上 下
27 / 90
6.ノームと楽しいゴーレムづくり

4

しおりを挟む
 わたしが四体目のゴーレムを作り終わった時、エルノックの声が響きわたった。
「よし、これで超大型ゴーレムの完成じゃ!」
 見てみると、なんと大人三人分の大きさの泥人形が横たわっていた。
 横幅も大きいし、全体的にがっちりしてるし……。このゴーレムと戦う冒険者はたいへんだ。
 これで、すべてのゴーレムがそろった。全部で、二十体くらいかな。
 エルノックが、ゴーレムの起動呪文を唱えると……。
「うおおおお!」
「うああああ!」
 ゴーレムたちが雄叫びを上げながら、立ち上がって動き出した。
 ぎゃー、いっせいに動くと怖い!
 ボコボコしているわたしのゴーレムも、ちゃんと動き出して、なんだか感動してしまう。
「さあ、散れ、散れ! そして、冒険者たちが来たら、存分に戦ってやれ!」
 エルノックの号令で、はっ、とする。
 わたしが作ったゴーレムちゃんも、冒険者たちを襲うんだよね……。
 ケガをさせちゃうって可能性もあるし……。
 うーん、なんだか複雑。
 このダンジョンは、練習用ってことで、死者がでることはめったにない。
 それでも、骨折とか、ひどいけがをしたりすることは日常茶飯事だ。
 ううう、ゴーレムちゃん、なるべく手加減してあげてね。
 わたしがそう心でつぶやいていると……。
「がぁあああぁああ!」
 ぶんっと動かされた巨大な腕に、他のゴーレムたちがなぎ払われる。
 なんと、超大型ゴーレムが、周りにいるゴーレムたちを攻撃し出したのだ!
しおりを挟む

処理中です...