勇者ですか? いいえ……バグキャラです! 〜廃ゲーマーの異世界奮闘記! デバッグスキルで人生がバグッた仲間と世界をぶっ壊せ!〜

空クジラ

文字の大きさ
140 / 226
第13章 勇者と憤怒の紋章編

第140話 絶望を超えるもの……

しおりを挟む
「滅びよ……滅びよ! 人よ滅びよ! 一人残らず死ぬがいい!」

 オークヒーローの口から発せられた言葉が、周りにいたオーク討伐隊の意味ある言葉として聴こえてきた。

「な⁈ ヒロ! オークヒーローが人の言葉を!」

「ええ、どうやら最悪な事態に陥りました……最後の攻撃でカイザーのHPを削り切れず、一瞬の隙をついて、オークヒーローの意識が憤怒の紋章に乗っ取られたみたいです」

 兵士の首をはね、凶々しいオーラをまとったカイザーが、ゆっくりと立ち上がる。
 
 理知的だった瞳が赤い狂気の色に染め上げられ、体から黒い……漆黒の闘気が陽炎のように揺らめき、切断された左腕の付け根からは、触手状の黒い腕を生やし蠢いている。健在な右手の腕で奇妙なあざが……憤怒の紋章が黒く凶々しい光を発していた。

 それはもうオークヒーローの形をした別の何か……そうとしか形容しようがない姿に変貌したカイザーに、その場にいた全員が恐怖する。

「ひっ! な、な、なんだあいつは!」

「か、勝てるわけがねえ、あんな化け物……」

「助けてくれ……お願いだ! 俺だけでいい……助けて」

 その姿を見ただけで、人の本能が訴えかける。コイツは絶対に見逃してくれないと……全てを憎む凶々しい殺気に誰もが正気を失いかけていた。

 オークヒーロー? そんな存在が霞むほどの圧倒的な恐怖に、気を失う者まで現れた。

 ヒロとリーシアが変貌したオークヒーローに注意を払いながらも、すでにヒロは溜めを完了し、リーシアと共に再びその身に闘気をまとい、戦いに備えていた。

「ヒロ、乗っ取られたという事は、つまり……」

「おそらくオーク達の狂化が始まってしまいました」

「ま、マズイです! アリアさんやシーザー君たちが⁈」

「まだ間に合うかもしれません。元凶である憤怒の紋章を僕に宿らせれば……最悪オーク族の狂化だけは防げるはずです。あれはオークヒーローの種族特性である、眷属強加の力が、憤怒のスキル能力をオーク族に伝播させることで起こる現象だと推測しました」

「今、アレを倒せば助かる可能性があると?」

「ええ、確証はありませんが、起こってしまった事を悔いても何も始まりません。今できるのは、カイザーの体を乗っ取った憤怒を倒し、奴を僕の体に宿らせて最悪の事態を収拾することです」

「でも……話には聞いてましたが、あんなものをヒロに宿らせて、本当に大丈夫なのですか?」

 リーシアがオークヒーローの腕で、凶々しいオーラを発する憤怒の紋章を見て心配していた。

「わかりません……ですが、僕の持つスキル『不死鳥の魂フェニックスソウル』が憤怒の紋章から僕を守ってくれる可能性はあります」

 ヒロは今一度、パーティーメニューを操作し、スキル名を選択して効果を確かめる。

【不死鳥の魂】
 何度死んでも蘇る、不屈の魂に与えられるスキル
 いかなる存在も、その魂を変質させる事はできない
 蘇生確率にプラス補正
 蘇生時に、蘇生ボーナスを付与(HP・MP+20  各ステータス+10)
 蘇生時に体力回復効果

 むろん、このスキルがヒロを紋章の意思から確実に守ってくれる保証はどこにもない。だがヒロは可能性に賭ける事にした。それは少女が願ったワガママを叶えるためであり、オーク達を救うと自分で決めた道だからであった。

 少女はそれ以上は何も言わない。自分のワガママ叶えるために、男が命を賭ける。ならば少女にできる事は一つだけ……男を信じて共に歩くだけだった。

「リーシア……おそらくアイツは絶対防御スキルを使ってくる可能性が高いです。温存しているヒールを使います」

「ですがそれでは⁈」

「不足の事態です。真のエクソダス計画を遂行するために、僕たちが死んでしまっては意味がありません。それにまだ望みはあります」

 その言葉にリーシアが顔をヒロに向けてその瞳を見た時、少女はその瞳は嘘をついていないと悟ると、一瞬でも男を疑った自分を恥じていた。

 そしてリーシアは笑いながらうなずくと、新たなる覚悟と共に憤怒に対峙する。

 二人はもう迷わない。命を掛けた先にある幸せを掴み取るために、闘志を燃え上がらせる!

「出した惜しみはできません! リーシア、使いますよ!」

「許可します! 今度は私がトップで行きます! フォローを!」

 リーシアが飛び出し、ヒロがそれに続く!

 憤怒の紋章が凶々しく輝くと、腕から伸びた触手が向きを変えてリーシアに狙いを定める。

「させるか! スナイプスロー!」

 ヒロは素早く腰から引き抜いたダガーを投げていた! 一条の銀光が触手に向かって一直線に空中に軌跡を描く!

「グオォォ!」

 スキルの効果により、寸分違わず触手に銀光が突き刺さったと思った瞬間、触手の表面で弾かれしまう!

「やはり絶対防御スキル! リーシア! ヒールを!」

「分かっています!」

 銀光を宿したまま弾かれダガーを見たヒロが、腕を振るう! すると腕と魔力のワイヤーでつながったダガーが生き物のようにその軌道を変え、背後の地面に突き刺さった!

 巻き起こる大爆発!

 リーシアに狙いをつけて触手を振おうとしていた憤怒は、突如起こった爆風に後ろから煽られ、空中に吹き飛ばされていた。

覇神はじん六王ろくおうりゅう! 連凰脚れんおうきゃく!」

 逃げ場のない空中を飛ぶ憤怒に、リーシアが震脚の力を使って跳び上がる!

 憤怒はバランスを崩しながらも、前から迫り来るリーシアに、まだ距離があるにもかかわらず触手を振るっていた! すると急に触手の長さが伸びリーシアを襲う!

 だがそれを予想していたリーシアは、闘気をまとわせた必殺の飛びヒザを触手にぶつけて対抗する!

 ヒザの防具と触手がぶつかった瞬間、ヒザ蹴りをするために折りたたんでいた足を伸ばし、その爪先がさらに触手の側面を蹴り込む!

 瞬時に打ち出された二段攻撃に、触手の軌道は大きく外れ、リーシアは触手による串刺しから免れた。

 そして蹴りの勢いを殺さずに駒のように空中で回転すると、その右手を強く握り込み、自分の元へ飛んできた憤怒の体の中心に拳を突き出していた!

「ヒール!」

 リーシアの拳がヒールの光に包まれて紋章の体に当たろうとした時、左腕の付け根からもう一本の触手が生まれ、リーシアの拳をガードしてしまう!

「なっ! しまっ!」

 完全に決まったと思ったリーシアが、突然のガードに気を取られてしまい、憤怒の右手が動いている事に反応が遅れてしまった!

「滅びよ!」

 憤怒の紋章が凶々しいオーラを一際ひときわ放つと、その右拳がリーシアの脇腹に打ち放たれていた!

「カハッ!」

 闘気による防御が間に合わず、拳がリーシアの脇腹に直撃し、脇腹の骨を何本か砕く。

 闘気をまとった拳で殴られたリーシアは、そのまま横に殴り飛ばされ、地面を何度もバウンドしてようやく止まった。

「リーシア!」

 ヒロが憤怒を警戒しながら、倒れたリーシアに声を掛けるが返事はない。

 憤怒がヒールを受け、黒く変色した触手を切り離すと、また新たなる触手を生やす。

「やられた! 憤怒はリーシアのヒールを警戒して、奥の手の触手を隠していたのか! クソッ! なんで予想できなかった!」

「滅びよ! 滅びよ! 人はすべからく滅びよ!」

 憤怒が触手に闘気を集め、周りに凶々しい気勢を発し始めた。

 それは押し潰す重圧プレッシャーではなく、体にまとわりつきジワジワと絞め殺すような、怨嗟えんさの気勢がその場にいた全員の動きを奪う。

「こ、これは⁈ 体が……」

 ヒロまでもが体の自由を奪われ、動きを止められてしまう。

「滅びよ! さあオーク達よ。人を殺せ! 一人たりとも生かしておくな! 罪深き人よ……この世から滅び去れ!」

 するとオーク城の石壁の上に、城の中で待機していたオーク達が立ち並び、次々と水堀りの中に飛び込んで行く……水掘りに飛び込んだオークの数は少なくとも百を超えていた。

 岸にたどり着き這い上がるオークの戦士達……誰もがその目に狂気の色を宿し、同じ言葉を発していた。

ブヒーブヒ人よ滅びよ! ブヒヒブヒヒブッヒ一人残らず死滅せよ!」

 水掘りの近くで動きを止められていた兵士たちは、恐怖で顔を歪めながら、必死に体を動かし逃げようとするが、まとわりつく怨嗟がそれを許さない。

「や、止めろ……助けてくれー!」

 一人の兵士に無常にもオークの槍が深々と突き刺さる。

「ぎゃあぁぁ!」

 手足に槍を刺された兵士は悲鳴を上げると、オークが槍を引き抜き、再び兵士の体に穂先を突き立てる。

「痛い、やめてくれー!」

 オークは何度も何度も時間を掛けて、兵士の体に槍を突き立てる。急所をわざと外し、痛みでわめく兵士の声を聞きながら、できるだけ痛みを与えて殺そうとしていた。

 まるで憎い仇に復讐を遂げたみたいに、オーク達の顔は歓喜に満ちていた。

 そして次々と岸に上がるオーク達が、動けない兵士たちに群がり殺戮が始まった。

 あちらこちらで、兵士たちの叫び声が上がる。

 一人の兵士に十人以上のオークが群がり、少しずつ槍を刺し苦痛を与えていく。

「やめてくれー! お願いだ! せめて一思ひとおもいに殺してくれー!」
 
 しかし兵士の願いは叶えられない。少しずつ死に近づくと恐怖と痛みに、精神が耐え切れなくなると、ついには発狂してしまう。

「は、ははあは、あはあ、はあはや、」

 それでもオークの槍は止まらない。

「…………」

 ついに声が出なくなり、完全に死んだ兵士……だが、そんな兵士の遺体をオーク達はさらに槍で突き続けた。

 体の原型が分からないほど刺し刻まれた時、ようやくオーク達が次の獲物に向かう。

「嫌だ、嫌だ、嫌だー! だ、誰か助けてくれー! ぎゃーっ!」
 
「マズイ、このままだと……闘気が……クソ!」

 ヒロが必死に憤怒に抵抗するため闘気を練り上げまとおうとするが、憤怒の発した気勢に体の自由を奪われてしまい、思うように闘気が練れない。

 今だ諦めず抵抗を続けるヒロを見た憤怒が、笑みを浮かべていた。

 それは良いことを思いついたと……悪ガキのような無邪気な笑みだった。
 
「人よ、最大の苦しみを味わって死ね!」

 その言葉にヒロは嫌な予感を覚え、急いで闘気を練り上げようとした。

 すると、岸で兵士たちを殺していたオーク数名が、ヒロの方へと歩いてくる。

 正確にはヒロの後方で倒れているリーシアに……。

「まさか……クッ、早く……もっと早く闘気を!」
 
 憤怒は笑っていた。ヒロが見せる焦りと苦悶の表情を見て……ただ笑っている。
 
 これから起こるショータイムに期待を膨らせ、醜悪な笑みを憤怒が浮かべていた。

 リーシアに近づくオークたち……その中にはヒロが見知ったオークの姿もあった。

「オク次郎さん……」

ブヒーブヒ人よ滅びよ! ブヒヒブヒヒブッヒ一人残らず滅びされ!」

 古参オークの中でヒロと死闘を繰り広げたオクタと同じ強者つわもののオーク……どこか気が抜けた喋り方だが、仲間を安心させる温和なオークだった。

 そんな温和なオクタが、狂気を宿した目で倒れたリーシアの前に立つ!

 そして数人のオーク達と共に、オク次郎が槍を掲げる。

ブヒーブヒ人よ滅びよ!」

「滅べ! 愛する者を失う痛みを感じながら滅び去れ!」

「止めろ! リーシア! 目を覚まして下さい! ダメだ! やめろぉぉっ!」

 ヒロの願いも虚しく、意識をなくして横たわるリーシアに向かって、狂気の槍が突き下ろされた!

〈絶望を超える悪意が希望に襲い掛かる!〉
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

【完結】おじいちゃんは元勇者

三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話… 親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。 エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

処理中です...