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第13話 検査という選択
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診察室の空気は、いつになく重かった。
医師は資料を見ながら、静かに口を開いた。
「佐藤さんのご年齢ですと、染色体異常のリスクが高まります。もちろんすべての赤ちゃんがそうなるわけではありませんが……羊水検査を検討される方も多いです」
机の上に置かれたパンフレット。
“羊水検査”と書かれた文字が、美香にはやけに濃く映った。
「ただし、検査には流産のリスクも伴います。受けるかどうかはご家族でよく話し合ってください」
医師の言葉を聞きながら、美香は曖昧にうなずいた。
帰り道、病院の出口を出ると、冷たい風が頬を刺す。
ポケットの中の手が震えているのは、寒さのせいだけではなかった。
——もし、結果が“そう”だったら?
——私は、この子をどうするの?
頭の中で問いが渦を巻く。
その夜、リビングで健一に打ち明けた。
「羊水検査、どう思う?」
健一はしばらく黙り込んでいた。
「……俺は、どんな子でも迎える覚悟はある。けど、美香が不安なら、受けてもいいと思う」
「もし……結果が良くなかったら?」
その問いに、健一は言葉を詰まらせた。
二人の間に沈黙が流れる。
隣の部屋から、結衣のドアが閉まる音がした。
家族それぞれが、まだ答えを見つけられないまま、夜は静かに更けていった。
医師は資料を見ながら、静かに口を開いた。
「佐藤さんのご年齢ですと、染色体異常のリスクが高まります。もちろんすべての赤ちゃんがそうなるわけではありませんが……羊水検査を検討される方も多いです」
机の上に置かれたパンフレット。
“羊水検査”と書かれた文字が、美香にはやけに濃く映った。
「ただし、検査には流産のリスクも伴います。受けるかどうかはご家族でよく話し合ってください」
医師の言葉を聞きながら、美香は曖昧にうなずいた。
帰り道、病院の出口を出ると、冷たい風が頬を刺す。
ポケットの中の手が震えているのは、寒さのせいだけではなかった。
——もし、結果が“そう”だったら?
——私は、この子をどうするの?
頭の中で問いが渦を巻く。
その夜、リビングで健一に打ち明けた。
「羊水検査、どう思う?」
健一はしばらく黙り込んでいた。
「……俺は、どんな子でも迎える覚悟はある。けど、美香が不安なら、受けてもいいと思う」
「もし……結果が良くなかったら?」
その問いに、健一は言葉を詰まらせた。
二人の間に沈黙が流れる。
隣の部屋から、結衣のドアが閉まる音がした。
家族それぞれが、まだ答えを見つけられないまま、夜は静かに更けていった。
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