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「……そんなこと、誰にも言っちゃ駄目だよ」
「い、言わない、し……」
「こわいなあ、もう……どこで覚えてくるの」
確かにイヴなら言わないかもしれない、だってこれは前の世界のおれの記憶だもの。
でもどうしよう、口にすると、お腹の中がずくずくして、きゅうきゅうして、さみしい。
まだアルベールのものはナカに納まっているけど、あったかいのがもっとほしい。
きゅっと唇を噛み締めていると、頭上からレオンの楽しそうな声がした。
「いいよ、イヴの願いを聞いてやれ」
「でも……」
「俺とイヴが許可してるんだ、躊躇う必要はないだろう」
「……もう、知りませんからね」
素直で偉いぞ、とレオンがアルベールと唇を重ねた。
アルベールは、イヴじゃないんですからこんなことで騙されませんよ、と呟きながらも、またおれを見つめてわかったよ、と頷く。
黒い前髪が揺れて、その下の黒い瞳がおれを映した。
あと何回、この優しい瞳に映ることが出来るのだろうか。
……いいな、おれもイヴになりたい。
「ッ、あ、う」
「……ナカ、痙攣してきた」
「は、ァう、も、や、出る……っい、イく、イきたいっ……」
何回も途中で止まっちゃったものだから、今度こそ、とお腹のナカが催促しているのかもしれない。
アルベールを逃がさないようにしてるのかもしれない。
自分でも、ぎゅうっと締め付けてるのがわかる。それは自分でコントロール出来るようなものじゃなかった。
意識すればする程締め付けてしまう。自分も気持ちよくなってしまう。
「あッ、あ、ん、う、」
揺さぶられると勝手に声が漏れる。
きゅう、とレオンの手をきつく握ると、もう我慢出来ないな、と低い声が耳元に響いた。
狡い。
ふたりとも、近過ぎる。
そうだ、もう我慢なんて出来ない。
「……っ、う、あ、っ……んうぅ……!」
「……ッ」
「あっ……」
逃がさないよう、また両足で挟んでしまったから、アルベールが出したのは奥の方。
どくどくとあたたかいものを感じる。
当然ながら初めての感覚だった。不快感はない。
寧ろその、体温よりあつく感じるものが嬉しくて、気持ちよかった。
「……っン」
おれの手から離れたレオンの指先が瞳にかかる前髪を避け、指の腹で滲んだ涙を拭った。
指の背で頬を撫でて、唇に触れる。
それから頭を撫でる大きな手のひらにぐい、とさらに押し付けると笑い声がした。
アルベールは大丈夫?とまだびくびくする腰を撫で、おれの腹に飛んだものをシーツで拭う。
そんなもので、と手を伸ばすと、後で綺麗にするから構わないよとその手を握った。
使用人には任せないから気にしないで、と指先に柔らかく唇を落とす。
「それより、お腹、大丈夫かな」
「ん、あったかいよ」
「……そういうことじゃなくて」
「あ」
「どうした」
ついまた失念していた。
アルベールの後はレオンがいる。何も考えずに出して、なんて強請ってしまった。
ナカ、綺麗にしたら大丈夫かな。
お腹を押さえたままレオンを見上げると、その意図が伝わったのか、俺も許可を出したろう、と苦笑した。
「お前がかわいいものだから少し揶揄いたくはなるけれど、嫌がることをしたい訳じゃないよ」
「ん……」
「アルベールのものなら構わない、他のを咥えたら赦さないけどな」
少しほっとした。
次のチャンスがあるかどうかもわからない中で、おれの考えなしの言葉のせいでまた今度となったら大変だった。その今度はない可能性の方が高い。
アルベールだってレオンだって、この際貰えるものは全部覚えておきたい。
「まあ丁度良いだろう」
「……」
そういうところがおじさんくさい、という三度目の感想は呑み込んだ。
おじさんなんて言葉が似合わない程きらきらしてるんだから、もう。
交代ですね、とアルベールが言ったのを合図に、また場所の交換だ。
おれがまた同じ体勢を選んだのは、おれが丸見えなのはそりゃあ恥ずかしいけれど、それ以上にふたりとも視界に入れたいという欲が勝ったから。
後ろから抱き締められるのも、前からぎゅうと抱き着くのもどちらも気持ちいいししあわせだけれど、今日は。
ふと真横を向くと、上着が脱ぎ捨ててある。これはレオンのもの。
薔薇の香りが上着にまで移っている。ふんわりと香るその上着に手を伸ばして自分に寄せた。
「レオンさまのにおいがする?」
「ん、花のにおい」
「イヴはそのにおい、すきだねえ」
「……うん、すき、」
これも覚えておきたい。
他の世界に同じ花があるかなんてわからないけれど、この甘いにおいがすきだったこと、すきなひとが纏っていたことを忘れないように。
「そんなことを言われると取り上げられないな」
この世界から持ち出せるものは記憶と想い出だけ。
まあどの世界に行ったって行けなくたって、この記憶が引き継げるのかどうかなんて正解はわからない。
アンリと同じ世界にいけるのか、愛莉に会えるのかすらわからない。
でもだからこそ、出来ることは全てやっておきたいんだ、後で後悔したって遅いんだから。
ああ、とはいってもやっぱり後悔だらけだ。
挨拶したいひとももっといたのに。
「い、言わない、し……」
「こわいなあ、もう……どこで覚えてくるの」
確かにイヴなら言わないかもしれない、だってこれは前の世界のおれの記憶だもの。
でもどうしよう、口にすると、お腹の中がずくずくして、きゅうきゅうして、さみしい。
まだアルベールのものはナカに納まっているけど、あったかいのがもっとほしい。
きゅっと唇を噛み締めていると、頭上からレオンの楽しそうな声がした。
「いいよ、イヴの願いを聞いてやれ」
「でも……」
「俺とイヴが許可してるんだ、躊躇う必要はないだろう」
「……もう、知りませんからね」
素直で偉いぞ、とレオンがアルベールと唇を重ねた。
アルベールは、イヴじゃないんですからこんなことで騙されませんよ、と呟きながらも、またおれを見つめてわかったよ、と頷く。
黒い前髪が揺れて、その下の黒い瞳がおれを映した。
あと何回、この優しい瞳に映ることが出来るのだろうか。
……いいな、おれもイヴになりたい。
「ッ、あ、う」
「……ナカ、痙攣してきた」
「は、ァう、も、や、出る……っい、イく、イきたいっ……」
何回も途中で止まっちゃったものだから、今度こそ、とお腹のナカが催促しているのかもしれない。
アルベールを逃がさないようにしてるのかもしれない。
自分でも、ぎゅうっと締め付けてるのがわかる。それは自分でコントロール出来るようなものじゃなかった。
意識すればする程締め付けてしまう。自分も気持ちよくなってしまう。
「あッ、あ、ん、う、」
揺さぶられると勝手に声が漏れる。
きゅう、とレオンの手をきつく握ると、もう我慢出来ないな、と低い声が耳元に響いた。
狡い。
ふたりとも、近過ぎる。
そうだ、もう我慢なんて出来ない。
「……っ、う、あ、っ……んうぅ……!」
「……ッ」
「あっ……」
逃がさないよう、また両足で挟んでしまったから、アルベールが出したのは奥の方。
どくどくとあたたかいものを感じる。
当然ながら初めての感覚だった。不快感はない。
寧ろその、体温よりあつく感じるものが嬉しくて、気持ちよかった。
「……っン」
おれの手から離れたレオンの指先が瞳にかかる前髪を避け、指の腹で滲んだ涙を拭った。
指の背で頬を撫でて、唇に触れる。
それから頭を撫でる大きな手のひらにぐい、とさらに押し付けると笑い声がした。
アルベールは大丈夫?とまだびくびくする腰を撫で、おれの腹に飛んだものをシーツで拭う。
そんなもので、と手を伸ばすと、後で綺麗にするから構わないよとその手を握った。
使用人には任せないから気にしないで、と指先に柔らかく唇を落とす。
「それより、お腹、大丈夫かな」
「ん、あったかいよ」
「……そういうことじゃなくて」
「あ」
「どうした」
ついまた失念していた。
アルベールの後はレオンがいる。何も考えずに出して、なんて強請ってしまった。
ナカ、綺麗にしたら大丈夫かな。
お腹を押さえたままレオンを見上げると、その意図が伝わったのか、俺も許可を出したろう、と苦笑した。
「お前がかわいいものだから少し揶揄いたくはなるけれど、嫌がることをしたい訳じゃないよ」
「ん……」
「アルベールのものなら構わない、他のを咥えたら赦さないけどな」
少しほっとした。
次のチャンスがあるかどうかもわからない中で、おれの考えなしの言葉のせいでまた今度となったら大変だった。その今度はない可能性の方が高い。
アルベールだってレオンだって、この際貰えるものは全部覚えておきたい。
「まあ丁度良いだろう」
「……」
そういうところがおじさんくさい、という三度目の感想は呑み込んだ。
おじさんなんて言葉が似合わない程きらきらしてるんだから、もう。
交代ですね、とアルベールが言ったのを合図に、また場所の交換だ。
おれがまた同じ体勢を選んだのは、おれが丸見えなのはそりゃあ恥ずかしいけれど、それ以上にふたりとも視界に入れたいという欲が勝ったから。
後ろから抱き締められるのも、前からぎゅうと抱き着くのもどちらも気持ちいいししあわせだけれど、今日は。
ふと真横を向くと、上着が脱ぎ捨ててある。これはレオンのもの。
薔薇の香りが上着にまで移っている。ふんわりと香るその上着に手を伸ばして自分に寄せた。
「レオンさまのにおいがする?」
「ん、花のにおい」
「イヴはそのにおい、すきだねえ」
「……うん、すき、」
これも覚えておきたい。
他の世界に同じ花があるかなんてわからないけれど、この甘いにおいがすきだったこと、すきなひとが纏っていたことを忘れないように。
「そんなことを言われると取り上げられないな」
この世界から持ち出せるものは記憶と想い出だけ。
まあどの世界に行ったって行けなくたって、この記憶が引き継げるのかどうかなんて正解はわからない。
アンリと同じ世界にいけるのか、愛莉に会えるのかすらわからない。
でもだからこそ、出来ることは全てやっておきたいんだ、後で後悔したって遅いんだから。
ああ、とはいってもやっぱり後悔だらけだ。
挨拶したいひとももっといたのに。
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