もふもふ好きの騎士と毛玉

コオリ

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本編

02

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「こら、まだ」
「……ん、あ、だって」

 いいところに当たっているのだろうか。もどかしそうに細い腰を揺らすものだから、こちらも堪らない。我慢できなくなって、とん、と奥を突くと尻尾がぴんと伸びた。

「ぅにゃ、ぁッ、あンッ」
「気持ちいいのか?」
「ん……きもちい……」

 本当に気持ちよさそうだ。私も気持ちがいい。
 ゆっくりと中を掻き混ぜると、ぬぷぬぷと卑猥な音が孔から聞こえた。たくさん注いだ香油が白く濁って、孔の縁から溢れてくるのも視覚的に私を掻き立てる。あまりの卑猥さにまた自分の陰茎が大きくなるのがわかる。

「ぅ、ぐ……あっ」
「すまない。痛いか?」
「っ、あ……ん、へいき、だよ?」

 口ではそう言っているが、リティスの顔色は冴えなくなった。中で急に大きくなった私の圧迫感が酷いのだろう。先ほどまでの気持ちよさそうな表情から一転、息を詰めて堪えるような仕草を見せる。
 私も同じだった。狭いリティスの中が私の陰茎を強く締め付ける。あまりの締め付けにもうそれは気持ちいいのかどうかも、わからなくなるほどだ。

 ―――やはり、無理だったのか。

 決定的な体格差があるのだ。繋がることに無理があるのはわかっていたはずなのに。
 もう既にリティスの孔は最大限に引っ張られ、無理をすれば切れてもおかしくないほどで痛々しさすらある。もう抜こう。
 ……そう考えた時だった。

「んんっ、あ、なにぃ?」
「どうした、リティス」
「変な、かんじが」

 突然、リティスの様子が変わった。
 ぷるぷると体を震わせたかと思うと、耳と尻尾の毛をぶわりと逆立てる。そして体からか、淡い光がほわりと放たれた。

「これは、異界術か?」
「え……あ、なんで、いま?」

 光の色はリティスの目の色と同じだ。ということは、恐らくリティスの異界術だ。
 ずっと発動できなかったそれが、なぜ今発動するのか。

「そういえば、お前の術とは何なんだ?」
「治癒、だよ」
「治癒? では、どこか怪我をしたのか?」
「わかんない……けど、中、なんかさっきと、ちがう」

 中? それは今、私の陰茎を受け止めているここのことか?
 もしかして、中に傷を負ったのかもしれない。慌てて腰を引き抜こうとして、動かすとリティスが「うにゃんっ」と驚くほどの甘い鳴き声を上げた。

 なんだ、これは。

 確かに明らかに先ほどまでとは違っている。痛いほどに締め付けていたそこは、まだ狭くはあるが柔軟に私を受け止めている。
 もう一度、確かめる意味を込めて、とんと奥をつくとリティスが「ぁん」と可愛い声を上げた。

「大丈夫か?」
「あ、あ……なに、これ……すごい、きもちいぃ……」

 リティスの反応も先ほどまでと全然違う。蕩けているのは声でわかる。
 背中を大きくしならせて、腰を自分から前後に揺する。

「くっ……これは」
「アウルムは、気持ちよく、ない?」
「逆だ……気持ちよすぎて、もたない」

 これが治癒の力? どういう力なんだ、この子の力は。
 それを考えようとするのに、気持ちよさのせいで全く思考が定まらない。優しくしたいのに、この強烈な情欲が、容赦なくこの子を蹂躙したいと思わせる。

「がまん、しないで? いっぱい、して?」
「―――っ!」
「ぁあ、ああ!」

 請われるまま、中を掻き回す。
 リティスの弱いところを押して、奥を突いて、子猫のように鳴く声を聞きながら、自分の欲のままにリティスを貪り食らう。

「ぅ、にゃぁ、あッ、ひ、ぁあ!」

 リティスの声は、もうほぼ悲鳴だった。
 背中に圧し掛かって、必死に獣のように腰を振って……リティスの白いうなじに歯を立てる。
 本当に獣同士の交わりみたいだ。リティスは獣人でも、私は人間のはずなのに。

「ぅ、あ……それ、もっと……噛んで」

 うなじを噛むと、きゅっと中が締まる。
 そう感じていたらリティスにもそう請われた。
 噛まれるのが好きなのか。今度は肩口に噛みつく。まだ幼さの残る柔らかな肌は軽く歯を立てるだけでも、くっきりと赤い歯型が浮き出す。とても卑猥だ。

「そろそろ、出る……っ!」

 たくさん噛み跡をつけながら、躊躇いもせずガツガツと穿ち、掻き回す。
 そして、搾り取られるような感覚に、先に音を上げたのは私の方だった。

「僕も、もう……」

 いや、リティスも同じく限界だったらしい。
 ひと際、強く中を突いて、ぐっと腰に力を入れる。
 そのまま中に放つと、リティスの体が大きく震えた。
 言葉にならない高い悲鳴を上げ、ぎゅっと体を硬直させたかと思うと、そのあとすぐに意識を飛ばしたようだ。
 崩れ落ちる体を、私は慌てて後ろから抱きしめる。
 漸く熱を鎮めた陰茎をリティスの中から引き抜いて、どろりと溢れた自分の白濁に己の欲の激しさを知った。


 ―――こんなにも相手を求めたのは初めてだ。
 ―――ここまで己の欲に対して自制がきかなかったのも。


 無理をさせてしまったリティスの小さな体をそっと抱き上げて、使っていない方のベッドに体を横たえる。
 泣きすぎて赤くなってしまった瞼に唇で触れながら、愛おしい柔らかな頬を手の甲でするりと撫でた。
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