これを非日常とよばないのなら

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3話 猫を拾った

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今は駄菓子屋から家へと向かう帰り道。
猫はおとなしく私に抱かれている

はじめは可愛くない猫だと思ったけど、
改めて見ると結構かわいい。

目はパッチリしていて毛並みもいい
猫にしてはかわいい顔つきをしていると思う。
…かわいいってより、かっこいいなのかな?

私が猫を見つめていると猫は不思議そうに首をかしげた。

「家に帰ったらまずはお風呂だなー」

私がそう言うと猫の体が強ばった

「お前、お風呂が何か知ってるの?
昔飼われてた子なのかな?」

思わず笑ってしまった
お風呂という言葉が禁句だったのか少し爪をたててきた。

「あの、痛いです
やめてください」

落ちないように左腕で猫を支えながら右手で猫の頭を撫でてあげた。
猫は落ち着いたのか爪を立てるのをやめてくれた。

「物わかりがいい子でよかったよ」




……そうこうしているうちに家へと着いた。

また猫を左腕で支えながら反対の手で家の鍵を取り出し、鍵を開け家へと入った

「ただいまー
…っていっても誰もいないんだけどね。」

今は昼だから母さんは仕事に行っている。
父さんは出張で来月まで帰ってこない。

(…まずは猫を風呂に入れちゃうか)
猫を抱いたまま風呂に向おうとすると

ぐぅーーーーーーー

お腹が鳴る音がした。
私じゃないよ!???
私のお腹はなってないですよ!??

(…ってことは)

「お前、お腹すいたの?」

猫は「にゃー」と鳴いた

「冷蔵庫に猫が食べれるものあったかなー…」



行き先をキッチンの冷蔵庫に変えることにした。

冷蔵庫を開くと
「卵、野菜、牛乳、ハム…」

猫にあげるのに丁度いいものが何個かあった

「猫にあげれるのは牛乳とハムかな。
ちょっとまっててね」



猫を床へとおろし
牛乳を電子レンジで少しだけ温め、ハムをフライパンで加熱した。

「熱いから少し待ってから食べるんだよー」

猫にそう告げ、牛乳とハムが別々に置かれているお皿を猫の前に置いてあげた。

猫はお腹が空いていたのか一目散にハムにかぶりついた。

鼻をふんふんっと鳴らしながら熱いのを我慢してハムを食べている。

「そんなにお腹すいてたの?
ミルクも飲みなー」

そう言うと、
ハムを食べるのを一旦やめて
牛乳を飲みはじめた。

「美味しいかー?
そっかーよかった」

夢中になって食べて飲んでいるってことは美味しいんだろう。

(猫が夢中になっている間部屋着に着替えようかな…)

私はキッチンから二階にある自分の部屋へと行き、部屋着へと着替え、先ほど駄菓子で買った梅ジャムを自分専用の梅ジャムBOXへと入れた。

なんで梅ジャムBOXがあるのかって?

親に太るよとか言われるの嫌だからね!
私しかわからない場所に置いて食べるのが一番いいからね!!





…そろそろ猫が食べ終わった頃だろう。
猫をお風呂に入れるべくキッチンへと向かった。

キッチンに行くと、猫は満足しそうに口のまわりを舐めていた。

この子はこの後お風呂に入れられるとは思いもしないだろう。

逃げられないようにそっと猫を抱えお風呂場へと向かった。

脱衣場の扉を閉め、私が部屋着の袖をまくっていると
そんな私の異変に気付いたのか脱衣場の中をウロウロし始めた。

「今更気付いたって遅いんですー」

もう一度猫を捕まえ、風呂場へと入れた。
猫はにゃー、にゃー、と絶え間なく鳴いている。

「ごめんね、本当は入れないであげたいんだけどノミとかダニとか居たら嫌だからさ…」

前に飼っていた子に使っていた猫用のシャンプーが少しだけあったため、これで洗うことにした。

ウロウロしている猫を逃げないようにし30℃くらいのぬるいお湯を背中にゆっくりとかけた。


…すると、


ぽんっ!!!

変な音がして、お風呂場に煙が広がった。

「は!?え、なにこの煙!!」 

「いやぁぁぁぁぁぁ!!!
猫の時に水かけんのはやめてぇぇぇ!!」

「……え、きゃぁぁあぁあ!!!!!」

煙と同時に知らない男の人の声がした。
すぐさま声の方向を見ると
先ほど猫がいた場所にパンツ1枚しか履いていない男がいた。









あとがき

見て下さる方がいてすごく嬉しいです!(´;ω;`)
水(お湯)をかけると猫が人間へと変わってしまうという設定です!

感想などありましたら泣いて喜びます!←
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