勇者ですか? いいえ……バグキャラです! 〜廃ゲーマーの異世界奮闘記! デバッグスキルで人生がバグッた仲間と世界をぶっ壊せ!〜

空クジラ

文字の大きさ
153 / 226
第13章 勇者と憤怒の紋章編

第153話 聖女とバイクと異世界暴走族

しおりを挟む
 男は画面に釘付けだった。

 一生出会えないと半ば諦めていた思い人に、再び出会えた喜びに彼の心は涙に溢れていた。

 手に握るコントローラーは歓喜に打ち震えていたが、その指はミスなく的確にボタンを操作する。


(ああ……これです……これなんです! これのために僕は生きていると言っても過言はありません)


 ヒロは小型のモニターに映ったキャラを操作しながら、感動で心が震えていた。


(いいですよ、このスピード感! 先の見えないフィールドを駆け抜けるスリル……堪りません!)


 右から左へスクロールする森のフィールドを、デフォルメされたリーシアがバイクに跨り爆走していた。ヒロが十字キーの上下ボタンで彼女の走行ラインを変えながら、迫りくる木や林を避けて行く。


(おっと、前に狼たちの群が!)


 画面の外から狼たちが二頭スクロールインし、バイクが後ろから追い駆ける。


(さあ、どうする? ここは一気に追い抜いて、アレを試してみますか⁈)


 一瞬で判断したヒロが、ターボボタンに指を掛けながら、森の段差が現れるのを待つ……するとすぐさま、狼たちがいない隣の走行ラインに森の段差が表示され、バイクが迫る。


(ココです! ターボ全開!)


 迷いなくターボボタンをヒロは押すと、一時的にバイクが急加速する。ヒロが森の段差に差し掛かるタイミングで十時ボタンの左を押し込むと、バイクの前輪が浮き上がりウィリー状態になる……そのまま段差を踏み越えたバイクは、大きくジャンプして狼たちを飛び越えていく。


(着地は地面と平行に!)


 地面に対してバイクが平行になるように、着地点の確認と角度調整を行い、華麗に着地を決める聖女ヤンキー

 狼たちよりも頭ひとつ分前に出たバイクが、狼に挟まれる形で画面内を並走する。


(今です!)


 そしてヒロが十字キーの上下を小刻みに押し、狼がいる上下ラインに、バイクを無理やり侵入させると……バイクとぶつかった狼たちが、その場でタテに二回転し画面の外にフェードアウトしていった。


(よし、予想どおりです!)


 ヒロが片手をコントローラーから離し、ガッツポーズを決める。


「な、なんだ? ヒロ何が起こっているんだ?」


 暴れ馬バイクに跨った聖女は、今起きた異常な現象に驚きの声を上げていた。

 遥か後方で無惨にも転げ回り、戦線を離脱する二頭の狼たちを、バックミラー越しに少女は確認する。

(うまくいきました。やはりこのバイクは、エキサイティングバイクを元にしていましたか……いや~懐かしい! バイクゲーの元祖にして初まりの伝説を、異世界で再びプレイできるなんて感動ですよ!)



 エキサイティングバイク……ウラコンが発売された翌年にリリースされ、オフロードバイクの一種であるモトクロスをモチーフにした、バイクゲームの草分け的存在……それがエキサイティングバイクだ!

 横スクロール型のシンプルなレースゲームであるが、ただ平坦な道を走るのではなく、アップダウンがある障害物をジャンプで飛び越え、悪路をウィリーで駆け抜けるモトクロの醍醐味を体感できるバイクゲームである。

 アクセルとターボのボタンを操り、最速を目指して爆走するのだが……このターボが曲者だった。
 エンジンにオーバーヒートの概念を取り入れた世界初のバイクゲーであり、ターボ全開で走り続けるとエンジンが焼け付き、止まってしまうシステムが採用されていたのだ。
 
 ターボを使い、ライバルキャラを抜き去る爽快感に酔いしれ、オーバーヒートで抜き去られるゲーマーは続出した。

 そして障害物を飛び越えた後の車体のコントロールに失敗すれば、クラッシュしてしまうため、常に気の抜けない緊張感がプレイヤーを襲う。

 レースである以上、数多くのライバルキャラと同じ画面内を走行するのだが、このゲーム……実はライバルキャラと順位を争うゲームではなかった!

 単純にコースのラップタイムを競い合うレースゲームであり、純粋にプレイヤーのテクニックを突き詰めて最速を目指す、やり込み型レースゲームなのだ!

 走行ラインを確保しつつ、いかにして障害物を最速でクリアーするかが勝負の鍵を握り、邪魔なライバルキャラを転倒させて、無理やり走行ラインを開けタイムを縮める荒技まで存在した。

 インターネットがない時代……世界最速タイムが何秒なのか誰も分からないまま、自分こそ最速を胸に、ゲーマー達は孤独な戦いを続けた。

 ゲーム誕生の黎明期……誰もが我こそが最速をうまった元祖やり込み型バイクゲーム……それがエキサイティングバイクだ!



「え、えきさいてぃんぐばいく? またゲームの話か?」

(はい! 原理は分かりませんけど、【暴れ馬召喚】スキルはおそらく僕の知るゲーム知識を元にしてバイクの概念をこのガイヤの世界で再現しているみたいですね)

「え? ヒロの世界ってあんな風にぶつかっただけで相手が吹き飛ぶのか……? 危ねえ世界なんだな」

(いえ、現実ではありえません。ゲームの中だけの話です。本来ならあんな高速で相手と接触したら一緒に転倒してしまいます。あれは未成熟なプログラム技術の関係で、1ドットでも相手より自分が前に出ていれば、ぶつかった相手が強制的に転倒してしまう仕様なんです)

「現実ではない? ゲームの中だけの話?」


 ゲームが何なのか分からない聖女にとって、ヒロの言葉は謎掛けのように聞こえ、今いちピンとこない。


(エキサイティングバイクは、長いゲーム史の中でも最初期に発売されたレースゲームですから、細かな所の作り込みが大味だったんです)

「大味? ゲームって料理のことなのか?」

(いいえ、違います。今のは言葉の例えですよ。なんて言ったらいいのか……ゲームがない世界でゲームを語るのは難しいですね)


 ヒロが頭を傾げ、少女にどう説明したものかと頭を悩ませる。


(そうですね……ゲームとは自分の空想の世界を、他人に体験してもらう遊びと思ってもらえば良いですかね? あのおかしな転倒は、妄想した人が考えた結果だと思ってください)

「ん~、よく分からねえや! まあゲームについては今度教えてくれよ。それより今は!」


 聖女が前を見ると、まだ数十の魔物が遥か前方を走る憤怒との間を暴走し、進路を塞ぐかのように立ち塞がっていた。
 最後尾には、かつて死闘を繰り広げた、強敵ランナーバードが追走する。

 それはさながらその魔物の集団は、夜の街に爆音を響かせながら、行き場のない情熱を暴走という行為で発散させる暴走族を連想させた。


(もう【コントローラー】スキルの残り時間がありません。一気にアレを叩き潰して憤怒とのタイマンに持ち込みます。リーシアしっかり掴まっててください!)

「いよっしゃー! 行くぜ相棒!」


 待ってましたと言わんばかりに、エンジンが高い爆音を南の森に響かせると、バイクはグングン加速する!

 後ろから近づく暴れ馬バイクに気づき、再び攻撃をしようとランナーバードが速度を落とす。

 一瞬にして空いていた距離を縮め、ランナーバードとバイクが並走しようとした時、ヒロは一気にターボボタンを押し、バイクを急加速させる。

 ランナーバードを一気に追い抜き、タイヤ一つ分バイクが前に出る。

 ヒロは容赦なく、バイクの走行ラインをランナーバードの走るラインに割り込ませ、車体をぶつけた!


「グェェェェ」


 突然体がタテに回転し、視界がクルクル回ったかと思った瞬間、ランナーバードの頭が地面に激突し、首の骨を折りながら地面を転がり絶命していた。


「エグいなこれ……」


 聖女がバックミラー越しにランナーバードの最後を見届け、あまりにも理不尽な殺され方に憐んでいた。


(明日は我が身です。これは敵も有効なはずですから、気をつけてください)

「え? まさか相手がオレ達より前に出て、体当たりされたら……」

(こちらがタテに、二回転するハメになります。だから相手を追い抜き、追い越す際は注意してください)

「へっ、上等だ! もし転倒してもオレがフォローしてやるから、安心しな」

(その言葉、期待しますよ。さあ、残りをサッサと片付けます)

「任せな、行くぜ!」


 再びアクセル全開で加速するバイク……後ろから接近する聖女ヤンキーに憤怒の思念を発した。


「その愚かなる人を滅せ!」


 その思念に反応した暴走集団が一斉にバイクの周りを囲もうと団子状態で速度を落とす。
 
 シカーンを始め森林狼やイノーシ……見たことがない馬型の魔物の姿まであり、その数は三十を超えていた。

 横に広がり憤怒に向かわせまいと、道を塞ぐ。


「どうするヒロ? アレじゃ、追い抜けないぜ」


 モニターの映る画面一杯に広がり群れる魔物たち……全ての走行ラインは塞がれ、前に出られない。
 1ドットでも前に出られれば敵を転倒させられるが、狭い森林の中を集団で走られては、追い抜くことができない。


「ん? ここ見覚えがあるぞ。ヒロ、まずい! もうココは、アルムの町に近いんじゃ⁈」


 そうこうしている内に、憤怒との距離はドンドン離されていく。

 簡易MAPをヒロがチラ見すると、もうすぐ南の森を抜け、草原に出てしまう場所にまで来てしまった。

 草原に出てしまえば、アルムの町はもう目と鼻の先である……人を憎む憤怒が町に入れば、その被害は想像もできない。聖女は焦り始めるが……ヒロは冷静に状況を見極めていく。


(リーシア、あの集団を強行突破します。合わせてください)

「ああ、分かったけど、どうやって? ……え? ……まあぶっつけ本番になるけどやるしかねえか……よし、やるぜヒロ!」

 脳内でヒロの説明が終わると、バイクが加速を始める。

 集団との距離を詰め、ヒロがスピードを調節して付かず離れずの距離を保ちチャンスを待つ。

 ジリジリとスピードを落とし下がる暴走集団とバイク……半分以上。魔物に埋め尽くされたゲーム画面をヒロが凝視する。

 脳内スイッチを入れ、すでにスローモションの世界で彼は待ち続けた……そして一瞬のグラフィックの変化を彼は見逃さない。
 
 瞬時に走行ラインを変え、バイクの前輪を上げてウィリー状態になると、ターボボタンで急加速する。
 そして魔物たちが走り去った道から若干段差がついた地面がバイクの前に現れると、迷わずアクセルを全開にしたバイクが坂に乗り上げ、震脚を踏んだ!

 宙を舞うバイクは加速のスピードをそのままに、低角度で魔物達の頭上を飛び越えようとするが……前輪を上げたバイクは、そのまま空中でタテに回転する。少女が逆さまになり真下に顔を向けると、先頭を走る巨馬の姿を捉えた。

「覇神六王流! 波動衝!」

 震脚により発生した力の波を相手の体内で爆発させる必殺の拳が巨大な馬型の魔物の首に打ち込まれる。

「ヒヒーン!」と、声を上げて首の骨を破砕された馬型の魔物は、そのままバランスを崩して後続を巻き込んで転倒してしまう。

 攻撃を終えた聖女とバイクは、そのままクルッと、もう半回転すると、空いた空間へ見事に着地を決める。

(ココです!)

 ヒロがすかさず十字キーを操作して左右にいた魔物に体当たりをかますと、魔物たちはタテに回転し後続を巻き込んで次々と転倒していく。

 全ての走行ラインにいた魔物が転倒し、暴走集団が全て画面からフェードアウトする。


「やったぜ! あとはあの憤怒の野郎だけだ!」

(ええ! ここは森の出口付近で、辺りの魔物は冒険者に狩り尽くされていますから、もう狂化できません。リーシア……決着をつけますよ)

「ああ! 今までやりたい放題やってくれたらツケを、まとめて返してもらうぜ」


 暴れ馬バイクがグングン加速すると、遠くに見えた憤怒の姿がドンドン大きくなり、森を抜け草原に差し掛かった所で、ついにヒロ達は憤怒に追いついた!

 バイクを加速させ憤怒に並走すると、凶々しいオーラをまとった憤怒の紋章が、父であるオークヒーローと同じ右腕で輝いていた。
 両肩から触手を生やし、シーザーは怒りで顔の表情を歪ませる。

 やはりオークの……ましてや子供の体では、力を満足に出せない。……走るスピードも時速50キロ程度で決して遅くはないが早すぎもしない。
 
 あと少しで、憎き人がたむろする町にたどり着くというのに、自分の邪魔をする存在に追いつかれ、苛立ちを隠せない憤怒が、並走するバイクを片付けようと肩の触手を振る!


(リーシア避けて! 横からぶつかってシーザー君を転倒させるわけにはいきません)

「わかってる!」


 聖女がバイクのステアリングを切り、車体を倒すと触手が彼女の頭上を通り過ぎて行く。
 そして後輪が横に滑り、直線ドリフトの要領で車体を斜めにしたまま前に進む。

 絶妙なバランス感覚でバイクの転倒を防ぐ聖女……バイクの後輪がシーザーに当たる寸前、憤怒はジャンプしてバイクの蹴りを空中で避けた。

 ニヤリと口元を釣り上げる憤怒だったが、聖女もまた口元を釣り上げていた。


「空中ならもう逃げ場はねえぜ」


 車体を真っすぐに戻した聖女が、エンジンを噴かし前輪を持ち上げると……憤怒に蹴りが入る。

 ウィリー状態から前輪に激突された憤怒は、避けられないと知るや、肩から生やした触手を防御に回し直撃を避けると、地面に叩きつけながらも転がり、その動きを止めた。

 うつ伏せの状態からヨロヨロと立ち上がる憤怒……どうやら両肩の触手で受け身を取り、転倒のダメージを逃すことで致命傷だけは避られたようだった。

 体中を擦りむき、血を流す憤怒……そして目の前には、暴れ馬バイクのエンジンを高らかに鳴らす聖女ヤンキーが立ち塞がる。



〈暴走集団を率いていた憤怒の前に…… 暴れ馬バイクに跨った聖女ヤンキーが現れた!〉
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

【完結】おじいちゃんは元勇者

三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話… 親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。 エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

処理中です...