたと思います。ありがとうございました。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる